田中およよNo2の「なんだかなー」日記

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2006年09月19日
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カテゴリ: 硬派
2006年10月号の 「群像」

今日は、島本理生さんの「Birthday」を読んだ。
島本理生さんの小説は初めてだ。
評判から若い恋愛小説を書くんだろうなと、思った。
そして、その通り…

だと、思っていた。

くっそー。
やられた。

僕はいつも見破れない。
感心してしまって、なんだか悔しい。
終りの部分から小説を組んでいったんだろうって、思う。
その計算が…
くっそー。

ネタバレは嫌だから、ここらへんにしておいて。

若い女性作家という点では 「デリラ」の金原ひとみさん と同じ年代。
でも、相当違う。
一つの短編しか読んでいないから断言はできないけども、しちゃうね。

金原ひとみさんの文章はビールをあおりながら胸を張って「セックス」って感覚。


でも、その感覚と、残酷さの度合いは比例しないんだよね。
「デリラ」と「Birthday」だと、圧倒的に「デリラ」のほうが救いがある。
バカな主人公で異常かもしれないけど、現実的でもある。

「Birthday」はおりこうさんの話になってる。
だからこそ、現実離れしちゃってる点もあるかもしれない。

ふわふわと。

その浮遊感がこの島本さんの魅力なのかな?
なにしろ、おっさんの私にとってはすごーく羨ましい。
(まあ、僕が女性の心理をどのくらいわかってるかってことは別にして)
凄く僕がいいなって感じたのは、主人公の少女が抱く憧れについてだ。

200頁で、たまたま訪問した高校で、男女が教室で、誰にも見られていないと思いながらキスをするのを、主人公の女性がのぞき見るシーンが、とても美しい。

「だから一大人が聞いたら絶対にあきれると思うけど、私はあの私立中学校に入学したら男の子と付き合って、大人びた口調で「学校さ、つまんないよね」と言ってみたかったのだ。」

このちょっとした、ねじれ具合に憧れるのって、男の僕でもわかる。
まだ、しっかりとしてない人が持つ、憧れ。

そういうゆるやかな憧れを描いているから、最後のキッと切り取られてしまった主人公のやるせなさと、残酷なことが印象に残る。
ありきたり、と言ったけど、ここまで纏め上げる島本さんはスゴイ。

そして、何より、やっぱり、短編っていいなって思う。
短いのに豊かだ。
これからも、読み続けよう。

僕が豊かであるために、も。

※もっと、「なんだかなー」なら『 目次・◎ものがたり(映画、音楽、文学、本) 』まで





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最終更新日  2006年09月19日 12時26分50秒
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