読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2006.12.12
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カテゴリ: その他の本
古典と言えば源氏、ですよね。
本好きさんは、皆さんお読みになりましたか?
私は、実は、読んだことありません。
原文じゃなくて現代語訳でも、読んだことがありません。
何度も読みかけたことはあるけれど、たいてい桐壺、帚木はなんとかクリアしても、
空蝉となると完全にダウンです。

正直に言いますが、血筋も容姿も教養も何もかもがステキでもてもての男性なんて、
私は気持ち悪いです。
そんな人が夜中にしのんできて、口から口説き文句がべらべらと出てくるなんて、

だいいち、源氏はマザコンです。
不倫相手の藤壺も、正妻もどきとなる紫の上も、結局はママに似ているから好きになったんです。
そもそも、小さい女の子を引き取って、自分の好みの女性に育て上げ、
そのまま愛人にしてしまうなんて、これまた気持ち悪い話です。

そんな悪口を言っていても、源氏物語はやっぱりなんとなく気になる小説です。
源氏物語そのものは読んだことはないけれど、その周辺の本なら、たくさん読みました。
私の本棚をちょっと見ただけでも、こんなにあります。

1 新源氏物語(上中下) 田辺聖子
2 源氏物語の男たち(ミスター源氏の生活と意見) 田辺聖子
3 絵草子源氏物語  田辺聖子
4 女人源氏物語(第1巻、2巻、3巻) 瀬戸内寂聴

6 新・私本源氏・春の目覚めは紫の巻  田辺聖子
(余談ですがこの5番と6番は、抱腹絶倒のおもしろさです。電車の中じゃ読めません。)

そして、昨日読んだのが、「源氏に愛された女たち」渡辺淳一 です。
渡辺淳一さんが書くと、源氏の男心も、現代の男性の気持ちと似通っているところが多く、
1000年の歴史を経ても、なまなましく読めるところはさすがです。

夕顔については「簡単に男を受け入れる女の魅力」
空蝉は「愛を拒むことで自らの存在を示す」
正妻である葵上は「素直に自分を表現できない女の悲劇」
明石の君は「つつましく控えめにして幸せを得る」
などなど、まるで「女性が幸せをつかむ方法」という、週刊誌の特集みたいです。

1000年前っていっても、結局は昨日の昨日の昨日の昨日の昨日の・・・・・・・・・・・・・・・
今とつながっている過去であって、男と女は同じことを繰り返してきたんだなあ。
源氏物語を身近に感じさせてくれたこの本は、
多分、渡辺淳一さんでないと書けなかっただろうと思わせる本でした。






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Last updated  2006.12.12 13:56:59
コメント(22) | コメントを書く


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Re:源氏物語の周辺(12/12)  
1118maruko  さん
源氏物語は marukoも与謝野晶子で挫折してます
きれいな日本語の魅力はあるものの 誰が誰に言ったのか など 肝心なところが分からなくなるのです 名前ならまだしも 右大臣とか中将とか イメージするのが むずかしかったです
でも 読めてないっ というのが ずっとひっかかっていて 瀬戸内寂聴の 「口語訳瀬戸内源氏」
を読みました
なんだか 口語訳になると  なんとつまらん
薄っぺらになるもんだ とあきれました
難しいけど 与謝野晶子の源氏物語 死ぬまでには読みたいです! (なんと たいそうな!)
ちなみに 長女は○菜です・・  (2006.12.12 17:02:14)

Re:源氏物語の周辺(12/12)  
ばあチャル  さん
まったく!私も読みきれていません。よーっし、と原文と円地本と与謝野本抱え込んで挑戦するのですが、すぐ挫折します。

でも、先日丸谷才一の「輝く日の宮」を読んでふたたび燃えそうだったのですが、何しろ他にも読む本が多くて(汗)

田辺周辺本は読みやすいんですよね。それにしても田辺聖子こんなにお書きになったのだ、と知らない本もありました。さっそく渡辺淳一(なるほど異色かも)「源氏に愛された女たち」ともども読みたくなりました。

(2006.12.12 17:15:20)

中学のとき  
読子  さん
中学生のとき、友達の家にあった与謝野源氏を借りて
全部読みました。赤い布表紙で2段組で5冊(4冊かな)あったと思う。しかし断片的にしか憶えていません(汗)
六条の君の生霊とか~。
若い頃のほうがうんと難しい本を読んでいましたね。女性史みたいなのを読みふけったときもあったし・・・。
今は面白いのだけ。乱読の果てに辿り着いた結末?とはいえ乱読は続行中♪ (2006.12.12 21:54:06)

Re:源氏物語の周辺(12/12)  
私も「源氏」は周辺をうろうろ……です。一番読んだのは、マンガの「あさきゆめみし」だし。高校の授業の源氏の現代語訳は円地文子さんからお借りした記憶が……。与謝野晶子は浅学菲才な高校生からしてみると、これもまた立派な古典で歯が立ちませんでした。
少女小説家・倉本由布の書いた「姫君たちの源氏物語」がふわふわと甘い感じで好きでした。
源氏に登場する女性では、私は夕顔が好きです。かわいい。娼婦めいた暮らしぶりでも愛らしい気品を保っているところが好きなんですけど、渡辺淳一説では夕顔ちゃんは妖婦なのかしら。気になります。 (2006.12.12 22:01:04)

私は”おせいさん”かな。  
daimajin814  さん
おせいさんの私本・源氏物語を投げ出してしまいました。
でも彼女の本を、パラパラとどこまで読んだかなと探してみるとアチコチに頁の折込があって、「女は、あるいは男は、たのしむたのしむためのものとなるのは、男女双方中年過ぎてからなのだ。若いうちの異性は苦しむためのものだ。」なんて記述があります。
違った意味で、おもしろいですねぇ。 (2006.12.12 22:54:12)

Re:源氏物語の周辺(12/12)  
プックミ  さん
高校時代に演劇部で「末摘花」が基になった作品を扱ったことと大学時代にレポートで苦労したことくらいが思い出です。それに私も完璧なプレイボーイは苦手だから・・(笑)でも確かに昔も今も人は恋に興味があったのでしょうね。 (2006.12.13 08:20:58)

Re[1]:源氏物語の周辺(12/12)  
ぱぐら2  さん
1118marukoさん
>源氏物語は marukoも与謝野晶子で挫折してます
>きれいな日本語の魅力はあるものの 誰が誰に言ったのか など 肝心なところが分からなくなるのです 名前ならまだしも 右大臣とか中将とか イメージするのが むずかしかったです

そうそう!私も同感です。

>なんだか 口語訳になると  なんとつまらん
>薄っぺらになるもんだ とあきれました

ほう。私は桃尻語訳の枕草子とか、好きですけどね。きっとまるちゃんはきらいだと思うけど。

>ちなみに 長女は○菜です・・ 

あ、そうなの?可愛いお名前、源氏からつけましたか? (2006.12.13 10:29:35)

Re[1]:源氏物語の周辺(12/12)  
ぱぐら2  さん
ばあチャルさん
>まったく!私も読みきれていません。よーっし、と原文と円地本と与謝野本抱え込んで挑戦するのですが、すぐ挫折します。

何度読んでも、必ず同じところで挫折する本って、あるんです。
今度その本のこと、書きますね。

>田辺周辺本は読みやすいんですよね。それにしても田辺聖子こんなにお書きになったのだ、と知らない本もありました。

田辺聖子さんは、本当に源氏物語を愛していて、
あれこれいじりまわしたくなるんだろうなあと思います。 (2006.12.13 10:32:23)

Re:中学のとき(12/12)  
ぱぐら2  さん
読子さん
>中学生のとき、友達の家にあった与謝野源氏を借りて
>全部読みました。

おお!それはすごい!
与謝野晶子の現代語訳は、格調高いけれど難しいと思います。
桐壺しか知らないけどね。

>今は面白いのだけ。乱読の果てに辿り着いた結末?とはいえ乱読は続行中♪

重い本を読むエネルギーは、たしかに減っていますね。
いまのうちに、嵐が丘とか、ジェイン・エアとか読み返しておこうかと思っています。 (2006.12.13 10:35:08)

Re[1]:源氏物語の周辺(12/12)  
ぱぐら2  さん
とおり・ゆうさん
>私も「源氏」は周辺をうろうろ……です。一番読んだのは、マンガの「あさきゆめみし」だし。

そういうマンガがあるっていうのは聞いていますが、まだ読んだことありません。
今度また、マンガ喫茶に行ってみよう!

>源氏に登場する女性では、私は夕顔が好きです。かわいい。娼婦めいた暮らしぶりでも愛らしい気品を保っているところが好きなんですけど、渡辺淳一説では夕顔ちゃんは妖婦なのかしら。気になります。

ううん、違いますよ。
やさしくておっとりして、従順なところがいじらしい。
特に、地位や身分にこだわってことさらかまえて振舞う、葵の上や六条の御息所に苦労していた源氏からすると、
夕顔が突っ張らず自然体でいることが美徳のように思われる。
しかも(ここから先が渡辺淳一さんならではになるんだけど)
多分夕顔は、セックスにおいてより深く源氏をとりこにしたのであろう。
早死にはしたけれど、女としての幸せは味わったに違いない。
と、こういうふうに書かれています。
ここから先は、どうぞこの本を読んでみてね。 (2006.12.13 10:50:23)

Re:私は”おせいさん”かな。(12/12)  
ぱぐら2  さん
daimajin814さん
>おせいさんの私本・源氏物語を投げ出してしまいました。
>でも彼女の本を、パラパラとどこまで読んだかなと探してみるとアチコチに頁の折込があって、「女は、あるいは男は、たのしむたのしむためのものとなるのは、男女双方中年過ぎてからなのだ。若いうちの異性は苦しむためのものだ。」なんて記述があります。
>違った意味で、おもしろいですねぇ。

ふむふむ、深~いことばですねえ。
中年過ぎの人生を楽しんでいるお聖さんならではの、ことばです。
お互いに、これからの中年以降の人生を楽しまなきゃね。
(2006.12.13 10:53:25)

Re[1]:源氏物語の周辺(12/12)  
ぱぐら2  さん
プックミさん
>高校時代に演劇部で「末摘花」が基になった作品を扱ったことと大学時代にレポートで苦労したことくらいが思い出です。

思い出が、学校の試験やレポートって言うのは、つらいねえ。
作品にとっても不幸ですよね。

でも確かに昔も今も人は恋に興味があったのでしょうね。

そうですね。男女の気持ちは、1000年経ってもかわらないんだって思いました。 (2006.12.13 10:54:59)

源氏物語は・・・  
えみくりん  さん
大和和紀の『あさきゆめみし』で読みました。
って漫画は邪道でしょうか??
でも、これを読んだのが中学生の時なので、中学生も読めるぞって事で導入には良いと思うのです。

言葉だけだと想像し難い古典の世界も、登場人物解りやすいです。
のちのち古文の教材として出てきたときもストーリーが解っているので入りやすいですし・・・

でも、現代語訳といえど解釈なので様々な訳があるんでしょうね。
私のお友達も『源氏物語』を研究してましたよ!
(2006.12.13 17:59:39)

Re:源氏物語は・・・(12/12)  
ぱぐら2  さん
えみくりんさん
>大和和紀の『あさきゆめみし』で読みました。
>って漫画は邪道でしょうか?

「あさきゆめみし」、前から読んでみたいと思ってました。
私はベルバラのおかげで、高校の世界史がわかったんだもん、
マンガを侮っちゃいけませんよね。 (2006.12.13 23:32:35)

源氏物語は・・・  
たこはは さん
時々思い出したように、今度こそ読破するぞ!
と決意してはすぐ挫折の繰り返し・・・
クリア出来たのは『あさきゆめみし』でした。
しかし、これだって女性の顔が似かよって
時々区別不能になることもシバシバ・・・
その中で「末摘花」は印象的でした。
美女にひがんでいるのかもしれません。
田辺聖子さんの抱腹絶倒という本を
是非呼んで見たいです。
楽しみながら源氏物語を深めていけたら
良いですね。
(2006.12.14 10:32:00)

Re:源氏物語は・・・(12/12)  
ぱぐら2  さん
たこははさん
こちらの方にも来てくださったんですね。とてもうれしいです。
それに、たこははさんも、かなりの本好きさんみたい。
もしよかったら、一緒に本のお話もしましょうね。気晴らしになるかもしれません。 (2006.12.14 17:02:01)

Re:源氏物語の周辺(12/12)  
かのこ.  さん
高校の時、源氏物語の授業で、先生が漫画をコピーして配ったんです。
それを元に、授業が進んだので、楽しかった記憶があります。
ちょうど、紫の上発見!のところでした(笑
(2006.12.14 18:45:02)

こんばんは。  
源氏物語、好きなんですよ。何人かの訳本を読みました。

田辺聖子さんのは、関西弁で書いてあるものですか?そういうのもありましたよね。とっても面白かった記憶があります。

今の感覚に変えると、こんな男性がいたら、
最悪!って思いますが(笑)

現実的でない所がいいのかもしれません。

学生時代に読んだとき、恋愛中、失恋中など、その時々で読んだ後の捉え方がちがったのも印象に残っています。

田辺聖子さんのがもう一度読みたくなりました。 (2006.12.14 23:01:43)

Re:源氏物語の周辺(12/12)  
ままちり  さん
こんにちは。
とおりゆうさんのところから参りました。
源氏物語を語るならやはりきっちり読んでからにしていただきたいなぁ、と言うのが正直なところです。
源氏は確かにスーパースターですが、その度が過ぎて明石に忍んだり、好きな女がたたり殺されたり、最後には正妻にまで浮気をされちゃって、その「だから言わんこっちゃない」末路を紫式部はしっかり書き込んでいるのです。
彼が年老いてなお、女を追っかけまわす姿には老醜さえもあるのですよ。
作家たちがいろいろな角度から眺めることの出来る奥深さが、「源氏」にはあります。
ご自身でも独自の角度から読んでみてはいかがでしょうか。
それで作家さんがたと同じ感想をもたれるか、あるいはご自身独自の感想をもたれるかわかりませんが、せめて源氏正本(宇治十帖は除く)は読んでいただければ・・・


(2006.12.17 20:32:30)

Re[1]:源氏物語の周辺(12/12)  
ぱぐら2  さん
かのこ.さん
>高校の時、源氏物語の授業で、先生が漫画をコピーして配ったんです。

それはいきな先生ですねえ。
そのおかげで、今も紫の上発見のシーンを覚えているんですから、
授業としては大成功ですね。 (2006.12.18 15:02:48)

Re:こんばんは。(12/12)  
ぱぐら2  さん
ぽよぽよsykkyさん
>源氏物語、好きなんですよ。何人かの訳本を読みました。

おお、そうでしたか。それはすごい。

>田辺聖子さんのは、関西弁で書いてあるものですか?そういうのもありましたよね。とっても面白かった記憶があります。

田辺聖子さんの古典ものは、他にも枕草子や今昔物語、百人一首などがあり、
どれもおもしろいです。
が、やっぱり源氏がいちばん情熱がこもっているかな?という気がします。 (2006.12.18 15:05:14)

Re[1]:源氏物語の周辺(12/12)  
ぱぐら2  さん
ままちりさん

>源氏物語を語るならやはりきっちり読んでからにしていただきたいなぁ、と言うのが正直なところです。

源氏物語が相当お好きなようですね。
私にとっては源氏物語も紫式部も、数ある文学作品の一つであり、作家の一人です。
源氏が年老いてからのエピソードも、それなりに知ってはおりますが、
この日記に記した感想文は、あくまでも「源氏に愛された女たち」を読んだ感想です。
私は私なりの読み方で読んだ本を、これからも正直に語っていきますよお!
どうぞ、また読みにきてください。 (2006.12.18 15:13:23)

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