読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2007.10.25
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カテゴリ: 小説
前回書いた奥田英朗さんもいいですが、この荻原浩さんもまた、ハズレのない作家さんだと思います。



ものごとを一生懸命したことのない、バイトさえ続かない、サーフィンだけが楽しみな現代のフリーター健太と、昭和19年の「海の若鷲」にあこがれる軍国青年吾一がタイムスリップして入れ替わってしまう!
もうそれだけで、どんなドタバタが起きるのかと楽しみに思ってしまいます。

混乱や驚愕やとまどいや、いろいろな感情に振り回されながら、二人ともだんだんと知らない時代に適応していきます。その様子は滑稽ながら、人間ってすごいなと感心してしまいました。
昭和19年に行った健太はおもいがけなく恋人ミナミの祖父母にめぐりあうし、自分の祖父にも会います。また現代のミナミは、吾一を健太と信じてつきあうのですが、亡くなった祖母の遺品の中から驚くべきものを発見します。
ただ二人に共通していたのは、二人とも自分の時代に戻ることを決してあきらめなかったことです。特に、健太はほんとうに男らしく変貌して、自分やミナミの祖父を救うのですからすごいです。

物語の最後に、健太と吾一は元の時代に戻れるのか・・・
しかも、たとえ無事に戻れたとしても、その後の波乱を予想させるような問題が起きていて・・・

本当にうまいなあとうなってしまいました。


最後にもう一つ。
章ごとに番号がふってあるんですが、現代を書いてある章はアラビア数字、戦争中の章は漢数字がふってあるんです。
なんてことないけど、作家の遊び心みたいなものが感じられて、ちょっと楽しくなりました。





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Last updated  2007.10.25 11:45:12
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