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著者・編者 | 浮田裕=著 |
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出版情報 | SBクリエイティブ |
出版年月 | 2015年12月発行 |
著者は、法政大学教職課程センターの教授、左巻健男さんと、兵庫県立星陵高等学校の先生、浮田裕さん。力学からはじまり、仕事とエネルギー、熱力学、伝記、電磁気、波と、一部は高校物理の範囲を超えているが、大人の常識として押さえておきたいポイントが凝縮されている。基本的な数式も登場する。挿絵のウサ耳メイドは謎(笑)。
すべて物体は、その静止の状態を、あるいは直線上の一様な運動の状態を、外力によってその状態を変えられないかぎり、そのまま続ける(34ページ)――アイザック・ニュートン『プリンキピア』の有名な一説だ。
ニュートンの運動方程式を解くと、加速度がないときは、物体が静止しているか、等速度運動をしているかのいずれかになる。もし物体の中に乗客がいたとすると、乗客には、静止と等速直線運動は区別がつかない。慣性力が働いているからだ。
加速度がついている物体は仕事をする。物理でいうエネルギーは仕事をする能力である。エネルギーの単位は仕事と同じJ(ジュール)だ。
エネルギーには8種類がある。
(1)運動エネルギー
(2)位置エネルギー
(3)熱エネルギー
(4)電気エネルギー
(5)弾性エネルギー
(6)化学エネルギー
(7)電磁波のエネルギー
(8)核エネルギー
熱エネルギーと関係が深いエントロピーにより、永久機関はあり得ないことがわかる。
フランクリンは雷の電気を、集めることができる流体と考えていたようだ。人類は、電気の正体が電子であることを知る前から、電池を発明し、発電機を製造した。
電気には正と負かあり、お互いに引きつけ合い、正どうし負どうしといった同種の符号をもつ場合には反発する。この力をクーロンカと呼び、電気の量(電荷)に比例し、距離の2乗に反比例する。
空間に、ある電気量をもった物体を置いた場合に、その周りには電場(電界)が生じる。
物理学や数学を苦手な人が多い。社会に出て役に立たないことを、なぜ勉強しなければならないのかと言い出す人もいる。だが、それは違う。
投資詐欺や宗教詐欺、反医療運動や反原発運動――社会には数々の非科学的な動きがある。そうした活動から自分の身を護るために、物理学や数学を学ぶのだ。本書に永久機関がなぜできないのか、解説がある。これを読めば、永久機関と称する商品への投資詐欺に引っかからないで済むだろう。
中学・高校時代に物理が苦手だったあなた、大人になってもう一度学び直してはいかがだろうか。今度は3年と時間が限られているわけではない。定期テストがあるわけでもない。自分が学べるときに少しずつ学んでみよう。
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