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2005/04/05
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小沢一郎さんのホーム・ページを時々拝見させて頂いています。


学校にも行かず定職にも就かず、親のすねかじりをしている青年を「ニート」と呼ぶようですが、何らの生産活動を行いもしないのに、公共的サービスは一人前に受けるのは問題だ、というのが小沢一郎さんのご意見です。親が甘やかすのがいけない、とも、おっしゃっています。ニート解決策として、親は一定の時期が来たら子どもを家から追い出すべきだ、と、おっしゃいます。でも、私が思うに、ニートと言われる人たちは、家を追い出されてもやはりニートだと思います。親と同居しているから、親から経済的援助を受けているから、ニートなのではなく、仕事をする目的が見つかっていないことがニートであることの原因だからです。

ですが、小沢一郎さんの意見が、日本の「ニート」に対する平均的な意見だと思います。

まず、ニートと呼ばれる階層が目立ってきたのは、バブル崩壊以後、企業が採用を絞ってきたことが原因なのであって、これは若者の責任ではありません。'80年代にせっかく、世界一の工業国となりながら、就労者に賃金という形で報いることをせず、米国の不動産・銀行・映画会社を買いまくった、企業経営者側の責任です。正当な労働対価を支払い、就労者のレベルを高め、労働生産性を高める努力を行っていれば、ITで米国に先んじられてしまうことはありませんでした。ですが、日本の企業経営者は就労者の資質を高める努力を怠り、ITに関しては遙かに米国に遅れをとってしまいました。下手をすれば、韓国・台湾・香港に追い抜かれかねない状況です。

その結果、ますます、企業は就労者の教育に背を向けるようになり、即戦力の中途採用と非雇用パート・派遣社員の増大を促進させてきました。企業に入って、即、ビジネスの第一線で結果を出すことを求められるのです。これでは、若者が就職に対して尻込みしてしまうでしょう。しかも、買い手市場の労働市場では、若者が自分の特技・自分の理想・自分の経験を生かした職種につくことがますます難しくなりました。こういうことを考えると、ニート問題は若者の責任とは言えないと思います。

中央公論の4月号に、本田由紀さんという東大の助教授をしている先生が書いているニートに関する記事が出ていました。本田さんは、ニートは、学力の有無で決まるのではなく、対人能力で決まるという意見を書いています。家庭の中でのコミュニケーションが行き届いている場合には、学力・対人能力とも高い傾向があるそうですが、学力があっても対人能力に欠ける層もいるということです。対人能力に欠ける層では、卒業前に大きな進路不安を抱えやすいことも指摘しています。

現文科大臣は、競争原理により生徒の勉学意欲を増進させることを考えているようですが、問題は、競争を煽られても競争しようとしない、はじめから諦めてしまう生徒がかなり多いことです。確かに「競争」は、学力上位層にはそれなりの効果はあるように思いますが、学力下位層の無気力を蔓延させるだけのような気がします。本田さんは、職業教育・専門教育により、実習などでの共同作業を通じて対人能力を身につけることができる。生徒が、現在自分のやっていることが将来の生活にも意義があると実感できることが問題解決の突破口だとしています。対人能力向上には競争原理はあまり役には立たない、ということのようです。

私は、競争原理には意味があると考えています。ただ、学力だけで競争させるのには意味がありません。社会に出て、レストランの料理人をやったり、トラックの運転手をしたり、営業の窓口をするのに、高校・大学でやるような高等教育の一つ一つが役に立つとは言えません。幅広い教養を持つことは、社会全体で他者への理解を深めるのには役に立つかも知れませんが、生活費を稼ぐためには大して役には立たないでしょう。私は、価値観が多様であるべきだと思います。学力だけで競争するのではなく、体力でも競争するし、歌のうまさでも競争するし、手先の器用さでも競争するし、いろいろな競争があるべきだと思うのです。



あと、ニートの積極的な意義を考えることもできると思います。NHKの「日本の、これから」という番組で堀江貴文氏も、自分はすることもなく毎日ブラブラしていた時期があった、そこから自分は這い出してきた、と、言っていましたが、次なる発展への充電期間という意味もあると思うのです。卒業してそのまま何も考えずに就職、あとは忙しさに振り回されて自分を見失ってしまうのなら、しっかり自分の見据えるときがあってもよいと思います。社会が、一見ムダに見えるものでも、明日の成長への原動力として許容できるような大らかさが必要だと思います。





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最終更新日  2005/04/05 12:09:20 AM


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