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【本日の一冊】オロロ畑でつかまえて人口わずか三百人。主な産物はカンピョウ、ヘラチョンペ、オロロ豆。超過疎化にあえぐ日本の秘境・大牛郡牛穴村が、村の起死回生を賭けて立ち上がった!ところが手を組んだ相手は倒産寸前のプロダクション、ユニバーサル広告社。この最弱タッグによる、やぶれかぶれの村おこし大作戦『牛穴村 新発売キャンペーン』が、今始まる―。第十回小説すばる新人賞受賞、ユーモア小説の傑作。おもしろかった!荻原さんの作品は『明日の記憶』『噂』についで3冊目ですが、これはまた趣向が違う作品ですね~。本書がデビュー作だとか。 タイトルを見たときにはサリンジャーのパロディかと思いましたが(笑)ユーモアたっぷりの読後感のよい一冊でした。
2007年03月31日
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【本日の一冊】エスケイプ闘争と潜伏にあけくれ、20年を棒に振った「おれ」。だが人生は、まだたっぷりと残っている。旅先の京都で始まった、長屋の教会での居候暮らし。あやしげな西洋坊主バンジャマンと、遅れすぎた活動家だった「おれ」。そして不在の「あいつ」。あきらめを、祈りにかえて生きるのだ。―いつわりと挫折の日々にこそ宿る人生の真実を描く傑作小説。 【目次】エスケイプ/アブセント う~ん…
2007年03月30日
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【本日の一冊】日本人の死に時何歳まで生きれば“ほどほどに”生きたことになるのか?長寿をもてはやし抗加齢に踊る一方で、日本人は平均で男6.1年、女7.6年間の寝たきり生活を送る。多くの人にとって長生きは苦しい。人の寿命は不公平である。だが「寿命を大切に生きる」ことは単なる長寿とはちがうはずだ。どうすれば満足な死を得られるか。元気なうちにさがしておく「死ぬのにうってつけの時」とは何か。数々の老人の死を看取ってきた現役医師による“死に時”のすすめ。う~ん、考えさせられる一冊ですな。うちは年寄り5人を抱えているので…他人事ではないのですが。全員が一度に要介護状態になったら…と想像するだけで ゾッとしますわあ、その前に私がボケちゃって要介護になったりして(笑) いや…笑えない…
2007年03月29日
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【本日の一冊】廃用身 (文庫版)「廃用身」とは、脳梗塞などの麻痺で動かなくなり、しかも回復の見込みのない手足のことをいう医学用語である。医師・漆原糾は、神戸で老人医療にあたっていた。心身ともに不自由な生活を送る老人たちと日々、接する彼は、“より良い介護とは何か”をいつも思い悩みながら、やがて画期的な療法「Aケア」を思いつく。漆原が医学的な効果を信じて老人患者に勧めるそれは、動かなくなった廃用身を切断(Amputation)するものだった。患者たちの同意を得て、つぎつぎに実践する漆原。が、やがてそれをマスコミがかぎつけ、当然、残酷でスキャンダラスな「老人虐待の大事件」と報道する。はたして漆原は悪魔なのか?それとも医療と老人と介護者に福音をもたらす奇跡の使者なのか?人間の誠実と残酷、理性と醜悪、情熱と逸脱を、迫真のリアリティで描き切った超問題作。衝撃的内容でした!医療とは? 老人介護とは? と考えさせられる一冊です。この物語はフィクションですが、実に巧みでノンフィクションか? と思うほど。「病腎移植」を行なう医師がいるなら、「Aケア」を施術する医師がいても不思議ではないような…最初の奥付を見たとき、「え?!」と一瞬驚きましたが、なんとなんと憎い演出です。 破裂 こちらもおすすめ。
2007年03月26日
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【本日の一冊】手紙強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く…。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。重く、深い、話である。犯罪加害者の家族を描いた小説といえば『疾走』を、また犯罪被害者の家族を描いた小説なら『風紋』『晩鐘』が思い出されるが、本書はそのどれとも性質を異にしている。≪ほとんどの人は、自分は差別などとは無縁だと考えている。世の中に存在する差別に対して怒りを覚え、嫌悪を感じることはあっても、自分が差別する側に立つことは断じてないと信じている。 この小説は、そんな我々に問いかける≫まさにそういう内容なのだ。一読の価値あり。 映画化もされたようです。
2007年03月24日
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【本日の一冊】ダブル若い女性が突然、路上に飛び出し、車に轢かれて死亡した。事故と他殺が疑われたこの事件は、被害者の特異な容貌から別の注目を浴びることになった。興味を持った女性ライターが取材を進めると、同じ地域でまた新たな事件が起こる。真相に辿り着いた彼女が見たものは―。かつてない犯人像と不可思議な動機―追うほどに、女性ライターは事件に魅入られていく。新たなる挑戦の結実、衝撃の長編サスペンス。人間の醜い部分がたくさん散りばめられていて、「自分はどうだろうか?」「いま、少しでも共感しちゃったかも?」と思いながら読み進めました。読み応えはあるけれど、登場人物のあまりに自分勝手な論理に 後味はあまりよくなかった一冊です。
2007年03月22日
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【本日の一冊】光ってみえるもの、あれはああ、やっぱり僕は早く大人になりたい―友がいて、恋人がいて、ちょっぴり規格はずれの「家族が」いて。いつだって「ふつう」なのに、なんだか不自由。生きることへの小さな違和感を抱えた、江戸翠、十六歳の夏。みずみずしい青春の物語川上さんが描く家族って、やっぱり不思議(笑)そして、大鳥さんが妙に母性本能をくすぐる。【ニシノユキヒコ】的存在だ。楽しめました。
2007年03月21日
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【本日の一冊】百間先生月を踏む著者の急逝によて未完となった最後の長篇小説。『サラサーテの盤』『冥途』と不可思議な短篇を数多く残し、今なお読者を魅了し続ける内田百聞。実作によって、その創作の秘密に迫った著者畢生(ひっせい)の問題作。おもしろかった!この小説のひとつの骨格をなしているのは『冥途』をリメイクした作品群 であるので、本書を読む前に『冥途』を読んでいた方が楽しめるでしょう。さらに『サラサーテの盤』ほか、『百鬼園俳句帖』など百間の作品に触れている方がより本書を味わえると思います。「小坊主の果林」を通して、久世氏は百間を語っています。【先生は<冥途>や<旅順入城式>みたいな、<不思議な>小説を書いていればいいのだ。あれは余人に書けるものではない。これこそ天分である。大正十年ごろの<件>や<山東京伝>や<尽頭子>なんかは、漱石先生の<夢十夜>を、ひょいと一跨ぎに越えてしまっている。】【今日の昼の月は、寺のどこからでも見える。白っぽい空にぼんやり煙って、果林はふと、百間先生の小説はあの昼の月みたいだと思った。】 (抜粋)本書はノンブルはついていますが、「一息に」読んでください(笑)そして、坪内氏の「解説」を読む。 すると↑「一息に」の意味がおわかりになるかと(^^)『サラサーテの盤』が読みたくなってきました。 で、これを読んだらまた本書を読みかえしたい♪
2007年03月19日
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【本日の一冊】水に眠る同僚への秘めた思い、途切れてしまった親子の愛、義兄妹の許されぬ感情…。人の数だけ、愛はある。短篇ミステリーの名手が挑む愛情物語10篇。【目次】恋愛小説/水に眠る/植物採集/くらげ/かとりせんこうはなび/矢が三つ/はるか/弟/ものがたり/かすかに痛い 「矢が三つ」は二夫一妻制のお話。う~ん、いいかも。夫が二人(=収入が二倍)なら、家庭は潤うよね~(笑)他の9編も含めて、楽しめました。
2007年03月17日
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【本日の一冊】田紳有楽あくまで私小説に徹し、自己の真実を徹底して表現し、事実の奥底にある非現実の世界にまで探索を深め、人間の内面・外界の全域を含み込む、新境地を拓いた、“私”の求道者・藤枝静男の「私小説」を超えた独自世界。芸術選奨『空気頭』、谷崎賞『田紳有楽』両受賞作を収録。川上弘美さんが著書『あるようなないような』で、「この三冊」と紹介した<幻想譚>の一つ。「田紳有楽」はたしかに不思議ばなしである。で、私は不思議ばなしが好きではあるのだけれどこの作品を味わうには、まだまだ未熟らしい(笑)「空気頭」も、そのよさを感じるには何年もかかりそう… ちなみに川上さんが選んだ「この三冊」のうち、『冥途』は充分楽しめたんだけど。あとは、『怪しい来客簿』に挑戦しようと思います。
2007年03月12日
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【本日の一冊】有栖川の朝あなたは今日から「有栖川識仁」さんです。人生は“配役”の問題だ。殿様面の大部屋俳優と、馬鹿で酒乱で美貌の華ちゃん。二人を拾った“川獺のお月さん”は、偽の華族の結婚でひと儲け…。人間の可笑しさ、そして哀しさを絢爛豪華な七色の筆致で描く。 本書は、有栖川宮家を騙りニセの結婚披露宴を開催して「招待客」から祝儀を掠め取った、あの詐欺事件をもとに描かれています。数年前の事件なので、記憶に新しいところですがこの物語の方が実際の事件よりよほど巧妙に練り上げられた計画に思えます(笑)楽しめました。久世先生の作品、次は『百間先生月を踏む』を読んでみたいなと。 著者の急逝によって未完となった最後の長篇小説。
2007年03月11日
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読書人・ゆきさん からのありがたい情報を得て伊坂幸太郎大特集 を組んでいるという「ダ・ヴィンチ 4月号」を購入してきました~ これ♪1軒目の本屋さんには置いてなくてあせったわ 6日発売(だよね?)なのに、すでに売り切れか ヒエェ━━━━(´Д`υ)━━━━・・・ おそるべし! 伊坂人気っ! …と思いつつ、ちょっと先の本屋さんへいったら5冊ほど置いてありました(^^;)何はともあれ、無事手に入れられて良かった特集記事だけ読もうっと
2007年03月10日
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【本日の一冊】わくらば日記昭和三〇年代。当時私は東京の下町で母さまと姉さまと三人、貧しいながらも仲むつまじく過ごしておりました。姉さまは、抜けるように色が白く病弱で、私とは似ても似つかぬほど美しい人でしたが、私たちは、それは仲の良い姉妹でした。ただ、姉さまには普通の人とは違う力があったのです。それは、人であれ、物であれ、それらの記憶を読み取ってしまう力でした…。小さな町を揺るがすひき逃げ事件、女子高生殺人事件、知り合いの逮捕騒動…不思議な能力を持つ少女が浮かび上がらせる事件の真相や、悲喜こもごもの人間模様。現代人がいつの間にか忘れてしまった大切な何かが心に届く、心温まる連作短編集。 【目次】追憶の虹/夏空への梯子/いつか夕陽の中で/流星のまたたき/春の悪魔 朱川さんらしい語り口だな~と思いながら読みました。「犯罪」を扱っていながらも、重苦しくなく、どこか物悲しくもあり、どこかやさしい…。朱川さんの描く昭和はどうしてこうも郷愁を覚えるのでしょうか。 まだ私が生まれていない頃の話なんだけどなぁ~「女子高生殺人事件」や「スチュワーデス事件」は実際に起こった事件のようです。ほかの事件も実際にあったものを底にしているのかもしれませんね。「そのお話はまたいつかの機会に」といった記述がいくつかみられますので、続編を期待しています(^^)
2007年03月08日
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【本日の一冊】手のひらの蝶児童精神科医の小村伊緒が勤める児童福祉センター「のぞみ園」に母殺しの容疑者である九歳の少年・真下裕人が保護された。伊緒が治療にあたるうちに、裕人は心を開きはじめるようになる。同じころ「のぞみ園」の近くでは、奇妙な連続殺人事件が起きていた。その現場には母親殺害現場のものと同じ成分の黒い染みが残っていた―。「悪」の本質に挑む驚愕のサイコサイエンス・ミステリ。 おもしろかった小笠原氏の作品を初めて手にしたのですが、これはこれは…。ミステリーなので、内容にはふれませんが。見事にひきこまれて、一気読みでした(笑)他の作品も読んでみたいです。 ←精神科医である著者が本名で執筆している本。こっちも気になります。 おまけ 本書を読みながら、貴志祐介氏の『天使の囀り』を思い出してしまいました。あれは結構怖かったなぁ…
2007年03月07日
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【本日の一冊】八月の路上に捨てる暑い夏の日、30 歳を目前にした僕は離婚を決意した。アルバイトをしながら夢と生活に追われ、2人の心がねじれていった結婚生活を「捨てる」ということとは……? 現代の若者を覆うフリーター社会を切なく、そして軽妙に描く第135回芥川賞受賞作品!他一編収録。【目次】八月の路上に捨てる/貝からみる風景 伊藤たかみさんの作品はこれが初めて。まあまあ。
2007年03月03日
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【本日の一冊】死顔兄の死を題材に、自らの死生観を見つめ、病床で死の間際まで推敲を重ねた短編。著者の最期とも符合する表題作のほか、短編全5作の遺作小説集。延命治療を拒んで、自らの死を受け入れた著者の最後のときを、夫人の津村節子氏がつづった「遺作について」を併録。【目次】ひとすじの煙/二人/山茶花/クレイスロック号遭難/死顔 『冷い夏、熱い夏』で初めて吉村氏の作品を読んだのですが、これがすごかった。で、それを読んだのが今年の1月で、氏はすでに鬼籍に入っておられて遺作(本書)も既刊でしたので、是非読んでみたいと思っていた一冊です。【病床で死の間際まで推敲を重ねた】という表題作「死顔」は、題材が「二人」と同じで、同じ事象を描いていながらもその表現が異なっているところなど大変興味深いです。吉村氏の他の作品も少しずつ読んでいきたいと思っています。
2007年03月02日
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【本日の一冊】太陽と毒ぐも角田光代のどこにでもいる恋人たちを描いた11の恋愛短編集。 大好きなんだけど、どうしても我慢できないことがある。でも、やっぱり好き-。だれかを好きになって、相手もこちらを好いてくれて、とりあえずハッピーエンド。そのハッピーエンドからだらだら続くしあわせな恋人たちの日常。 【目次】サバイバル/雨と爪/お買いもの/57577/昨日、今日、明日/100%/共有過去/糧/二者択一/旅路/未来 いやあ、なんかね。うん。そう。 今現在、ラブラブで進行中の恋人たちが読んだらぞっとするかも(笑)それとも、自らを省みるきっかけとなるかな?いや、おもしろいんですよ。作品は。この11組のカップルは傍観者としては笑えます。多かれ少なかれ、人それぞれ性癖ってありますからね~相手をどれだけ容認できるか、自分がどれだけガマンできるか・・・自分の身に置き換えてみると、いろいろと考えさせられます。しかし、「サバイバル」は巻頭ということもあってか印象的でした。お風呂に入らない女っていうのが、かなり強烈に頭に残ってしまっています(^^;)
2007年03月01日
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