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【本日の一冊】ささらさや夫を突然の事故で失ったサヤは残された赤ちゃんのユウ坊とふたり「佐々良」という街へ移住する。そこでは数々の不思議な事件がサヤの身にふりかかる。けれどその度に亡くなった夫が他人の姿を借りて助けに来てくれるのだ。また久代、夏、珠子という三人のお婆さんや、エリカとダイヤ親子という素敵な友だちもできた。しかし、そんなサヤに夫の家族がユウ坊を引き取りたいと圧力をかけてくる。そしてユウ坊が誘拐された…。ゴーストになった夫と残された妻・サヤが永遠の別れを迎えるまでの切なく愛しい日々を描く長編ミステリ小説。 切なくも心温まるお話でした。
2007年04月30日
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【本日の一冊】ピアニシモ僕にはヒカルがいる。しかし、ヒカルは僕にしか見えない。伝言ダイヤルで知り合ったサキ。でも、知っているのは彼女の声だけ。あとは、冷たい視線と敵意にあふれた教室、崩壊寸前の家庭…。行き場を見失い、都会のコンクリートジャングルを彷徨する孤独な少年の心の荒廃と自立への闘い、そして成長―。ブランク・ジェネレーションに捧げる新しい時代の青春文学。 辻さんはこういう作品も書いていたんですね~恋愛ものよりいいかも。設定はややありがち…という感じですが、短いお話の中で、少年の心の不安定さが巧く描写されています。本書の続編が出たようなので、そちらもそのうち読んでみようかと。ピアニシモ・ピアニシモ
2007年04月27日
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【本日の一冊】薔薇の木枇杷の木檸檬の木この物語の主人公は9人の女性たち。花屋のオーナー、雑誌編集者、モデル、主婦、アルバイト、会社員。その9人がそれぞれに恋したりされたり、結婚したり離婚したり、浮気したりされたり、妊娠したりしなかったり。それはもう、誰にも止められない物語。頬をなでる春の風のように、そっと始まる新しい何か。日常というフィールドに優しく拡がる研ぎ澄まされた恋愛エネルギー小説。久々に江國さんの作品を読みました。9人の女性とその夫、恋人らが微妙に絡み合っているお話。一時期、江國ワールドにどっぷり浸かっていた私ですが、これはさらっといっちゃいましたね。私が恋愛というものから距離がありすぎるためかもしれませんが、9人の女性が主人公ということで、バラバラと盛られた「恋」「愛」「哀」…などに心を添わせることができなかったという感じです。誰か一人をメインにたっぷりと読ませて欲しかったなぁ~
2007年04月25日
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【本日の一冊】殺し屋シュウ人気絶頂のロックシンガー椎名ゆかは、コンサート中お気に入りの曲を歌っている瞬間に自分を撃ち殺してくれと頼む。シュウは彼女の額に照準を定めるのだが…(「シュート・ミー」より)。フィッツジェラルドを愛読するセンチメンタルな殺し屋のもとに転がり込んだ奇妙な7つの依頼。急逝した著者がハリウッドで映画化を夢見た幻のシリーズ。 【目次】ファーザーズ・デイ/マーシー・オブ・サムライ/シュート・ミー/ショットガン・スコール/スーサイド・ヒル/ナイト・フラッシャー/キル・ゾーン/ニュー・ファミリーズ・デイ 殺し屋のお話としては、きれいにまとまってしまった感じを受けますが、おもしろかったです。
2007年04月20日
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【本日の一冊】霞町物語青山と麻布と六本木の台地に挟まれた谷間には、夜が更けるほどにみずみずしい霧が湧く。そこが僕らの故郷、霞町だ。あのころ僕らは大学受験を控えた高校生で、それでも恋に遊びにと、この町で輝かしい人生を精一杯生きていた。浅田次郎が始めて書いた、著者自身の甘くせつなくほろ苦い生活。感動の連作短編集。 【目次】霞町物語/夕暮れ隧道/青い火花/グッバイ・Dr.ハリー/雛の花/遺影/すいばれ/卒業写真 <霞町>は今の西麻布辺りなんですかね。本書は著者自身がモデルになっている短編集ということで、浅田氏と同年代の方が読まれたら、とても懐かしく思われることでしょう。浅田作品は何ともいえない哀愁がありますね~「雛の花」「卒業写真」が特によかった。
2007年04月16日
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【本日の一冊】袋小路の男指一本触れないまま、「あなた」を想い続けた12年間。“現代の純愛小説”と絶讃された表題作、「アーリオ オーリオ」他一篇収録。注目の新鋭が贈る傑作短篇集。第30回川端康成文学賞受賞。 【目次】袋小路の男/小田切孝の言い分/アーリオ オーリオ 先日読んだ『エスケイプ』が、いまいち…という感じだったので買ったものの放置したまま、なかなか手を出さなかった本書ですが、読んでみたら、よかった!客観的にみたら、やめなさいよ、といいたくなるような恋愛だけれども、それこそ袋小路に迷い込んだかのようにその恋愛から脱することができない切なさが伝わってきます。「小田切孝の言い分」を読むと、ちょっと感じが違ってきちゃうのですが…(^^;)
2007年04月12日
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【本日の一冊】螺旋階段のアリス脱サラ探偵仁木と美少女(人妻?)安梨沙が事件を解決!人々の心模様を「不思議の国のアリス」のキャラクターに託して描く七つの物語。【目次】螺旋階段のアリス/裏窓のアリス/中庭のアリス/地下室のアリス/最上階のアリス/子供部屋のアリス/アリスのいない部屋ブック○フの105円コーナーで見つけた本。息抜きにちょうどいい連作短編ミステリーでした。一緒に『ささらさや』も購入。 105円で。
2007年04月11日
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【本日の一冊】夜の公園ちょっとおかしく、切なく、胸をキューンとさせる、飄々とした作風で幾多の作品を送り出している人気作家の最新長編小説。不満があるわけではないのに幸福の実感がない。傍らにいるのに届かない気持ち、孤独……。穏やかな表現ながら鋭い洞察力で描く恋愛小説だ。わたしいま、しあわせなのかな――寄りそって生きたい、そう願うときにこそ浮かび上がる孤独を見つめる、渇きと熱を秘めた恋愛小説の傑作。今日はお天気がよいので、大事にとっておいた未読の川上作品を読んでみました。「あなたが、好きじゃないから」離婚の理由として、そりゃ間違っちゃいないだろうけど言われた方は「なんだ、それは」ですよね(苦笑)だけど、そんなことを言ってしまうリリ… なぜか憎めない。W不倫に無理心中…そしてハッピーエンドでもない内容にもかかわらず、ドロドロしていないのが、いいところ。でもやっぱり、私は川上さんの≪不思議ばなし≫の方が好きだなぁ~~
2007年04月08日
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【本日の一冊】贅沢な恋人たち8つのホテルから匂いたつ、恋人たちの濃密な愛の吐息。【目次】天国の右の手―Sugar Hut(山田詠美)/白鳥―ホテルヨーロッパ(村上龍)/眺望の密室―都ホテル東京(林真理子)/どこにも行かない船―観音崎京急ホテル(北方謙三)/乾いた雨―Hyatt Regency(藤堂志津子)/ドライブと愛の哲学に関する若干の考察―ホテル・ハイランドリゾート(山川健一)/東京ステーションホテル―東京ステーションホテル(森瑶子)/危険なアリア―京都ブライトンホテル(村松友視) 今日のような日にさらっと読むのにいい一冊でした。強いて一編選ぶなら「乾いた雨」がいい。ああいう「用意周到なワナ」になら、まんまとはまってみたいものだわ。「東京ステーションホテル」は内田百間がひいきにしていたんだそうな。一度泊まってみたいなぁ。 でも今は工事中で営業休止だもんな…
2007年04月07日
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【本日の一冊】神はサイコロを振らないかつて、忽然と消息を絶った報和航空四〇二便YS‐11機が突如、羽田空港に帰還した。しかし六十八名の乗員乗客にとって、時計の針は十年前を指したまま…。戸惑いながらも再会を喜ぶ彼らと、その家族を待ち受けていた運命とは―。歳月を超えて実現した愛と奇跡の物語。 TVドラマの原作だとか。 再放送するようなら観てみたいです。読んでみると、ドラマ向内容だと思うので。小説としてはやや物足りなさを感じるところもありますが、楽しめました
2007年04月06日
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【本日の一冊】海へ思えば山ばかり見て暮らしてきた。医学生時代の友人に誘われた、海へ行ってみようか。心の病を得て以来、一人で電車に乗るのは十年ぶりである。旧友の海辺の診療所で過ごす五日間の休暇。朝市の老婆に亡き祖母の顔を見、崖下の洞窟でイワシを焼いて少女と語らう。だが、そこにも…。癒し癒されきれぬ人々の心の内を描いた名作。南木氏の作品は初めて読みました。これは、私小説…なのでしょうか。 淡々と描かれていながら、人の心をほぐしてくれる力があります。霧がはれるように、ではなく、ひっそりじわじわと、という感じで。他の作品も読んでみたいです。
2007年04月04日
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