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【本日の一冊】 最後の記憶波多野森吾の母・千鶴は、まだ50歳になったばかりの若さでありながら、痴呆の症状が悪化し、大学病院の精神神経科に入院している。日ごとに病が進行し、自分自身の記憶を失っていく千鶴。しかし、彼女が幼い頃に体験した「ある恐ろしい出来事」の記憶だけは消えないらしく、千鶴は日々その「恐怖の記憶」のフラッシュバックに苦しめられている―。母・千鶴がそこまで恐れる幼い頃の「恐ろしい出来事」とはいったい何なのか?森吾は母の生まれ故郷を訪れ、母の恐怖の記憶を探ろうとするが…。ノスタルジックなイメージに満ちた、恐ろしく、哀しく、そして美しい、綾辻行人初の本格ホラー長編小説。著者の作品は初めて読みましたが、本書に限って言えば、いまいち。で、一番気になったのが「白髪痴呆」 (作品の内容じゃないのかよっ!って自分でツッコミたくなってしまいますが)これは架空の病気なんですね。本当にあるのかと思って調べちゃったわ(^^;)ホラーとしてもミステリーとしても、小説としてはいまひとつという感じがしますが、これ、映像化したら結構うけるかも、と思える作品です。ブック○フで105円で購入した本なので、出資分以上は楽しめました
2007年10月22日
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【本日の一冊】 ラストシネマ この世の生を終えるとき、人はその向こう側へ何を持っていくのだろうか。昭和40年代のH市、にほど近い田舎町。少年は東京で映画の仕事をしていた雄さんという男性に出会う。雄さんはがんに全身を冒され、町の病院に入院していた。見舞いに行く少年に、雄さんは東京の話や、映画の話を聞かせてくれる。ふとした会話から少年は雄さんがかつて映画に出演し、台詞のある役をもらっていたことを知る。雄さんが死ぬ前にどうしてもその映画を見せたい。題名も知らないその映画を、少年は探そうと決心した――。【目次】ラストシネマ/中村正太郎さんのこと 心をじんわり温めてくれるお話です。登場人物がみんな「いい人」で悪い人が出てこない。 「いけないこと」はしちゃうけど(笑)特に少年の父親のキャラがいい。≪花見に行こう!と言うのと同じくらい、明るい声≫で「盗みに行こう!」 と言ってしまう(そして実行してしまう)父親。「人は何のために生きるか」についての少年と父のやりとりも、また印象深いです。掌編「中村正太郎さんのこと」も含めて、読後感のよい一冊でした
2007年10月20日
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【本日の一冊】魂萌え!(上巻) 魂萌え!(下巻)夫の急死後、世間という荒波を漂流する主婦・敏子。六十歳を前にして、惑う心は何処へ?ささやかな“日常”の中に豊饒な世界を描き出した桐野夏生の新たな代表作。主人公と近い年齢の女性に勇気を与える本かもしれませんね。若い層には50代、60代の方々に対するイメージが変わるかも。自分がその年齢になった時…というのが想像できませんが、いろいろな意味で、このお話のような事はないだろうと思います(^^;) あったら困るし(笑)あ~、でも遺産相続の件なんかはありそうで嫌だわ… 何にもしない兄弟姉妹が分与を求めてくるんだろうなぁ~、と思いつつ読んでいました。そこが一番現実味があったような(苦笑)物語としておもしろかったです。
2007年10月18日
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【本日の一冊】ロック母川端賞受賞作品(「ロック母」)収録1992-2006芥川賞候補作品から川端賞受賞作品まで15年にわたる代表的短編小説7編を収録この短編集には、1992年から2006年までに書いた小説がおさめられている。これほど時間差のある小説をまとめて本にするのは、私にははじめてのことで、あっちをうろつき、引き返し、さらに迷い、今度はこっちをうろうろするような、頼りなげな足跡が、おもしろいほどくっきりと浮かび上がっているのではないか。……私はこの、迷える足跡をこそ、1冊の本にまとめたかったのだ。--<あとがきより>【目次】ゆうべの神様/緑の鼠の糞/爆竹夜/カノジョ/ロック母/父のボール/イリの結婚式 この真っ黒な装丁がわたしを捉えて放さず、買ってしまいました…前3編は(私には)消化しきれない感じで、どうもピンときませんでした。「ロック母」「父のボール」がよかったです。読後感が悪いっていうわけでもないのだけれど…本書は気持ちが落ち着いている時に読んだ方がいいかな~、と思います。
2007年10月08日
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【本日の一冊】少年ノスタルジーなんかじゃない。「少年」はオレにとっての現在だ―。発熱を押して運動会の徒競走に出場したある上級生の顛末「ドテラのチャンピオン」。父親の死後、転校先の生徒の迫害や母の再婚に耐え、形見の望遠鏡で天空のシリウスを探す兄と弟「星の巣」。家出同然一人旅に出た中学生の性の目覚め「おかめさん」。天才たけしが自らの行動原理を浮き彫りにする「元気の出る」小説三編。先日ブック○フで知らないおじさんに薦められて105円で購入した本。三編とも短いお話で、30分ほどで読み終わってしまいましたが、期待以上でした。自分ではなかなか選びそうもない本だったので、薦めてもらってよかったです
2007年10月07日
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【本日の一冊】ボクの町警視庁城西署・霞台駅前交番に巡査見習いとして赴任した高木聖大は、研修初日から警察手帳に彼女のプリクラを貼っていたことがバレるような、今風のドジな若者。道案内、盗難届の処理、ケンカの仲裁などに追われるが、失敗の連続でやる気をなくしていた。が、所轄の同期見習いが犯人追跡中に大ケガを負ったことで俄然、職務に目覚める。聖大の成長をさわやかに描くポリス・コメディ。乃南さんはこういうお話も書いていたんですね~。サクッと読める一冊でした。続編も出ているようなので、読んでみたいと思います。聖大くんの成長ぶりが見たいわ~
2007年10月06日
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【本日の一冊】偶然の祝福お手伝いのキリコさんは私のなくしものを取り戻す名人だった。それも息を荒らげず、恩着せがましくもなくすっと―。伯母は、実に従順で正統的な失踪者になった。前ぶれもなく理由もなくきっぱりと―。リコーダー、万年筆、弟、伯母、そして恋人―失ったものへの愛と祈りが、哀しみを貫き、偶然の幸せを連れてきた。息子と犬のアポロと暮らす私の孤独な日々に。美しく、切なく運命のからくりが響き合う傑作連作小説。 どの作品も、静かに進行していながら、最後の数行で胸をきゅんとつかんできます。その後、切なさというか、いつかどこかで感じたような心細さのようなもの、がじんわりと広がってくる、そんな物語たちでした。楽しめました。
2007年10月03日
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