ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Nov 16, 2006
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「おはこ(十八番)」

 今日はデイビット先生によるカルテットのレッスン二回め(ベートーベンの1番)。1楽章を練習した。(第1バイオリン:僕、第2:オードリー、ビオラ:ジェイン、チェロ:ケイティー)

前回の猛練習 の成果が出るかと意気揚々とレッスンに臨んだ。だがしかし……。

 デイビッド氏は、いつもは穏やかにレッスンしてくださる温厚な先生だけど、今日は、ファーストを弾く僕に対しては特に厳しかった。あいまいに弾いているところが多すぎる、自分がどのように弾きたいのかほかの三名の奏者にもっと知らしめる責任がある、早い話が リーダーシップが足りない とのご指摘。

 フレーズの歌い方、弓づかいをどうするのか、何拍めに強拍が来るのか、テンポを揺らすのか揺らさないのか、など、次つぎと意見を聞かれてオロオロしてしまった。あんまり細かく考えたこともなかったような箇所についてツッコミが入る。自分の意見がほかの三人と対立したらきちんと話し合うべきだと言われたけど、対立もなにも、そこまで確固たる意見を持ち合わせていないことが多いのが実状だったり。

 スフォルツァンド、リンフォルツァンド、フォルテピアノ、スビトフォルテ、スビトピアノの違いについて口頭で述べなさい、とも聞かれた。さらには、実際に音で出してみなさい、とか。

 この楽曲が、ベートーベン様の第1番第1楽章のくせして四拍子ではなく三拍子であるということ、しかもアレグロ・コン・ブリオ(活き活きと)と指定されていることが重要ポイントのひとつ、と師はおっしゃる。さらには、三拍子のなかに二拍子が隠されていて、そういうスパイスを味わわずに弾くなんて勿体ないし、ベト様に失礼。



 標題がついてないし地味な曲ではあるけど、やはり音楽的にも歴史的にも多少特別に位置づけられる作品らしい。多くの弦楽四重奏団が演奏会や録音で重要なレパートリー(おはこ)として扱っている。

 以前に友だちと話していて、「日本ではカラオケとかで得意な曲のことを 十八番(=ナンバー・エイティーン) って呼ぶんだよ」と教えてあげたら、じゃぁ、その18という数字はどっから来るのかと問われて答えに窮したけど、このベートーベンの作品18をオハコにできたら怖いものなしだと思う……!





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最終更新日  Nov 18, 2006 07:52:36 PM
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