ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Sep 25, 2007
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ト長調G dur
 特定の調を特定の曲に無意識に結びつけて覚えてることはよくあると思うのです。

 僕は絶対音感どころか相対音感もアヤシイし(笑)、暗譜も苦手で、チョー音痴。でも、調の特徴というのはわからなくもない。

 仮に「XX調の曲、何か弾いてみて(歌ってみて)」と言われたとします。それぞれの調で思いつく曲はと言うと……、

 ハ長調: ブラ1終楽章、マイスタージンガー、メンデルスゾーン結婚行進曲
 ハ短調: 悲愴ソナタ、運命、ブラ1、ラフマニノフPf協2
 ニ長調: 各Vn協、モーツァルト一般(Divertimentoとか)
 ニ短調: 第九1楽章、モーツァルト/ブラームスPf協、ドボ7

 ホ短調: メンコン

 どんどん列挙していくことは一応できるし、同調曲に共通する「何か」は確かに感じます。調特有の色が見えるという人もいるらしいけど、僕はむしろ以下のようなイメージ。

 「火、情熱」(イ長調)
 「雨雲、苦悩」(ハ短調)
 「太陽、健康」(ニ長調)
 「高貴」(変ホ長調)
 「異質 foreign」(ホ長調)
 「大地、自然体」(ヘ長調)

 おそらく、自分が過去に接した曲の印象が潜在的に刷り込まれてるんでしょう。 田園 交響曲や ソナはヘ長調だし。



こないだ演奏したドボルザークの第8交響曲 は、ト長調代表選手とするにはどうも重すぎる。冒頭のチェロはこってり短調だし。

 で、そんなこんなの消去法で、僕にとっての Air in G ナンバーワンは、あいにくアイネク!(次点もモーツァルトでバイオリン協奏曲3番。)

*****

 さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本題!(←え?)

♪レーレミーレーソー♯ファー♪ )。みんなに不思議がられます。(↑日本語で歌うところの♪おめでとーたんじょーびぃ~♪)

 先週のオケの練習時に、この曲を弾きました。指揮者へのサプライズとして急遽演奏することになったのです。彼が棒を振り下ろしたら、なにくわぬ顔でこの曲を弾いて氏の誕生日を祝おうというドッキリ企画。ありがち。

 指定された調はハ長調。もちろん譜面なんてありません。即興。
 僕は第2バイオリン。首席のガブリエル嬢が直前に耳元で囁きます。「主旋律はファーストの人に任せて、あたしたちは適当にハモりましょう!」。←適当に、って……。

 突然降って湧いた企画にも関わらず、みんなで楽しくバースデーをCで弾き、そしてマエストロは赤面しながら喜んでくれたのでありました。

 ただ、周りが嬉々として三度とかで「適当に」ハモって弾くなか、僕はやっぱり苦戦。そもそもト長調という固定イメージから脱却できず、思わずFisが脳裏をよぎる。そして、このハレの曲を不協和音で台無しにしてしまったわけで。

 なぜ、よりによってト長調と思い込んでたのかは今も不明。いずれにせよ、こういうときにどんな調でもパッと自在に弾ける人が羨ましく思った瞬間でした。





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最終更新日  Sep 26, 2007 08:30:13 AM
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