ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 6, 2008
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「サインはV。」

 我々ヴァイオリンを学ぶ者にとって、どうしても避けては通れない作曲家というのがいる。もちろん、バッハでありモーツァルトでありベートーヴェンとかなわけだけど、それはほかの楽器の人もだいたい同じ。

 ヴァイオリン弾き だけ にしか弾かれない作曲家という意味では、ウィエニヤフスキとかパガニーニ、サラサーテやクライスラーとか。でもちょっと上級者向け。
 僕としては、なんてったって以下の五人が外せない。カッコ内は代表作。僕は勝手に、「ヴァイオリン教育における 五大V 」とかと呼んじゃっている。イタリア系が多いのが特徴。



   ヴェラチー二 Veracini (ソナタ)
   ヴィオッティ Viotti (協奏曲)
   ヴュータン Vieuxtemps (協奏曲)


 ヴェラチーニは、ヴィターリと並んでズバリ一発屋。このホ短調ソナタは日本でヴァイオリンを習ったことのある人だったら大抵弾いてるはず。別名「コンチェルトソナタ」。日本人の編んだ教本にも載っている。

 残念なことに演奏会でとりあげられることはほとんどない。CDもそんな出てないし、それにガイジンさんでこの曲を知ってる人は少ない。
 なら自分で弾くっきゃない。きちんとピアノと合わせてみたいと思い続けて20年、本日ついに悲願達成。1楽章、2楽章、4楽章を、ピアノのセス氏に強引におつきあいいただいた。


veracini.JPG

 気分はベートーヴェンの「悲愴」。←どこがっ?
 日本海の岸壁に打ち寄せる波のごとく?ド派手に水しぶきを上げながら、ペダル全開でピアニスティックに鳴らすのがいい。この七小節間の前奏、ほんとはチェンバロでポロンポロンと弾くんだろうけど、現代風の弾きかたのほうが面白いのではないかと。

 ヴァイオリンの旋律も、ちょっとした装飾が演歌っぽい。日本人に好かれるのも当然。都はるみさん的なこぶしとバロック音楽との融合。

 この曲がヴァイオリン教本に載ってるのって、今さらながら納得。ヘンデルのソナタと並んで、質感のある音を出すのがすごく難しい。





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最終更新日  Apr 10, 2008 08:08:42 AM
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