ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jun 30, 2008
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 夏の到来とともに、ニューヨーク市内の各公園や河原ではいろんな演奏会が催されてます。
 郊外の森のほうまで足を伸ばせば、タングルウッドやマールボロ音楽祭とかもいよいよ開幕。

 屋内であろうと屋外であろうと、より多くの人が気軽に音楽を楽しめる催しは当然歓迎されるべき。

 近年は、東京でも巨大な国際会議場で春の祭典をやってて好評なんだそうで。

 ま、広けりゃいいってもんでもないのかもしれませんけど。ちゃんと客で埋め尽くすのも大変だし。
 以前、英国ロイヤルアルバートホール(キャパ8000人)でブリテンの「戦争レクイエム」を聴いたことがありましたが、客席はガラガラでした。プロムスのお祭りの様子とはあまりに対照的。日本でよくやるように、聴衆参加型の「第九」みたいなほうが集客は保証されるのでしょう。

 あと、広すぎる会場の場合、それこそピアノ一台とか室内楽ってのも無理があるし、実際、クラシックと言えども隠しマイクとかで音を電気的に処理する必要があります。残響の長さの管理ももちろんのこと。

*****

 オケ側としても、だだっ広い空間で演奏するのって疲れるだろうなと思います。

二、三年前、NYラジオシティーホール(6000人収容)の舞台で弾いた時 は焦りました。いろんな音が時差つきで聞こえてくるのです。歌手とバックコーラス、オケの音、ティンパニの音、そして自分の音、全てがバラバラ。あちこちにスピーカーが置かれていて、実際の音とスピーカーから来る音が共鳴し合い、何がなんだかわからないまま、遥か遠方に見える指揮者だけを頼りに弾き通しました。どっと(冷や)汗が出ました。

stage nyc.jpg
 Vn1最後部、指揮者から最も遠い席!

 こんなデカいホールで弾くなんて一生に一度あるかないか。自分自身納得のいかない演奏をしてしまい悔やまれましたが、テレビ用に収録された映像を後日見せてもらってビックリ。ちゃんと音が揃ってるし、各楽器の音量も均衡がとれてる。音響技師さんの魔術に唸ったのでありました。


追記 : 野外の演奏会場で圧巻と感じたDVDは、ギリシャの古代遺跡でのもの。サイモン・ラトル/ベルリンフィルのブラームス(P協1バレンボイム&P四重奏1シェーンベルク編)。
greco.JPG
 ヘロド・アティクス音楽堂(5000人収容)





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最終更新日  Jul 10, 2008 07:58:34 PM
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