ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jul 9, 2008
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カテゴリ: 映画、テレビ
 夏といえばバカ~ンス。


 意外に人気なのは豪華客船での旅。カリブとか地中海を廻ってくるというもの。
 船上にはカジノやプールもあってとても賑やか。さすがに、「さすらいの船旅」ってわけにはいかないでしょうが、非日常の世界にどっぷり浸かれます。
 交通費と宿泊費を兼ねる旅というのは、考えようによっては経済的。必ずしも富裕層だけの娯楽ではないらしい。

 さて、そんな彼らにとっては縁起でもないけど、客船の沈没を描いた二大映画について語ってみましょう、そうしましょう。(ご、強引な前振り……)


ポセイドン・アドベンチャー (1972年アメリカ)

 やっぱり、沈没ものといえばポセイドンでしょう(英語読みポサイドン)。次項で触れるタイタニックよりもはるかに名作かと思います。



 この映画を、「組織で働く社会人にとってのバイブル」と絶賛するアメリカ人も多いようです。
 つまり、集団のなかに複数の統率者がいる場合の長所/短所とか、各人の意見が異なる場合の対処のしかたとか、あるいは各人の能力を最大限に発揮させる導きかたとか。

 終盤、蒸気の出るバルブを必死に締めようとするジーン・ハックマンが、神に対し叫びます。「これ以上、人の命が欲しいなら、俺のをくれてやる!」
 しかし、彼の本当の最期の言葉は、「ロゴ、あとは頼んだぞ、みんなを無事に脱出させてやれ」。犬猿の仲だった宿敵ロゴ氏に潔く全てを委ねるのでありました。


タイタニック (1997年アメリカ)

 一方のタイタニックももちろん負けていません。特撮のスゴさには素直に腰を抜かしてしまいます。劇場公開からもう十年……。

 パニクってる乗客らの描きかたも、船長を始めとする乗組員ら脇役の演技も、さすがに秀逸。主演男女の会話部分を全て削除し、1時間ぐらいに再編集したとしても、名作と言い切れると思います。どうせ、もともと一歩間違えば陳腐な恋愛モノに転びかねない脚色ですし。

 でも、ここではやはり 本ブログの趣旨 に基づき(?)、この映画に出てくる船上音楽師さんたちの描写に限定して話を進めましょう。



 それに、ホンモノの奏者を使って撮影されてるので安心して観られます。 指パク、弓パク もないし。

 この映画はビオラジョークのネタにもなり得ます。楽団員のなかにビオラがいないのです。これ、「最初はいたけど途中から消えた(真っ先に逃げた)」という説と、「もともと乗船していなかった(楽器/パスポートを忘れた)」説があるらしく。

 あとは、なんてったって彼らの最後の演奏場面。

titanic.JPG

 実はチェロバスは弾いてなくて、単なるバイオリン二重奏?という余計な突っ込みはおいといて。

 このコンマスの最期の台詞は、「Gentlemen, it has been a previlege playing with you tonight 君たちと一緒に弾けたことを、光栄に思う」。
 これ、今も巷の音楽家たちのあいだで流行ってます。リハや本番を終えて解散するときとかに、賛美歌を弾きながら大げさに言うのがお約束(笑)。





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最終更新日  Jul 10, 2008 07:31:23 PM
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