ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jan 7, 2009
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「Vitamin G」

 帰省中につき、バイオリンの恩師M先生のもとへご挨拶(兼レッスン)に伺う。

 久しぶりの再会。
 近況報告や昔ばなしで盛り上がりつつも、いよいよレッスン開始。

 師匠は、ビブラートのかけかたや、弓の使いかた、特に身体のどこの筋肉をどのように使って弾くかということについて、今も日々研究なさってるようで、いろいろと奥深いことを教えていただいた。

 診ていただいたのは Vitali 作曲の「シャコンヌ」。バイオリンを学ぶ者には避けて通れない曲。しかも2分の3拍子。逃げ場がなくてツラい。

 ハイポジ・オクターブや重音など、技巧的な難所が次々と出てくる曲だけれど、レッスンでは、むしろ右手(弓の扱いかた)を中心にご指導があった。

 問題の重音については、「サラサーテのバスク奇想曲かカルメン幻想曲あたりで鍛えなさい」と言われた。←先生ってば、今もあいかわらず無謀な選曲で弟子をイジメてるらしい?

 短時間のレッスンで多くのことを教えていただき、ちょっと飽和状態にはなったけれど、曲の良さにも助けられて、充実感が残った。この曲、いつかはちゃんと師匠に診ていただきたいと思ってたし。



 ちなみに、ビターリという作曲家はずばり一発屋。Vitali という言葉の響きに勝手に好印象を持ってるガイジンさんは多いはず。バイタリティ vitality などの単語を連想させるから。(vita:ラテン語で「生きること」?)
 実際、このシャコンヌも活力が沸いてくる感じの曲。

 バイオリン学習者以外にももっと知られていい曲だと思う。ブゾーニ氏あたりがピアノ独奏に編曲してくれていれば、バッハのシャコンヌみたいにもっと有名になってたに違いないのに。

 それに、ト短調という調には独特の重力感があって惹かれる。このシャコンヌも、下は最低音Gの開放弦から上はハイDまで、かなり広い音域で書かれてて、ブルッフの協奏曲みたい。

 あと、「これ、ほんとにバロック?」っていうぐらい情熱的なのも特長。ド派手でバブリーな変奏曲という意味では、ヘンデルの「パッサカリア」(ハルボルセン編曲)をも髣髴とさせる。






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最終更新日  Jan 10, 2009 06:07:06 AM
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