ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 3, 2011
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 NYフィル主催の室内楽演奏会を聴く。いつも彼らが定期で使う大きなホールにて。


  Beethoven String Trio in G Major op. 9, No. 1
  Wolfgang Rihm Dyade for Violin and Double Bass
  Krzysztof Penderecki Duo concertante for Violin and Double Bass
  Mendelssohn Octet for Strings

 ムター氏の演奏は過去にも何度かナマで聞いたことはあるけれど、やっぱスゴい……。こぶしをきかせてソリスティックに鳴らしつつも、緻密なアンサンブルから逸脱することの決してないザ・名人芸。巨匠。

 彼女が音楽界の頂点の座を保持できてるのは、別に美貌を武器にしてるわけぢゃなく、真の実力の賜物なわけで。
 あの独特な謡い回しを苦手とする人もいるだろうけれども、やっぱり彼女はウルトラの母(ムター)。


 神妙な顔つきで「この曲を日本の被災者に捧げます」と言って、バッハのG線上のアリアを弾き始める。リピートは「あり/あり」。一回めは例によってアンネゾフィー節、しかし二回めはピアニッシモでビブラート抜きという演出。

 実はこの曲、偶然ながら、自分の主催するチャリティ演奏会で弾いたばかりだったのでびっくり。オレとしたことが、なんと涙がこみあげてきてしまって大慌て。

 聴衆から義援金を募るというチャリティ演奏会ではなかったけれども、彼女自身はこの本番のギャラをそのまま日本に寄付するとのことでした。






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最終更新日  Apr 7, 2011 12:37:03 PM
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