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三島由紀夫は「割腹自殺」で有名である事は・・・確かだ。しかし、それだけじゃない。素晴らしい作品を沢山残している事は誰もが知っているはずだけど、それが消し去られている気がする。私は「割腹自殺」した時代には生まれていない。うちの母は「バカな男だ」とテレビを観て思ったそうだ。それは多分、凄く正直な意見だと思う。反論したいなら勝手にどーぞ。うちの母は三島由紀夫なんぞ読んだ事もないんだから、それは真っ当な意見だと思う。
私は「男の美学」なんぞ知らない。彼の脳裏に「男根主義」があったような気がするのは、私が彼を全く知らないのもあるが、色々出ている「彼についての本」からの影響もある。ヌード写真、ボディビル、密かな同性愛への想い(これは完全に本で読みとれる。「仮面の告白」で)、オノ・ヨーコとの喧嘩・・・。
しかし、三島作品は非常に美しい言葉が多い。非常に美しい表現が多い。それは三島が生まれ持って「ロマンチスト」としてのペルソナが宿っているからだと思う。本当に素晴らしいと思う。最近のJ文学がツマラナイと言う私の考えが間違っていると言うならば、三島作品を読んでから言って欲しい。表現の方法があまりにも幼稚な今のJ文学は想像すら掻き立てられない。刺激もない。だからと言って、それが悪いとは言わない。ただ「情けない」・・・・・。言葉で何を表現するかが勝負の世界で、1時間で読み終わる本は・・・・・・・損した気分になる。
その点、三島の本はさすがに私は最低でも3日かかる。何度も何度もその言葉の表現を繰り返して読んでしまうからだ。
それほど難解で、それほど魅力的だからだ。難解と言うのは凄くいい意味で・・・・そう、想像を掻き立てられるって意味で。
三島は「割腹自殺」をした。
三島は軍国主義だったのか?
自衛隊を軍隊にしたかったのか?
ただの男好き?
ただの日本刀好き?
三島は政治思想を背景に自決した?でも並大抵の精神じゃあ、割腹は出来ない。じゃあ何故???と言う所ばかりがクローズ・アップされるけれども、その前に彼が残してくれた素晴らしい作品を読んでもらいたい。
確かに自決したけど、その前に彼は素晴らしい作品を書いて残してくれている事を忘れてはいないだろうか?
確かにスキャンダルな事件だったと思う。
でも、そればかりに気を取られていてはいけない気がする。
三島の本を読むと、日本語の美しさに改めて気付かされ、素晴らしさに胸を打たれる。強烈な時代錯誤もあるが、そこがまたいい。私は何をやらかそーと、何を考えていよーと、やってしまった事はやってしまった事。
そんな偏屈なアウトロー・三島が残してくれた作品がどーしようもなく好きです。
