花組全国ツアー『ジャワの踊り子』観劇報告
2004年6月2日 神奈川県民ホール
主な配役
アディナン:春野寿美礼 アルヴィア:ふづき美世 タムロン:蘭寿とむ
オースマン:華形ひかる アミナ:桜乃彩音 他
*ストーリー*
第二次大戦直後。インドネシアは未だオランダの支配下にあり『ジャワ』と呼ばれていた。ジャワの王宮では、夜毎プナリー(踊り子)たちが国王や廷臣たちの前で踊りを披露している。そこへオランダ人警視総監ポールが、インドネシアの刑事タムロンを伴って乗り込んでくる。プナリーマタハリを騙って独立運動を行った踊り子を逮捕するためだった。しかし独立運動の真のリーダーは、王妃の寵愛も受けるアディナンだった。表向きは平凡な踊り子を装いながら、密かに仲間と連絡を取り合い、独立運動に身を挺していたのだ。踊りのパートナーであり恋人のアルヴィアさえも、その真実を知らない。しかし、アディナンこそがプナリーマタハリであると見破ったタムロンは、下肢かな証拠を掴むため、執拗に彼を追い回す。
アディナンは、アルヴィアの弟オースマンや彼の恋人のアミナたちと共に、森の中で行われる祭りを利用し、主だった仲間と各地で一斉蜂起する最後の打ち合わせを行おうとしていた。この情報をいち早く掴んだタムロンは、警官隊を指導して森を包囲する。しかしタムロンたちの話を立ち聞いたアルヴィアの知らせによって、アディナンたちは脱出に成功する。
祭りの夜の捕り物に失敗したタムロンは、キャバレーの踊り子に扮していたオースマンたちを捕らえ、次いでジャワ沖の島に住むアディナンとアルヴィアに迫っていく。死闘が繰り広げられるが、強風に煽られたタムロンは、断崖から足を踏み外し海中に転落してしまう。アディナンは、彼を救うために自らも海へと飛び込む。
アディナンに命を助けられたタムロンは、インドネシア人でありながらオランダ人の手先となって働くことに疑問を抱くようになる。しかし、オースマンたちの脱獄の責任を問われたタムロンは、どうしてもアディナンたちを捕らえねばならなかった。タムロンはアルヴィアを誘導尋問にかけてアディナンの行方を知る。自分の過失によりアディナンを窮地に追いやってしまったことを悔やんだアルヴィアは、警視総監の妻になればアディナンを助けてやると言う言葉に、彼との結婚を承諾してしまうのだった。
結婚式の当日、アディナンはアルヴィアを警視総監邸から救出し、外国の領事館に助けを求めに向かう。二人を追う、タムロンと警官たち。その頃、ジャワの各地で独立軍が一斉に蜂起し、オランダからの独立を勝ち取る。しかし、アディナンとアルヴィア、そして二人を追うタムロンたちは、それを知らない。アディナンとアルヴィアが領事館にたどり着こうとしたそのとき、上官の命令でタムロンがアディナンに向けて発砲する。しかし、その銃弾はアディナンを庇ったアルヴィアに命中した。再びアディナンを狙うように指示する上官に、タムロンは躊躇する。業を煮やした上官が自らアディナンを撃ち、二人は領事館前で倒れこむ。駆けつけたオースマンたちに看取られながら、そしてインドネシアの独立を喜びながら、二人は息を引き取るのだった。
これは、名作の再々演ですね。4月に月組が全国ツアーで上演したものを続演する形となりました。いかにもタカラヅカな作品です。
全体の感想。
「滑舌があまりよろしくないです」
くぐもってたり、早口すぎだったり。台詞の強弱は大切ですが、その『弱』の部分が聞こえなかったりしましたね。まだ初日開いてそんなに経ってませんから、ちょっと焦っているのかも。これから変わるんじゃないかな。
春野アディナンは、革命家の面よりも、アルヴィアの恋人としての自分に重点を置いているように見えました。アルヴィアとアミナが、微妙にキャラ被っているような・・・まあ、可愛いからいいです(おいおい)蘭寿タムロン、案外あっさりしてました(笑)華形オースマンは、うん、頑張ってるね!頑張れ!みたいな(訳分からん)まだちょっと、悩みながらやってる感じかな?
専科のお二人は、もう圧巻ですね。邦さんの王妃様、すごい存在感です。素敵でした~・・未沙さん!私大好きなんですよ、芝居が。今回もコミカルかつシリアスに、客席を沸かせていましたね。
これから各地を回られて、どんな風に変わっていくのか、北海道での千秋楽を、見てみたい気がします(苦笑)


