はっぴぃ★ぶ~け

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『Romeo&Juliet』観劇報告

Studio Life『Romeo&Juliet』観劇報告

2007年5月11日 紀伊国屋ホールにて

*主な配役*
ロミオ:荒木健太朗 ジュリエット:松本慎也 マキューシオ:曽世海児 ティボルト:高根研一 ベンヴォーリオ:関戸博一 パリス:仲原裕之 バルサザー:吉田隆太 乳母:倉本徹  キャピュレット:船戸慎士 キャピュレット夫人:林勇輔 モンタギュー:牧島進一 モンタギュー夫人:下井顕太郎 僧ロレンス:山崎康一 エスカラス大公:甲斐政彦 他(Sighoriチーム)
*ストーリー*
ヴェローナの名門・モンタギュー家とキャピュレット家は犬猿の仲。ところが、モンタギューの息子ロミオとキャピュレットの娘ジュリエットは、舞踏会で出会い一目で恋に落ちる。 若い二人はその夜のうちに結婚の約束を交わす。
翌日、修道僧ロレンスの司式で密かに結婚した直後、ロミオは親友マキューシオとジュリエットの従兄ティボルトのけんかの場に来合わせ、仲裁に入る。 だがマキューシオはロミオの腕の下からティボルトの剣を受けて命を落とす。逆上したロミオはティボルトを殺してしまい、ヴェローナの大公に追放を言い渡される。 ジュリエットの寝室で初夜を過ごした二人だが、夜明けと共に別れねばならない。
悲嘆に暮れるジュリエット。キャピュレットは娘の嘆きの原因がティボルトにあると思い、慰めるつもりも兼ねて彼女とパリス伯爵との結婚を決めてしまう。窮地に陥ったジュリエットは ロレンスに相談し、飲めば仮死状態になる薬をもらって式の前夜に飲む。それは、パリスとの結婚を回避し、良家の確執を解いて若い二人の恋を成就させる為のロレンスの計画だったが、 ロミオに事情を説明する為の手紙を託した僧ジョンが、不測の事態でヴェローナに足止めされ、ロミオの追放されているマントヴァへ向かうことが出来なかった。一方ロミオは従者バルサザーから、 ジュリエットが死んだという知らせを受ける。早馬を雇い、薬屋から毒薬を買ったロミオはジュリエットの墓へと向かう。
ジュリエットの墓では、パリスが彼女の死を悼み花を手向けていた。駆けつけてきたロミオと鉢合わせたパリスは、そのまま剣を交える。激闘の末、パリスはロミオの手にかかって息絶えた。 ロミオはジュリエットに最後の口付けをすると、一息に毒薬を飲み干してその場で事切れる。
事態の悪化を防ごうとロレンスがジュリエットの墓に駆けつけたときには、ロミオとパリスは既に遺体となっていた。計画の失敗を悔い、自分を責めるロレンス。そのうちにジュリエットが目を覚ました。 目覚めた彼女を待っていたのは、最愛の夫の変わり果てた姿。人声に、その場を離れるよう促すロレンスに背を向け、ジュリエットは愛するロミオに歩み寄る。彼の握り締めている毒薬の瓶が空であることに気づくと、 彼女は彼の腰の短剣を取り、自らの胸を突いて、ロミオの上にかぶさる様にして息絶える。
痛ましい事件に、大公はモンタギュー・キャピュレットの両家を静かに罰する。両家は和解し、ヴェローナにロミオとジュリエットの金の像が建立されることとなった。

*感想*
これこそ知らない人はいないでしょうという、シェイクスピアの名戯曲です。ドラマや映画の題材にとられることも多いですよね。
さて、まずは舞台。ちょっとせり出した円形風の舞台に、ベージュのしっくい調の壁。センターに空洞があって出入り口になっています。で、三面鏡みたいに、 壁が動いてジュリエットのバルコニーや、ロレンス神父の教会が出現するわけです。いつもながら、面白いセットだな~って思います。特に、下手の壁が内側に動いて、バルコニーが出てきたときは、 結構おお~っと思いました。また、今回も客席通路を使用した出ハケも多くて、ロミオとティボルトの切りあいが通路で始まったときは、結構ドキドキしました。
で、作品の印象としては、ですね・・・・長いね(苦笑)このチームの初日でしたし、まだ台詞が噛み砕けてない感があったのも、長く感じた原因かもしれないし、もっと熟成されてくると違うのかもしれないんですけどね。 顔ぶれとしては、ロミオ役荒木さんもご挨拶で言ってましたが、『若さ』と『エネルギー』。これが破滅へ向かってまっしぐら、みたいなメンバーです。初主演の荒木ロミオは、最初こそ目が泳いでましたけど(笑)、 舞台が進むにつれて、彼の中の熱さが爆発、情熱的で真っ直ぐで彼らしいロミオだったと思います。対するジュリエット松本さんは、え~と、今回4回目のヒロイン?大分板についてきた感じですが、荒木ロミオと ぶつかり合うような情熱と、14歳にもならない少女の愛らしさとを兼ね備えたジュリエットでした。荒木ロミオともとってもバランスがよかったと思います。
まだ若手の主役を、先輩たちがしっかりガード、なのがマキューシオとティボルト。良くしゃべるマキューシオに、曽世さんはとってもマッチしていました。荒木ロミオと関戸ベンヴォーリオよりかなり先輩にも関わらず(失礼)、 3人で駄洒落合戦とかやってる姿はすっかり同級生でした。そして、またしても半年ちかく振りにお目にかかった高根ティボルト。・・・・悪かっこよすぎです。通路を通られるとちょっとギョッとするような威圧感がありました。 超余談なんですけど、ワタクシ個人的に、高根さんのドラキュラ伯爵が観てみたい今日この頃です。
それから、大人たち。パリスと結婚できないと言ったジュリエットを、激しくののしる船戸キャピュレット・・・真剣恐かったです。林ママ(勝手に呼ぶし)も、相変わらず素敵☆前半はね、ちょっとお茶目要素たっぷりのママなんですけど、 そこがいかにも林さんらしいなと。ばあやの倉本さんもね・・・いや、ロミジュリってあくまでも『喜劇の中の悲劇』であって、喜劇が前面に出てる作品じゃないんですけどね?(笑)
そうだ、今回ちょっと「おや」と思ったのが、大沼亮吉さん。いつもわりと、寡黙で粗忽、とかそういう雰囲気の役をされるんですけど、今回ジュリエットのばあやがつれて歩いているピーターと言う召使の役をされていたときのこと、 ちょっとこう・・・どこか抜けてるような、足りないような、そんな風に作っていらして、なんだかそれが新鮮でした。

この日は初日だったので、終演後にご挨拶があるのですが、カーテンコールの後、一旦暗転になって再度照明が入ったとき、どういうわけかジュリエットはロミオに抱きついていました(苦笑)明かりが入って「あ」みたいに離れてましたけど(苦笑)。 またこの公演から、新しく入団した新人さんが加わりまして、簡単に自己紹介だけされました。そしてぴよ的ツボは、ロミオ役荒木さんが「Sighoriチームは『若さ』で行きます!」と言い、舞台の両端にいた、Erbeチームのロミオ・岩崎大さんと ジュリエット・舟見和利さん(このお二人も同期コンビですが、荒木・松本コンビより4期くらい先輩です)が微苦笑しながら、舞台センターにいる荒木ロミオと松本ジュリエットを軽く覗き込んおり、その微苦笑の表情がね、何か良く似ていたのですよ。 しかも、覗き込む角度とかタイミングとかまで、なんかぴったり(笑)舞台の両端にいながらも、お二人の息はぴったりのようです(笑)

まだ始まったばかりの公演ですから、これからもどんどん中身が詰まってくるのでしょう。特に若い二人はこの長い公演期間の間に、いろんなことを吸収して どんどん変わって行きそうな気がします。千秋楽まで、どんな風になっていくのかが楽しみです。



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