僕の心の詩

おばさん♪

冬と単車5

おばさん♪


やつれたね-、おばさん。
でも笑顔は変わらないね-。
孫のように
我が子を可愛がってくれる。
白髪が増えたね。
一人で立ち上がれないおばさん。

私がちっちゃい時
大きな踏切を怖くて渡れない私を
優しく手をつないで
背中を押してくれたね-。

お正月や、会うと
いっぱい、いっぱい
お小遣いをくれたね-。
今では、我が子に
お小遣いをくれる。

子供がいないおばさん。
だから、僕等には優しかったね。
ちっちゃい時から御菓子くれたね-。

おばさんの寝ている窓から
咲きかけの梅の花が見えた。
今日は日ざしも良く
おばさんは自慢の庭を見て
何か心穏やかに笑顔を
私達に嬉しそうに見せてくれた。

こんなにほのぼのとした
普通の会話の中で、
僕等は涙を必至にこらえていた。
笑顔を壊さないように必至だった。

おばさんだけ知らない秘密。
お医者さんから宣告された
余命1年の重き言葉。
おこちゃま達は何も知らずに
笑顔でおばさんになついている。

もう直ぐ咲く梅の花を
じっと見続けるおばさん。
一瞬言葉を失った。

もしこの世に神様がみえるなら
来年もおばさんに梅の花を
綺麗に咲かせて見せてあげて下さい。

今となっては、おばさんに笑顔で
話かけてあげる事しか出来ない
無力なただの人間の私達です。
でも、せめて、せめて、せめて
笑顔を見せてあげるだけです。


コメント・・・先日母からの電話で、おばさんが余命1年とお医者さんから宣告されたと聞き、母と家族でお見舞いに行って来ました。今までも何度もお見舞いには行っていましたが、元気なのにまさかこんな事になってしまうとはびっくりしました。僕等が出きるのは、後1年笑顔を見せてあげる事しかありません。春近しなのに、何か寂しい風が心の中を突き抜けて行きました。(T_T)。


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