'43年生まれのリチャード・ライトは、フロイド初期からのメンバーであり'80年の傑作『The Wall』まで参加していた。 その後、ロジャー・ウォーターズとの確執によりバンドを離れるが、デイヴ・ギルモアが中心となった'87年のアルバム『鬱(うつ)~A Momentary Lapse of Reason』(過去ログ参照)にはサポート・メンバーとして参加。'94年の『対~The Division Bell』には正式メンバーとしてクレジットされていた。 Live8でのフロイド再結成ステージの後は、デイヴのソロ作やツアーに参加したり、自身のアルバム制作も伝えられていたようだ。
地味な存在ではあったが、プレイヤーとしてもソングライターとしてもリチャードはピンク・フロイドに欠かせない音楽家だった。 フロイドの最高傑作(と自分は思っている)「Echoes」のサウンドは、彼なしでは成り立たなかったと思う。 デイヴ・ギルモアは、今回の追悼コメントの中で「彼のクワイエット・タッチなしには『Wish You Were Here』は成り立たなかった」と発言している。 また、'83年のアルバム『Final Cut』がひときわロジャーのソロ色の強い作品になっていたのは、リチャード不参加も原因のひとつだった、と言ったらどうだろうか。
そして、そんな彼の資質が最大限に発揮された名曲が「Us And Them」だろう。 説明不要の名盤『狂気(The Dark Side Of The Moon)』 もともとはリチャードが'69年に作った曲で、ミケンランジェロ・アントニオーニ監督の映画『砂丘』のサウンド・トラック(フロイドが数曲を提供)用の作品として提出されたが、その時は不採用となった。 それを後にロジャー・ウォーターズが歌詞を書き直して、先述のアルバムに収録されたのが「Us And Them」だった。 なお、同盤に収録の名曲「The Great Gig In The Sky」もリチャードの作曲である。
『狂気(The Dark Side Of The Moon)』は、全曲がつながった形式のコンセプト・アルバムだ。
ピンク・フロイドはもう一回くらい取り上げようと前から思っていたが、こういう形で実現することになってしまったのは悲しい きっと今頃は多くの人がフロイドの曲を聴いているのだろう。 「Us And Them」や「Wish You Were Here」もラジオで流れているに違いない。 僕は、隠れた名盤と言われるリチャードのソロ『Wet Dream』を聴いてみようと思う(この機会に再発されるだろう)。