本盤は、大ヒットとなった前作『90125』('83年)と同じメンバー、ほぼ同じコンセプトで制作されている。 ここで鍵を握っているのは、ギタリストのトレヴァー・ラビンだ。 南アフリカ出身のアーティストである彼は、ギターだけでなくヴォーカルもとれる男であり、なによりコンポーザーとして優れていた。 前アルバム収録のナンバーであり、全米1位を記録した「Owner Of A Lonely Heart」も、元々はラビンのソロ用の曲だったというのは有名なハナシだ(…と思う)。
「Love Will Find A Way」は、アルバムからの1stシングルとなった曲だ。 作詞、作曲はトレバー・ラビン。 メンバーの共作が大半を占める本盤の中での唯一のラビン単独作で、元々はスティーヴィー・ニックスのために書かれたという信じがたいエピソードを持つ曲だ。 曲調的にはプログレ臭はほとんどなく、産業ハード・ポップと呼ぶにふさわしい出来となっている。 ただし、ただの産業ポップではない。良質で美しい、Yesならではの
ブリッジ部(1:39~)でアンダースンの透明な歌声が響き、最後にラビンが「Away」と歌い継ぐ(1:55)という作りも絶妙だ。 ポップでドラマティックなメロディはもちろん、コンパクトな構成、考え抜かれたアレンジも文句なし。 全米30位とチャート的には振るわなかったが、「Owner Of A Lonely Heart」に勝るとも劣らない最高の一曲だと思う。 この曲と、'94年の『Talk』に収録の「The Calling」、そして「Owner Of A Lonely heart」と合わせて"90125イエス三大名曲"と勝手に位置づけているワタシです。