2004年05月20日
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今日は、月に一回、近くにあるなじみの教会との合同集会「ぶどうの会」。
会場は、2教会が交代で。今月は大浜教会が会場。

前日、近くの教会の婦人会でお話するため、東京から大阪にいらっしゃっていた片岡栄子さんが大浜教会に立ち寄られ、ぶどうの会であかしをして下さった。

片岡栄子さんは、 2年前に天に召された故片岡伸光先生 の奥様。

今回は、片岡先生がすい臓がんを告知されてからの約1年間、神さまが何をしてくださったかを、お話ししてくださった。

片岡先生は、長年、 KGK(キリスト者学生会) の主事として大学生伝道に関わった後、99年に シンガポール日本人教会

前年暮れに、栄子さんが知人に送るクリスマス・カードに引用したことば「あなたのおことば通り、この身になりますように」。
受胎告知とがん告知、似ている部分が。

片岡先生、「働きの最中に病に倒れ、召されていくことが、ぼくにとっての召し」

日本に一時帰国し、手術したが、実際には手の施しようのないほど進行しており、結局、そのまま縫い合わせるだけの手術。
病院の先生に、あと何年の命かと尋ねると、「あと1か月から3か月の命」。

片岡先生は、それならば、とシンガポールに戻り、残された時間を最後まで、ご自身が遣わされた教会での使命を果たそうと決意された。

シンガポールに戻ると、数か月間、一時的ではあったが劇的な回復。「今日は1000メートル泳いできた」など、このまま治ってしまうんじゃないかと思わせるほどに、体力的には劇的な改善。

教会でも、中高生が7人、いっきに信仰告白に導かれたり、数か月だけシンガポールに滞在していただけのご夫婦が信仰に導かれたりと、教会も大いに祝福され、栄子さん自身も安堵と平安の中に。

しかし、秋口を境に、病気の進行は急激に進み、先生の体を蝕み、その体力を奪っていた。

一時期の好転の後に訪れた暗転・・・。
初めて、自分は夫を失ってしまうという感覚・・・。


家庭形成を召しとしていた自分。夫がいなくなってしまうことは、主役が不在になること。

そんなこと、あり得ない! 

それまで、いろんな悲しみがあれば、相談し、分かち合っていた夫。
その夫がいなくなってしまう・・・ そんな馬鹿な・・・
信じられない・・・ 信じたくない・・・



しかし、直後に、期待もせずに開いた、その日の一日一章聖書日課の箇所・・・



     あなたの夫はあなたを造った者、その名は万軍の主。

     あなたの贖い主は、イスラエルの聖なる方で、全地の神と呼ばれている。

       イザヤ書 54:5



神さまは、その日のみことばを通して、語りかけてくださった。

「あなたの夫、本当に頼るべきは、わたし(神さま)ではないか。」

この事態をも、神さまはご存じで支配されている・・・。
そのことが、はっきり分かり、不思議な平安と安心に、心が変えられてしまった。


その後も、どんどん衰えていく片岡先生。


1月
信仰を持ったばかりのカップルの結婚式。
だんだん声もかすれていたが、講談に立つと、どこから出てくるのかと思うほどはっきりした声になり、体力的にも弱まっているのに、ガウンを着れば、さっそうと歩くいつもと同じ牧師の姿に。

栄子さんは介添人として新郎新婦の横に。
司式の片岡先生が、新婦に問いかけ。


   あなたは神の教えに従って、妻としての分を果たし、常に夫を愛し、敬い、慰め、助けて、

   変わることなく、その健康な時も病の時も、富める時も貧しき時も、命の日の限り、

   あなたの夫に対して堅く節操を守ることを約束しますか。


結婚28年目。栄子さんも、28年前と同じように「はい」。


この頃から、鈍痛におそわれ、シロップによるモルヒネ投与開始。


2月 
体温調節が効かないようになってきて、礼拝メッセージ中も汗だくに。

ある日、血圧を測ると30~60。片岡先生は、ふつうに本を読みながら、「コーヒー飲んだら治るよ」
ちょうど日本から、シンガポールの神学校に学びに来ていた医師・看護士夫妻に、いちおう連絡とってみたら、びっくりして、すぐに駆けつけて、病院に連れて行って下さると・・・ いつ召されてもおかしくない危険な状態、日本からも子どもたちを呼び寄せた。

ご長男、けんくんも仕事を休み、東京から駆けつけ、この時、洗礼を受ける決意。
片岡先生は、ベッドの上で、いろんな点滴やチュープをよけてもらいながらガウンに着替えて、洗礼を授けた。

「あのなぁ、けんくんな、ふつう、病床洗礼っていうのは、病人が受けるもんなんやで。」

洗礼を受け、抱き合う先生とけんくん。
その日の片岡先生の日記、「その時、僕はおかえりって言った・・・。」


3月
いすに座ってメッセージするように。
29日の受苦日(受難日)のメッセージを最後に帰国する決意。
31日のイースター礼拝で、最後のあいさつをし、シンガポールを離れ、翌4月1日朝帰国。
そして、4月5日、天に召される。

召される6時間ほど前から眠り続け、深い呼吸のみ。
普段、夫婦でもっていた静まりの黙想の時の呼吸のよう。
家族に見守られ、苦しむことなしに、そのまま安らかな最後。

ご次男「ぼく、死ぬの怖くなくなった。」


先生が召されてから、シンガポールに戻られた栄子さん。帰国のための準備。

片岡先生は、帰国する信徒のチャンギ空港での見送りをとても大切にされた。
しかし、栄子さんにとっての帰国は、なんの希望のない帰国・・・。

そんな中、ふとルツ記を読んでみようと思い立ち、読んでみると・・・
失意の中、帰国する先輩「ナオミ」を発見。イエスさまの系図にも連なる帰国。

帰国後、一つのいすを購入。
庭に置いて、あなたの夫だと言って下さるお方と、静かに交わりの時をもつため。

この危機の時に支えられたのは、生きて、自分の今の気持ちをちゃんと見ていてくださる神さまが、これ以上ないというタイミングで、みことばをもって語りかけてくださったから。そして、今も、うきうきしながら生活している。



   しかし、主は、

   「わたしの恵みは、あなたに十分である。というのは、わたしの力は、弱さのうちに完全に現われるからである。」

   と言われたのです。

   ですから、私は、キリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで私の弱さを誇りましょう。

   ですから、私は、キリストのために、弱さ、侮辱、苦痛、迫害、困難に甘んじています。

   なぜなら、私が弱いときにこそ、私は強いからです。

     コリント人への手紙第二 12:9~10



片岡先生・・・。

KGKでお世話になったとはいえ、学生時代に、年に数回お会いするだけで、個人的に深い関わりを持つ機会もなかなかなくて、決して、とても親しい存在というわけではなかった。2年あまり前、片岡先生のがん発病、最後の帰国、そして昇天の際も、面識のある先生のお一人として祈りに加えさせていただいていた感じだったように思う。

片岡先生の著書「主の前に静まる」も、以前に購入し読んではいたが、最近、読み直したら、買った時には感じなかった、ものすごく共感できる部分、吸収できる部分がたくさんあってびっくりした。去年買った、片岡先生も一部執筆しておられる「今日における霊性と教会」を読んでみても、今、自分が必要としていると思われること、大切だと思われること、そして、「あ、これ、以前の自分だ」ということが、たくさん書かれてあった。

ということは、この2年間の間に、自分が変化していたということ・・・。

大阪に引っ越し、今の教会で主を礼拝するようになって5年あまり。
上沼昌男先生、生島陸伸先生、坂野慧吉先生が、教会で語ってくださったり、お交わりを与えられた。
何より、3年前から太田和先生の「生活の中の霊性セミナー」が始まった。

これらの先生は、片岡先生もはじめ、ハンス・ビュルキという先生の影響をお受けになった先生方。
これら複数の先生から、確実に何かを吸収させられていた数年間だったんだなぁ。

今、手許に残された片岡先生の本や文章を読みながら、今なら、片岡先生にいろんなことを質問したり、神さまのこと、霊性について語り合えるのに、という強い衝動さえ感じさせられる。お交わりの欲求が起こされた今、先生はこの世にいらっしゃらない。数年前なら、手紙やメールでコンタクトする手段はあったけれど、その時(2年以上前)には、そんな思い・観点がなかった。

残された文章とスピリット、そして学生時代のそんなに数は多くはないけれど片岡先生の思い出は、何かを語っているんだろう。静かに、神さまの前に差し出しながら、思い巡らすひととき。


おっと、ちょっと脱線。

片岡栄子さんのお証のあとは、ぶどうの会恒例の、交わり&お祈りタイム!
番号札によるくじで5つのグループに分かれると、片岡栄子さんと同じグループだった!

上に書いたことを簡単に話すと共に、自分の壊滅的だった人間関係が徐々に回復される様子、イコール自分になかった平安・解決を神さまが与えて下さるから、神さまって本当にすばらしいことなどを話すと、栄子さんは「天国で会えるわよ。」「すてきな旅をしておられますね。」と言って下さった。的を得たすてきなコメント、本当に自分でもそう思わされることだから、うれしかったなぁ。文字通り、「スピリチュアル・ジャーニー」なわけだから。


神さま、今日もすばらしい恵みをありがとう。

あなたは、私の夫でもあります。
あなたは、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神、片岡栄子さんの神、そして私の神でもあられます。
最も私をご存じのあなたと共に歩む平安と恵みを、もっともっと教えて下さい。

心からいっぱいの感謝と賛美をもって、御名をほめたたえつつ・・・。






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最終更新日  2004年05月27日 10時12分25秒
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Re:ぶどうの会 ~片岡栄子さんをお迎えして~(05/20)  
西畑 智子 さん
片岡栄子姉
聖名を崇めます。40年程前、武庫川女子大学生で旧姓宮田智子でありました頃、KGKで片岡先生栄子先生と能勢でキャンプに参加させていただきました。梅田の事務所でもお交わりをしていただいた思い出があります。最近、何故か片岡伸光先生のお名前が浮かんでITで検索し、先生のご召天を知りました。栄子姉ご家族の上に主の豊かな恵みと癒しがありますようお祈り申し上げます。蒔かれた種は、奈良の地でも生きております。
私は、現在、奈良高畑教会の教会員です。奈良にお越しの折は、ご連絡下さいませ。 (2014年04月29日 21時31分24秒)

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