ヨカッタ探し

ヨカッタ探し

March 12, 2006
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カテゴリ: 読書ろぐ
昨日の日記に書いたお店で買ってきました♪
恩田陸さんの『ねじの回転』上・下巻。
昨年の12月に出たばかりの文庫なんですが、どちらも100円でした。

恩田陸『ねじの回転(上)』 恩田陸『ねじの回転(下)』


歴史をねじ曲げた結果として招いた人類滅亡の危機。
それを救うため、過去を修復しようというプロジェクトが開始された。
選ばれたのは、1936年の東京。二・二六事件だった―――。


サイトで感想を見ると、最初の部分が難しくてなじめない、
という意見も多かったのですが、それほどでもなかったです。
日本史選択で、歴史が割りと好きってのもあるかもしれないですが、
詳しい史実を知らなくても、物語には入り込めると思います。
ただ、場面展開が多いのと、あとは、わたしの場合、

ピンとこなかったので、それを飲み込むまで、少し読み難かった。
時間遡行、タイムトラベルといえば、SFではおなじみのテーマですが、
 1.なんらかの理由で過去に介入し、歴史を変えようとする
 2.装置を悪用して、歴史を変えようとする企てを阻止する
というどちらかのパターンが多いような気がするんですよ。
でも、本作品の場合、1を繰り返した結果、招いた災厄を防ぐために、
「もともとの歴史」を「再生」してそれを正史として「確定」する、
というプロジェクトを行おうとするわけです。
しかも、実際の登場人物にもう一度同じ行為を繰り返させることで。
この辺が、恩田さんらしいしかけだなぁ、と思いました。
あと、解説でも触れられてましたが、装置の名前にしても、

それでいてイメージしやすくて、見事な表現力です。
どこか『常野物語』を思い出しました。
「二・二六事件」を題材に「時間遡行」というテーマでSFを書いて、
こういう仕上がりになるのが、恩田流なのですね。
これまでの恩田作品が好きな人は好きだと思うんですが、


入れ子のようになってる世界で、散りばめられた謎が
するすると解かれていく後半部は、圧巻、でした。
ただ、全てが合理的に片がついているのかどうかは、ちゃんと
検証してないのでわからないです(笑)。
でも、感覚的に納得して読んでしまいました。
お約束だなぁ、というラストも、わたしは割と好きですね。





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最終更新日  March 13, 2006 02:43:39 AM
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