ヨカッタ探し

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December 5, 2006
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カテゴリ: 読書ろぐ
先日亡くなった灰谷さんの作品を、久々に読みたくなりました

灰谷健次郎  『ワルのぽけっと』 (角川文庫、1998)



灰谷さんの作品は中学生の頃よく読んでいたんですが、中でも、
『砂場の少年』という作品に強く感銘を受けました。
当時、わたしは中学2年生で、その中の子ども達の主張がもう見事に
ビンゴという感じだったのですw
そのときの学校環境や担任、うーん、かなり問題ありだったので。


この『ワルのぽけっと』も当時読んだんですが、今読むと、
また新たな感動がありますね。
「チューインガム一つ」という万引きをしてしまった少女と灰谷先生の
往復書簡のような詩があるんですが、以前はそれほど思いもしなかったのに、
今回はとても心に染みてきました。
罪を悔やむ子どもの前で、この人は全く同じ目線で自分の罪を告白しているんだなって。
昔、灰谷さんの作品を読むたびに、どうしてこの人はこんなに子どもの気持ちが
わかるんだろう。わかってやる、じゃなくて、すんなりわかってるんだろうって、
ずっと不思議に思っていたけれど。
きっと、子どもの頃の自分を大切に抱えているんだなぁ~。
すっごくつらかったことも、悔しかったことも、悲しかったことも。

だから、子どもの前で、灰谷少年が出てくるんじゃないかな。

今、わたしは外側はすっかり大人になったんですが、
わたしの中に、少女だった頃のわたしはちゃんと生きているかな?
わたしは、彼女を大切にできているかな。
…とそんなことを思いました。


リンク先の『ワルのぽけっと』は角川文庫版なんですが、
実際にわたしが買ったのは古い新潮文庫版の方です。
わたしが持っている他の作品も新潮なので、何の疑問も感じずに
買って来ちゃったんだけど…。
灰谷さんといえば、神戸の少年事件で週刊新潮の実名報道への抗議として、
新潮社から自作品の版権を全てひきあげたんですよね。
だから古本を除くと、新潮の作品はないわけだ。
あれは、大人としての灰谷さんが示さずにはいられなかった怒り、なわけで。
少年の心も抱きつつ、大人としての責任を果たす…。
わたしも目指したい姿です。

改めて、ご冥福をお祈りします。





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最終更新日  December 12, 2006 12:56:52 AM
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