ヨカッタ探し

ヨカッタ探し

January 22, 2007
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カテゴリ: 読書ろぐ
昨日(2月5日)に書いた1月19日分の日記で、思い出し穴埋め過去日記は
ラストかなぁ~と思ってました。
1月下旬は課題ラッシュだったので、娯楽本は買いに行く暇がなく、
手持ちの本を再読していたので…。
んでも、相方から借りて読んだ本を忘れていました

 上橋菜穂子 『月の森に、カミよ眠れ』 (偕成社文庫、2000)


年末年始の帰省で、上橋作品を全部読破した相方から借りました。
守り人シリーズとかも読みたいんですけど、なにせ厚いので、

これは普通の文庫ほど小さくはないですが、持ち運び可のサイズ。

以前、紹介した 『狐笛のかなた』 (2007/01/09の日記) もそうでしたが、
この作品も古代の日本を舞台にしています。
表紙の絵からもわかるように、本当に古い古い時代。
稲作への転換が、物語の中でポイントになってくるので、
それを思うと、縄文から弥生の頃、という感じかな。
もちろん、ファンタジーではあるので、そこまで時代設定を考える
必要はないと思うのですが…。
ただ、あとがきを読む限り、このお話は九州に伝わる伝説を
モチーフとしていて、舞台となるのも隼人のムラを描いているようです。

という一面もあるので、可能な限り、資料を集め、土地を訪れ、
そこから、イメージをはばたかせて物語をつむいだのだろうな~、
などと思ってしまいます。

ここには普遍的なもの、愛とは何か、という問いが
描かれているようにも思うのです。

女性の場合、少女から大人になる瞬間、というのが、
とてもはっきりとしているので、その境界で揺れる気持ち、
というのが、男性よりも強いのかもしれません。
守られている存在から、生み育てる存在へ…。
存在価値の転換。
失われる子ども時代。
この物語で描かれているような、象徴的な行事は、
現代ではなくなってしまいましたが。
それだけに、一人ひとりの心の中で、処理しなければならない部分が
大きくなってしまっているのかも。
そんなことを思いながら読んでいると、カミに愛されながらも
戸惑い揺れ動くキシメが、なんだかとても切なく思えました。
ただ、伝説をもとにしたせいか、わたしの感覚としては、
ラストが不完全燃焼といった気もしました。
『狐笛』の方が、物語としては良かったと思います。





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最終更新日  February 7, 2007 12:11:05 AM
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