ヨカッタ探し

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May 20, 2007
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カテゴリ: 読書ろぐ(mystery)


『チルドレン』 (講談社文庫、2007)



伊坂作品の中でも、文庫化を心待ちにしていた作品
早速、買ってきて、じっくり読みました。
単行本でも一度読んだんですが、ぐっと我慢して、
文庫になるのを待ってたんですね。
値段やスペースの問題もあるけど、街に持って出たいような
作品なんですよ。なんとなく。
そういう人間にとって、単行本と同じ表紙っていうのは


伊坂さんの作品というと、最近、アヒ鴨を読み直したせいか、
『チルドレン』の陣内・永瀬・優子が、ちょっと、
アヒ鴨のメインメンバーにかぶりました。
陣内さん、そばにいたら振り回されるかもしれないけど、
優子くらいの距離で、お付き合いしたいですね。
こういうキャラを描かせると、伊坂さんは本当に巧い。
次から次へと、よくこんなこと考え付くなぁ~と思ってしまう。
「レトリーバー」の中の、陣内の告白&その後、が好き。

「失恋した俺のために、今、この場所は時間が止まっている」

…確かに。
こんな目に遭ってるのに、世界が淡々と廻り続けるなんて!!

でも、そうは思っても、普通、考え付かない。
ホントに世界が止まってしまうなんて。それも、自分のために。
そういうことを、しれっと、本気で、言えてしまう。

この『チルドレン』の魅力は、登場人物の個性や、
時間軸の異なる連作短編形式、っていうのにとどまらない。

本当に世界は止まったのか、駄目親父?、バッグと熊…
各話に少しずつ散りばめられた謎。
これも、大きな魅力だと思います。
まあ、最大の謎は、いかにして、陣内という男ができあがったか、
ということ、のような気もしますが。
すがすがしいラストも含め、何度も読みたい作品です。






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最終更新日  May 23, 2007 12:11:01 AM
コメント(6) | コメントを書く


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Re:伊坂幸太郎『チルドレン』(05/20)  
hako0418  さん
この本、書店で見かけて、買おうかどうしようか迷っていたのでした。昨年来、伊坂作品を読むことが続いているなーと思って。
でも一番好きなアヒ鴨にかぶる感じなら、やっぱり買いですね。書店へGo~~。 (May 24, 2007 12:33:14 AM)

hako0418さんへ  
anna2号  さん
こんばんはw

>この本、書店で見かけて、買おうかどうしようか迷っていたのでした。昨年来、伊坂作品を読むことが続いているなーと思って。

なんかここんとこ、伊坂さんの文庫化続いてますね。
文庫化のたびに、かなり手を入れる方らしいので、
忙しいのに大丈夫かな?とちょっと心配です。

>でも一番好きなアヒ鴨にかぶる感じなら、やっぱり買いですね。書店へGo~~。

ストーリーは違うんですけど…なんかキャラの感じが
ちょっと似てる気がしてます。わたしは。
アヒ鴨から切なさを取った感じ。 (May 24, 2007 10:11:36 PM)

Re:伊坂幸太郎『チルドレン』(05/20)  
samiado  さん
こんばんは!
この作品には表紙のように青空のイメージがあります。幸せを感じられる屋上の場面が好きです。
TBさせていただきますね♪ (May 25, 2007 09:17:45 PM)

samiadoさんへ  
anna2号  さん
こんばんは~。コメ&TBどもです。

>この作品には表紙のように青空のイメージがあります。幸せを感じられる屋上の場面が好きです。

ホントに青空が合う物語ですね。
わたしは握らされた5000円に対する陣内の反応、とか
そういうのにぐっときました。
ラストのすがすがしさは格別です。 (May 29, 2007 02:07:28 AM)

読んだでー  
イノ さん
洒脱な会話と心に残るフレーズで紡がれたお話は、流石伊坂作品!と言える良い作品でした。
目の見えない永瀬が、知らないオバちゃんから5千円を貰った時、「なんでお前だけなんだよ!」「いいなぁ。おまえラッキーだったな」と言い放つ陣内は、伊坂氏ならではの魅惑的なキャラですね。
レトリバーとチルドレン2が特に良かったなぁー。

>文庫化のたびに、かなり手を入れる方
この作品も、単行本と文庫では結構違ってるんですかね?
もっと続けて欲しい作品ですね。 (May 30, 2007 08:59:04 AM)

イノさんへ  
anna2号  さん
こんばんは♪

>洒脱な会話と心に残るフレーズで紡がれたお話は、流石伊坂作品!と言える良い作品でした。

おお、イノさんも読まれましたかー。
ややライトではあるものの、伊坂作品の魅力がつまった
小説だなぁ、と思いますね。

>目の見えない永瀬が、知らないオバちゃんから5千円を貰った時、「なんでお前だけなんだよ!」「いいなぁ。おまえラッキーだったな」と言い放つ陣内は、伊坂氏ならではの魅惑的なキャラですね。

そう!あれはすごいよね。陣内の強烈な魅力ですね。

わたしは単行本の方は持っていないので、ちゃんと
比較はしてないんですが…。手が入ってるのかな?
ゆるゆると続けて欲しいですよね。 (June 2, 2007 02:01:24 AM)

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