ヨカッタ探し

ヨカッタ探し

August 23, 2007
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カテゴリ: 読書ろぐ(mystery)
これまただいぶ前に読みました。
『GOTH-夜の章』は日記に書いたのに、こっちは忘れてた
でも、どっちかというとこっちの方が好きかも。


  乙一  『GOTH-僕の章』 (角川文庫、2005)

この世には殺す人間と殺される人間がいる。自分は前者だ―そう自覚する少年、「僕」。殺人鬼の足跡を辿り、その心に想像を巡らせる「GOTH」の本性を隠し、教室に潜んでいた「僕」だったが、あるとき級友の森野夜に見抜かれる。「その笑顔の作り方を私にも教えてくれない?」という言葉で。人形のような夜の貌と傷跡の刻まれた手首が「僕」の中の何かを呼び覚ます。彼女の秘密に忍び寄った彼が目撃するのは…。圧倒的存在感を放ちつつ如何なるジャンルにも着地しない乙一の、跳躍点というべき一作。「僕」に焦点した三篇を収録。
<収録作品>
リストカット事件/土/声 (「BOOK」データベースより)


「僕」がメインとなる作品が3篇入っています。
「リストカット事件」はサスペンスフルで、よくまとまってるなぁ~。

もしや遂に「僕」が???という不安に襲われます。
「土」はまた、ちょっと違っているんだけど…。

「リストカット事件」では「僕」が語り手で、
「声」では別の人物が見た「僕」が描かれている。
トリックと言ってしまえばそれまでだけど、案外、
自分が認識している自分像と、他人が見ているる自分というのは、
こんなふうにガラッと異なっているものなのかもなぁ。
時々、他者の前での自分の言動を、別人格のものとして振り返ると、
自分でも思ってもいなかったイメージが出てきたりする。
そうすると、思い当たるところがないと思ってた他者評価も
案外、びんごだったりして


「リストカット事件」で森野がとった行動は、
関わった人によって、全く異なる現実として受け止められている。
立川市で起こった警官による射殺事件なんかも、
今、なされている報道から判断すると、加害者・被害者それぞれで
全く異なった文脈で理解してるんだろうな、と。

恋愛沙汰って、基本的に思い込みから始まっているから、
暴走しだすと、どんどん相手の気持ちからズレていってしまう。
…こ、怖いなぁ。





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最終更新日  August 23, 2007 10:21:03 PM
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