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August 28, 2007

恩田陸　『三月は深き紅の淵を』（講談社文庫、2001）

火曜日は、１都２県に渡って移動します。
電車で座れなくても、移動時間が長くても…
夢中になれる文庫本が１冊あれば、けっこう快適に過ごせちゃったり。
そういう意味では、今週用意した本は　でした。

恩田さんの三月シリーズの最初の物語。
不思議な、不思議な構造をしています。

楽しむことも全然できてしまうんだけれど。
やっぱり恩田ファンとしては、他の物語とのリンクが気になる。
タイトルと同じ『三月は深き紅の淵を』という幻の本をめぐる４篇。
第１部では、幻の本の構成が語られていて、それは、
実際にこの（わたしが手にしている）本と重なるのだけれど…。
単なる入れ子構造ではないところが、また憎い。

まだ書かれていないのか、
既に存在しているのか、
これから書かれるところなのか、
それとも、もう物語に取り込まれているのか？

今、ここで。

そんな物語です。
ちょうど、最近、読んだところだったので、『黒と茶の幻想』や、
『麦の海に沈む果実』とのリンクも楽しめてよかったです

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