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2004年の読了本(1・2月)

2004年の読了本

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*1月*
「四季(春)」 森博嗣(講談社ノベルス) (2004.1.8読了)
『すべてがFになる』の天才科学者、真賀田四季の少女時代。叔父、新藤清二の病院で密室殺人が起こる。唯一の目撃者は透明人間だった!?かなり難しい話だ。今までの数式トリックとは違い、いろんなものが交錯している。 あの四季の幼少、五歳の時。すでに天才という言葉は出来上がっていたのかも。栗本其志雄、真賀田其志雄、この両名に四季、一体どんな関係か? う~言えないけど・・・最初の殺人事件そのものはあまり考慮しなくてよいと考えよう。この事件の謎解きや犯人探しを重点においているわけではないからね。それよりも四季の天才への成長ぶりととりまく周辺の関係やらが重要かも。「F」を読んでこそわかる内容なのかも。後半で知った顔が少し出てきたのがとっても嬉しい私でした。四部作の第一作なので後が楽しみ♪
「どこにでもある場所とどこにもいないわたし」 村上龍(文芸春秋)(2004.1.12読了)
どこにでもある場所、どこにでもある風景、そんなありそうな情景を描いた本格短編集。
・コンビニ…誰もがいくコンビニ。そこにはぼくのほかに七人の客。それぞれの客を観察する傍らに頭の中で回想される情景。過去の記憶、そしてそれぞれの客に対する勝手な想像。ふと人を観察して面白おかしく想像することってあるよね。
・居酒屋…居酒屋によくある光景。男女入り混じっての顔見知りのグループ。隣にはサラリーマン。アルバイトの女の子。有線放送の騒々しい音楽、TVでは野球中継。誰も見ていない。誰かと誰かを紹介しようと決まった飲み会。この雰囲気では大事な話は似合わない。
・公園…いつも行く住宅街の公園。私は夏祭りのカレーに毒を入れた女のことを考えながら公園に4歳の息子と入っていく。公園にはいろんなお母さんが 集う。嫌われないように当たり障りのない会話を心がける。もし噂になれば 標的とされ、陰口を言われる。この話が一番わかるような気がした。自分が主婦であり、母親だから。公園に限らず、母親達が集まる場所ではこういった些細な日常が繰り広げられる。グループからはずれたくないために相槌を打つ。自分の意見も主張もない。
・カラオケルーム…髪を染めた女の子二人に声をかけられ、ファミレスの後にカラオケルームに入った。こんな五十を過ぎたオヤジと十代の女の子たちといたことをカラオケの店員は誰かに言うだろうか?失業中のオヤジは彼女達を見て自分の上京した当時を思い出していた。何だか淋しげな疲れたオヤジの背中を想像してしまった。
・披露宴会場…披露宴会場はおしゃれな代官山のレストラン。新婦は数年前に同じ職場にいた同僚。知った顔のいない会場に心が不安定になる。声をかけてきた男性は精神不安定な状態がわかるのだろうか?心の傷。誰にでもあるはず。誰かを思い出すたびに呼吸が苦しくなる。
・クリスマス…クリスマス、男と女の街の情景はありふれたものだ。一人歩く。ウインドーに写る自分をみてふと思い出すあの男のこと。一枚のチラシをもらう。ふとその電話番号にかけてタクシーに乗り、ホテルのバーへ。淋しいもの同士が集っているのだろうか?はっきりとは覚えられない顔が隣を通り過ぎる。何だかこれも淋しい話。クリスマスはやはり一人ではいたくないのだろうか?誰でもいいから隣にいないとダメなのだろうか?
・駅前…ホームレスのゴミをあさる情景。その横を通り過ぎる私。村上氏はあとがきに「留学のために海外へ出て行く人物を主人公にした。」と書いている。今までの話は海外の地名であるとか、希望を持ったようなことは出てくるが、ここまできてやっとそのあとがきにそった話になっているような気がする。
・空港…空港での人があるれる情景。子持ちでバツイチで風俗で働く私とサイトウという男の今までのやりとりを回想しながら話はすすむ。バツイチだって子持ちだって人生は前向きに進んでいける。希望を持つとはこういうことだろう。
「2日目のプティ・デジュネ」堀井和子(kkベストセラーズ)(2004.1.25読了)
堀井さんの自由な旅スタイルをまとめたエッセイ。南仏ののんびりした雰囲気の写真も素敵。2日目のプティ・ジュネ(朝食)がとても好きだそうですが、風景やパンなどにこだわってホテルを選ぶところが堀井さんらしいな~と思います。マルシェの近くでとびきりのニース風サラダを食べるとかベーグルを食べたくて決めたホテルとか庭がきれいなホテルで朝ごはんを楽しむこととか、最後には旅の終わりの荷造りの話、カメラよりもノートを1冊もって旅の思い出を綴る話などとても興味深くて・・・こういうホテルや旅なら行ってみたいな~
「エミリー・ザ・ストレンジ」コズミック・デブリ(作)宇多田ヒカル(訳)(メディアファクトリー)(2004.1.29読了)
宇多田ヒカルさんが訳したことで有名になった絵本(日本では)内容がね。とってもシュールなんです。「エミリーは、誰かと同じ物なんて欲しがらない…欲しいのは喪失感」4匹の黒猫と暮らす女の子。ちょっと変わってるけど・・・色使いもとってもクールな感じ。赤と黒と白しかなくて。そして何ていったらいいのかな?ニス印刷によって隠された文字や絵。とっても凝っています。表情もどことなく冷めた感じ。でも何か問いかけているような・・・ふふふ。何だかちょっと悪ぶりたくなる一冊。

*2月*
「ZOKU」森博嗣(光文社)(2004.2.10読了)
悪戯の組織「ZOKU」と、彼らの企みを阻止しようとする「TAI」。連作ミステリィ短編集。『暴音族』『暴笑族』『暴図工族』など迷惑行為をする「ZOKU」一体何者?これは冗談か?何だか笑える1冊だ。ほとんど流れ読みだったので細かい感想は勘弁してくれ~(^_^;)
「リネンが好き」前田まゆみ(文化出版局)(2004.2.13読了)
「リネン」とは「麻」のこと。フラックスという青いかわいい花が咲く植物の茎から作られます。この本にはリネンの魅力がいっぱい。洗濯の仕方、アイロンのかけ方、しまい方など普段の生活に取り入れる方法も紹介しています。
「美人画報」安野モヨコ(講談社)(2004.2.13読了)
ファッション、メイクにダイエット・・・モヨコさんが自分ツッコミまくりでお届けします。美しくなるために頑張る漫画家。これは第一巻。これからのモヨコさんの変貌に注目!
「ルーシーおばさんの台所」シンシア・ライラント(作)ウェンディ・アンダスン・ハルパリン(絵)市河紀子(訳)(偕成社)(2004.2.14読了)
ルーシーおばさんとくらすロージー、リリー、そしてテスはいとこ同士。 夏休みのある日、三人はクッキー屋さんをやろうと思いつきます。注文がきて、配達に行った三人は素敵な人たちに出会います。とても絵が可愛くて、お話も楽しいです。
「すもも通りの花屋さん秋のミニチュアづくり」シンシア・ライラント(作)ウェンディ・アンダスン・ハルパリン(絵)市河紀子(訳)(偕成社)(2004.2.16読了)
ルーシーおばさんとくらすロージー、リリー、そしてテスはいとこ同士。 三人はルーシーおばさんに何か素敵な贈り物をしようと思いつきます。そしておばさんのお店の花屋さんのミニチュアを作ることにします。
「毎日のすてき」王由由(文化出版局)(2004.2.22読了)
何気ない普段の暮らしの中の“小さなすてき”。花、料理、インテリア、音楽、映画、本などの小さなすてきをいっぱい集めて、ユウユウさんが贈る幸せノート。やっぱり由由さんの暮しって素敵だな~アンティークってあまり興味がなかったけど、由由さんの著書を見ていて結構奥が深くて楽しくて素敵なんだな~と実感。やっぱり毎日の生活は楽しくすてきな方が心も体もウキウキしてくるからね。そんな生活を潤すヒントがいっぱいの一冊です。
「蛇行する川のほとり(3)」恩田陸(中央公論新社)(2004.2.22読了)
やっと3を読了できた~っていうか借りれた。ちゃんと完結してたのが嬉しかった。少々間が開きすぎて前回がどうだったか?忘れてしまったけど。そうか~こうだったのか~って謎が一気に解けて納得の一冊。何だかせつないような怖いような・・・不思議な物語。やっぱり3冊を続けて読むのがおすすめかな。
「チコ・バイブル」黒田知永子(KKベストセラーズ)(2004.2.22読了)
今や雑誌「STORY」で人気の黒田さん。TVなどの露出も最近多くて、あんな素敵な40代がおくれたらいいだろうな~とうなずきます。そんな黒田さんの2002年に発売された本。ファッションのこと、家庭のこと、仕事のこと。素敵に年齢を重ねていくためのヒントが満載です。エイジレスってこういうことなのかな~
「リトル・バイ・リトル」 島本理生(講談社)(2004.2.23読了)
芥川賞候補(第128回)になり話題になった作品。作者はまだ若いらしい。 「明るい小説にしようと、最初から最後までそれだけを考えていた。淡々と流れていく日々を照らす光を書きたかった。」とあとがきに書いているように淡々とした文章でその中に木漏れ日がさしているような感じがする小説だった。何だか嬉しかったのは小説の中に登場するキックボクシングだか?をやっている周という子と居酒屋で話すシーンに那須さんの「the End of the World」が出てきたこと。題名も作者も話してないけど、ピンときちゃいました。あとがきにもこのことが書いてあった。淡々としている小説だけど、この主人公のふみちゃんとやらの置かれている状況は結構複雑で、母と父親違いの妹と三人で暮らしていたり・・・いろいろ悩みもあるようです。
「さくらえび」さくらももこ(新潮社)(2004.2.23読了)
「富士山」に掲載されたエッセイをまとめたものらしいが・・・相変わらず面白い。特に父ヒロシは・・・コイを買うが・・・これが結構大変だったりして。おまけにインタビューまで載せている。すごいキャラだ。 息子が自分の母親が「さくらももこ」だっていうのがばれてないっていうのがすごいな。きっとその息子ももう大きくなっているのでばれているだろうが・・・さくらさんのエッセイはたくさんありすぎて一体何を読んで何を未読なのか?が判別不能だけど、きっと何回読んでも面白いのだろう。
「クレオパトラの夢」恩田陸(双葉社)(2004.2.24読了)
不倫相手の男を追い東京から引越した双子の妹を連れ戻すため北海道H市を訪れた神原恵弥。しかし到着早々、妹・和見の不倫相手である大学教授が事故で死亡していたことが判明する。しかも事故当日、恵弥は当の大学教授と東京で会う約束をしていた。「MAZE」に登場してインパクトのあった恵弥登場ってことでその本読まなきゃ。あはは。
「青い日記帳冬のプレゼント」シンシア・ライラント(作)ウェンディ・アンダスン・ハルパリン(絵)市河紀子(訳)(偕成社)(2004.2.29読了)
もうすぐ冬休み。なにして遊ぼう。テス、リリー、ロージー、3人のいとこたちは、ぬいものをならうことにしました。90歳のホワイトさんの家で、3人は、ぬいものだけでなくとてもたいせつなことをならいました。思い出を書きとめるということです。三人は青い日記帳を買いました。そしてそれぞれに思いを書き留めました。ルーシーおばさんと過ごす三人がとても楽しそうで、いろんな人たちに囲まれて幸せそうなところがとってもいいです。
「小石通りタイムズ春のいとこ新聞」シンシア・ライラント(作)ウェンディ・アンダスン・ハルパリン(絵)市河紀子(訳)(偕成社)(2004.2.29読了)
今回、三人は街の新聞を作ろうと思い立ちます。クイズやインタビュー、お菓子のつくりかたまで。名前は「小石通りタイムズ」三人の新聞つくりはとても楽しそうです。本の中に出てくる「小石通りタイムズ」はとってもよく出来ていて、本当に楽しい新聞です。
「三人のキューピッド夏のパーティ」シンシア・ライラント(作)ウェンディ・アンダスン・ハルパリン(絵)市河紀子(訳)(偕成社)(2004.2.29読了)
バレエ団とワールドツアーに出ていたお母さん達が帰ってきます。三人はルーシーおばさんや小石通りの人たちとお別れしなければなりません。さよならパーティーの席でとっても嬉しい出来事がありました。ルーシーおばさんの恋人のマイケルが求婚したのです。このシリーズはこれで終わりです。最後はなんてハッピーエンドなんでしょう!四季を通じて三人の楽しそうな暮らしぶりやルーシーおばさん(おばさんと呼ぶには結構若い)やマイケル、そして小石通りの人々。こんなほんわかした楽しい街に住んでみたくなりました。


mitu n



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