プレリュード

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2004年10月05日
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カテゴリ: クラシック音楽
「新聞で読んだ育児主婦の悩み」

今朝の朝刊を珈琲ショップで読んでいてこんな記事が目に付いた。

30代主婦。 5歳の子供と夫の家庭生活。 子供を産んだのが世間体と親を喜ばすためと思うようになった。 子供が嫌いでもなく、虐待もしていない。 しかし、育児がまったく楽しくない。 子供と遊ぶことに喜びを見出せない。 夫は子煩悩でそれを見るにつけて、自分ひとりで生活したいと思っている。 母親失格だろうか?

こんな記事だった。 

ノイローゼ一歩手前かもしれない。 あるいはほんとに子供を可愛いと感じない主婦かもしれない。 そこのところは短い文章では図りかねる。 しかし、ひょっとして母親像なるものを鋳型にはめ込んで、そこへ行けない自分を責めているのかもしれない。 

子供は、特に自分の子供がまだ5歳なら毎日の変化していく様が楽しくてしょうがない時期だと思うが、ちょっとした子供への目線を変えてやればいいのにと思う。 このくらいの子供は敏感だから、母親のこうした態度に抵抗や淋しさを覚えて子煩悩なお父さんに傾いてしまい、いっそう家庭の中で孤立しているように覚えるのかもしれない。

趣味とかを書いていなかったが、何か自分が好きなことをやるのもいいかもしれない。 四六時中育児という世界から抜け出るし、それがかえって育児の励みになると思う。

いい子育てー少なくとも子供と一緒にいることが楽しい、嬉しい、幸せだと思うことができるようになって欲しいと願わずにおれない記事だった。

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先月からコロンビアミュージックエンターテイメントが嬉しい復刻盤をリリースしてくれている。 1950年代ー60年代にかけての「ヴァンガード」レーベルで発売されていたLP盤をCDにデジタルリマスターして廉価盤(\1,260)として売り出している。 先月の目玉は以前にこのページの「今日のクラシック音楽」で紹介したヨゼフ・シゲテイのバッハ「無伴奏ヴァイオリンソナタ」「パルテイータ」全曲盤だった。 (但し、紹介した盤は同じ原盤でもキングインターナショナルの発売)

今月のリリースにも素晴らしいのがある。 

チャイコフスキー 交響曲第4番 ストコフスキー指揮アメリカ交響楽団
ベートーベン・ヴァイオリンソナタ全集 シゲテイ(Vn)アラウ(ピアノ)
バッハ 平均率クラヴィーア曲集第1巻 ホルショフスキー(ピアノ)など。

その中で目に止まったのはハイドンの「軍隊」と「時計」交響曲。 演奏はモーエンス・ヴェルデイケ指揮ウイーン国立歌劇場管弦楽団。

実に懐かしい録音。 USA盤では出ていたがなかなか入手できなかった盤だったので、これが復刻されたことがほんとに嬉しい。

1956年というほぼ半世紀前の録音だが、試聴して音の良さにまづ驚いた。 鑑賞にはなんの支障もない。

演奏 これが凄い! この盤がLPとして初めてリリースされたときに雑誌「レコード藝術」で交響曲評論を書いておられた故村田武雄氏が好意的な批評を掲載されていたので、興味があったがまだ中学1年生の私には当時\3,800というステレオLPは高嶺の花だった。 その後朝日新聞の「試聴室」欄でも音楽評論家の故志鳥栄八郎氏も絶賛の記事を掲載していた。

その後、20年ほど経ってLP廉価盤(\1,000)として再発売されてやっと購入できた1枚だった。 それまでに数多くの指揮者・オーケストラで聴いていた演奏と一線を画す素晴らしい録音を聴いて、両氏が絶賛したわけがわかった。 しかし、CD時代に移って行ったので手持ちのLPプレーヤーが故障、メーカーに部品がなくLP盤を全部処分したのでこの盤も知人宅へ貰われて行き、私の記憶から消えていった盤となってしまった。

そこへ突然に「ヴァンガード名盤」シリーズとして復刻された。



「軍隊」の開始楽章の序奏が流れた時には、「これだ! これこそハイドン!」と心が躍ったものであった。 オーケストラがウイーンフィル(国立歌劇場となっているが実質はウイーンフィル)で、コンサートマスターがウイリー・ボスコフスキー時代。 言葉で形容できないような、弦のしなやかさ、管楽器の柔らかさをうまく生かしたヴェルデイケの指揮は、ひと昔前の「良きウイーン」の薫を引き出した典雅そのもののハイドン。

EMIからイギリスの大指揮者サー・トーマス・ビーチャムが指揮した2枚組みが再発売された名盤も、ハイドンのスペシャリストらしい柔和さに富んだ,エレガントで明るい響きの演奏だったが、このヴェルデイケの演奏は比較にならないほど「優雅」なハイドンを聴かせてくれる。

あのLPに刻まれていた演奏が我が家に戻ってきた。

(ヴァンガード原盤 コロンビアミュージックエンターテイメント発売  COCQ-83832 1956年ウイーン録音)

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1880年の今日(10月5日)はフランスの作曲家ジャック・オッフェンバック(1819-1880)が亡くなった日です。 彼は「ホフマン物語」「天国と地獄」など多くのオペレッタ(喜歌劇)を残しています。 これらのオペレッタの旋律を集めてマヌエル・ローゼンタールが編曲したバレエ音楽「パリの喜び」があります。 原曲のオペレッタのメロデイーを使い、パリのカフェの悲喜こもごもを描いたバレエ音楽です。

今日はこの「パリの喜び」を聴いてみようと思います。 全曲で40分ほどの、オッフェンバックの有名なオペレッタの音楽が実に効果的に編曲構成されている楽しいバレエ音楽です。

お薦め盤  

(フリップス レーベル PHCP-9338 1982年10月アメリカ録音)


19歳からジャズピアノ録音を始め、ピエール・モントーに指揮法を学んだプレビンは、映画音楽、ミュージカルも手がけてアカデミー賞を4回も受賞している。 その後セントルイスやロンドン交響楽団などの指揮を歴任したあと、ウイーンフィル、ベルリンフィルの客演、録音などを残しており今やクラシック音楽界の重鎮的存在で、女優のミア・ファローとの離婚後、現在はヴァイオリニストのムターと幸せな結婚生活を送り、今月もチャイコフスキーのVn協奏曲をグラモフォンからリリースしています。

この「パリの喜び」はピッツバーグ交響楽団の常任指揮者時代に録音されたもので、抜群のリズム感覚でパリのカフェの気分をたくみに描いた名盤だと思います。

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最終更新日  2004年10月05日 11時45分34秒
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