プレリュード

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2006年10月21日
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カテゴリ: クラシック音楽
今日のクラシック音楽 』     ドボルザーク 交響曲第9番「新世界より」

ハンガリーからは数多くの名指揮者が生まれています。 フリッツ・ライナー、ジョージ・セル、ユージン・オーマンディ、アンタル・ドラティなどが20世紀を代表する名指揮者としてその名をとどめています。

そうしたハンガリー出身の指揮者の中でもとりわけ有名なのが、サー・ゲオルグ・ショルティです。

ショルテイは現代の録音技術の進化と共に歩いた指揮者で、数多くの曲をLPステレオ録音時代からディジタルCD録音まで残しています。 

1960年代にはイギリスのコヴェント・ガーデン王立歌劇場の音楽監督として就任、名声を確立して「ナイト」の称号を与えられていますから、正式にはサー・ゲオルグ・ショルテイと呼ばれています。

1969年にフランスのジャン・マルティノンの後を受け継いでシカゴ交響楽団の音楽監督に就任して、1991年にバレンボイムにその地位を譲るまで指揮を執り、シカゴ市民から絶大の信頼を得た指揮者でした。

あれは1990年だったか、彼が退任前にシカゴ響と来日した折に、大阪のシンフォニーホールで鳴り響いたブルックナーの8番の名演が目に、耳に焼きついています。

どの曲の演奏も、明晰な表現とダイナミックな推進力でパワフルにオーケストラを鳴らす指揮者でした。 オーケストラコンサートだけでなく、オペラ指揮者としても非凡な才能を発揮してプッチーニ、ヴェルデイなどのイタリアオペラ、ベートーベン、ワーグナー、R.シュトラウスなどのドイツ・オーストリアのオペラなどを数多く上演、録音を行なっています。



私が大学生時代にワーグナー音楽に心酔するようになったのもこの録音でした。

それにミサ曲、オラトリオなどの教会音楽などにも素晴らしい演奏があり、ヴェルデイの「レクイエム」などの名演奏を遺してくれています。

1912年の今日(10月12日)、ショルティはハンガリーで生まれています。

今日は彼の誕生日に因んで、名演の一つであるドボルザークの交響曲第9番「新世界より」を紹介しておきます。

いかにもショルテイらしい、明晰でダイナミックな音楽表現と、切り込み鋭く、パワフルなシカゴ交響楽団との演奏で、素晴らしい録音がいっそうの迫力を添えており、テインパニーを叩く音などは怖さを覚えるほどの迫力で迫ってくる超優秀録音盤です。

愛聴盤

UCCD5018 1981年録音 10/21
(DECCA原盤 ユニヴァーサル・ミュージック UCCD5018 1981年1月シカゴ録音)

その他ショルティ指揮の愛聴盤

(1) バルトーク 管弦楽のための協奏曲 シカゴ響 

4757711 1981年、1989年録音 10/21
(DECCAレーベル 4757711 1981年、89年録音 海外盤)

「弦・打楽器・チェレスタのための音楽」がカップリングされています。



43329 1970年録音 
(LONDONレーベル 43329 1970年録音 海外盤)

(3) ワーグナー オペラ「ローエングリン」全曲

ドミンゴ、ジェシー・ノーマン、ディースカウなどを揃えて、ウイーンフィルの美音を引き出した見事なオペラ演奏・超優秀録音盤です。

UCCD3155 1985-6年録音 10/21
(DECCA原盤 ユニヴァーサル・ミュージック UCCD3155 1985-6年 録音)

(4) ヴェルディ オペラ「仮面舞踏会」

TDBA0092 1990年ザルツブルグ収録 10/21


カラヤンが振る予定だった演目で、ドミンゴ、ヌッチ、スミ・ジョーなどの名歌手を揃えたすぐれたライブ映像です。 私はNHKで放映されたこれと同じ映像をVHSに録画しており、それを楽しんでいます。 ハイビジョンで収録されているため画質はとても美しいものに仕上がっています。

(5) ヴェルディ オペラ「椿姫」

UCBD9003 1994年ロンドン収録 10/21
(DECCA原盤 ユニヴァーサル・ミュージック UCDB9003 1994年ロンドン公演ライブ)

ソプラノのゲオルギューの衝撃のイギリス・デビューを飾った名舞台ライブです。

(6) ワーグナー 「ニーベルングの指環」管弦楽作品

ウイーンフィルとの歴史的ステレオ録音から20年以上たって再録音した4部作の聴き所のオーケストラワークで、DECCA特有のピラミッド型優秀録音で、迫力のあるワーグナー音楽を楽しめます。

UCCD5031 1982年録音 10/21
(DECCA原盤 ユニヴァーサル・ミュージック UCCD5031 1982年録音)

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今日の音楽カレンダー

1858年 初演 オッフェンバック オペレッタ「天国と地獄」
1912年 誕生 ゲオルグ・ショルティ(指揮者)

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ともの『 今日の一花 』     彼岸花(白花)

静岡・島田市の大代川土手に咲いていました。 もうこの花の時期も終わったかと思っていましたが、意外とまだ咲いているのですね。


10/21撮影地 静岡・島田市大代川 2006年10月15日






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最終更新日  2006年10月21日 00時54分23秒
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Re:サー・ゲオルグ・ショルティ/彼岸花(白花)(10/21)  
たけぽ2001  さん
ショルティは私も好きな指揮者の一人です。
手許にモーツァルトの40番/41番がありました。
ディスクの傷みが目立ってきたので、CD-Rにバックアップしたばかりです。
しばらく聴いてなかったのですが、久しぶりに聴きたくなりました。
白のリコリスもいいですね。赤のような、ちょっと毒々しいところがなく優美です。
(2006年10月21日 01時47分43秒)

たけぽ2001さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
たけぽ2001さん
>ショルティは私も好きな指揮者の一人です。
>手許にモーツァルトの40番/41番がありました。
>ディスクの傷みが目立ってきたので、CD-Rにバックアップしたばかりです。
>しばらく聴いてなかったのですが、久しぶりに聴きたくなりました。


私はショルティの演奏するモーツアルトは聴いたことがありません。 図書館で探してみます。 楽しみですね。 きっとテンポの速い、推進力のある演奏だろうと想像はしていますが。 キビキビとしたいい演奏だと思います。

>白のリコリスもいいですね。赤のような、ちょっと毒々しいところがなく優美です。
-----

このリコリスが群生で咲いているのと赤い彼岸花の群生とを比べますと、やはり毒々しさはあっても「赤」に魅かれてしまいますね。 田圃のイネの緑などといいコントラストになるからでしょうね。


(2006年10月21日 19時44分17秒)

Re:サー・ゲオルグ・ショルティ/彼岸花(白花)(10/21)  
会長0804  さん
ショルティのワーグナーは気宇壮大、豪快な音響に圧倒されましたが、なぜか彼のマーラーは好きになれません。早くから全集を作った指揮者として尊敬はしているのですが、どうにもあっけらかんとしているというか明るすぎるというか・・・私にとっては評価の定まらない指揮者の一人ですね。 (2006年10月24日 00時41分42秒)

Re[1]:サー・ゲオルグ・ショルティ/彼岸花(白花)(10/21)  
とも4768  さん
会長0804さん
>ショルティのワーグナーは気宇壮大、豪快な音響に圧倒されましたが、なぜか彼のマーラーは好きになれません。早くから全集を作った指揮者として尊敬はしているのですが、どうにもあっけらかんとしているというか明るすぎるというか・・・私にとっては評価の定まらない指揮者の一人ですね。
-----

この人は非常に個性の強い指揮ぶりですね。 芯にしかりとした、パワフルで細部のテクスチュアにはそれほどこだわりを配らない指揮者なのでしょうか? マーラーでは3番と5番が好きな演奏ですが、バーンスタイン、インバル、クーベリックなどに較べると情念が少し薄く感じられます。

美しい演奏には間違いないのですが、あっさりとした印象の演奏に聴こえるのでしょうか?

上記紹介盤でブルックナーの第5ではなくて、マーラーでした。 訂正しておきます。

(2006年10月24日 00時54分35秒)

Re[2]:サー・ゲオルグ・ショルティ/彼岸花(白花)(10/21)  
会長0804  さん
とも4768さん
>会長0804さん
>>ショルティのワーグナーは気宇壮大、豪快な音響に圧倒されましたが、なぜか彼のマーラーは好きになれません。早くから全集を作った指揮者として尊敬はしているのですが、どうにもあっけらかんとしているというか明るすぎるというか・・・私にとっては評価の定まらない指揮者の一人ですね。
>-----

>この人は非常に個性の強い指揮ぶりですね。 芯にしかりとした、パワフルで細部のテクスチュアにはそれほどこだわりを配らない指揮者なのでしょうか? マーラーでは3番と5番が好きな演奏ですが、バーンスタイン、インバル、クーベリックなどに較べると情念が少し薄く感じられます。

>美しい演奏には間違いないのですが、あっさりとした印象の演奏に聴こえるのでしょうか?

>上記紹介盤でブルックナーの第5ではなくて、マーラーでした。 訂正しておきます。
-----
 仰るとおりだと思います。
マーラーの音楽は非常に細かいテクスチュアの積み重ねだと信じる自分にとっては、ショルティの指揮は豪快ではあるものの少々食い足りなく感じられるようです。しかしあの「ニーベルングの指環」管弦楽曲集の迫力は忘れることは出来ません。今持って並ぶ者のない不滅の名演ですね。  (2006年10月24日 04時43分37秒)

会長0804さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
会長0804さん
> 仰るとおりだと思います。
>マーラーの音楽は非常に細かいテクスチュアの積み重ねだと信じる自分にとっては、ショルティの指揮は豪快ではあるものの少々食い足りなく感じられるようです。しかしあの「ニーベルングの指環」管弦楽曲集の迫力は忘れることは出来ません。今持って並ぶ者のない不滅の名演ですね。 
-----

マーラー音楽の演奏は指揮者によってどれも変わってしまう一つの典型のような作品だと思います。自分の好みが確立してしまえば、それが一番好きな、あるいは極端な言い方をすれば「不滅」の演奏となるかもしれませんが、私はどの作曲家のどの作品の演奏に対しても柔軟に聴けるようになってからは、いい演奏であればそれを楽しむようになりました。ショルティの場合でも、マーラーの3番と5番はスコアが透けて見えるような、それでいて豪快、パワフルな演奏は彼でないと表現できない貴重な演奏だと感じています。

(2006年10月24日 07時37分20秒)

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