プレリュード

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2007年06月09日
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カテゴリ: クラシック音楽
毎日リンクしていただいている方々のページを訪問させていただいておりましたが、ここのところ体調が良くありませんので、体調が良くなるまでは日記の更新とコメントをいただきました方々への返信だけにさせていただきます。 悪しからずご了承下さい。 体調良くなれば以前のように訪問させていただきます。

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今日のクラシック音楽 』  ベートーベン作曲 交響曲第6番へ長調 「田園」

クラシック音楽を長年聴き続けていますと「超有名曲」と呼ばれている作品が、だんだんと遠くに押しやって未知の音楽に触れたいと願うようになっていきます。 私の場合もそうで、交響曲ではベートーベンの「英雄」・「運命」・「田園」・「合唱付き」など、シューベルトでは「未完成」、チャイコフスキーでは「悲愴」、ドヴォルザークでは「新世界より」、モーツアルトの後期3大交響曲などが挙げられます。

今日は今までに採り上げていなかったベートーベン(1770-1827)の交響曲第6番ヘ長調 作品68 「田園」を採り上げてみました。 この作品を最後に聴いたのがいつだったか忘れてしまうほどに記憶が薄れてしまっています。

ベートーベンは散歩が好きで、ウイーン郊外の田舎を歩き、自然を楽しむ作曲家であったようです。 彼の日課は空が明けてくると起きて午後2時まで作曲に没頭して、そのあとに散歩を楽しんでいたようです。 ご承知のようにベートーベンは作曲家にとって致命症の「難聴」という厄介な病気を背負っており、26歳(1796年)頃から「難聴」が始まったと言われています。 

この「田園」は有名な第5番「運命」と共に同時期の1807年~1808年にかけて作曲されており、初演は1808年12月22日に「運命」と共にウイーンで初演されています。 ベートーベン35~6歳の作品で、その時にはかなり「難聴」が進んでいた頃です。

そんなベートーベンが耳の患いという病気を忘れさせてくれたのが、ウイーン郊外の田舎の風情と自然の美しさであったのかも知れません。 彼の遺書で有名なハイリゲンシュタットで書かれており、この曲には自然の美しさが滔々と語られており、ベートーベンの自然への愛、ひいてはその自然を創り給うた「神」への感謝を込めた音楽となっています。



第1楽章 「田舎に到着して晴れ晴れとした気分がよみがえる」

晴朗で親しみやすいメロディーが、田舎での楽しい生活が描かれています。

第2楽章 「小川のほとりの情景」

流麗なメロディーで小川のほとりの情景が表現されており、曲の終結部で、ナイチンゲールやカッコウの鳴き声が描写されています。

第3楽章 「農民達の楽しい集い」

刈り入れが終わったあとの収穫を祝う、楽しく素朴な農民の踊りを表したスケルツォで描かれています。 

第4楽章 「雷雨、嵐」

この楽章のみティンパニ、トロンボーン、ピッコロが加わり、すさまじい雷雨の様子を描写しています。 ロッシーニの序曲「ウイリアム・テル」の中の「嵐の場面」と比較されるほどに「嵐」を描写した素晴らしい音楽です。

第5楽章 「牧人の歌?嵐の後の喜ばしく感謝に満ちた気分」

雨が上がり、陽が差し、感謝の歌が歌い上げられています。 終楽章にはAllegroのテンポを取るベートーヴェンですが、この曲ではAllegrettoという中庸のテンポを採用しており、穏やかな印象を与えて感動的に曲が閉じられています。

散歩好きなベートーベンに面白いエピソードがあります。 ひと晩留置場に留め置かれたのです。 その日の午後の散歩では薄汚れた上着を羽織って、散歩には常に着用する帽子をかぶらずに出かけました。  この「田園」の初演17年後の夏のことです。 彼は散歩でも新しい楽想、曲想が湧いてくると大きな声でそれを唸る習慣がありました。 その日もそうした習慣に身を置いていたのでしょう、気がつくと日はとっぷりと暮れていました。 しかも自分の居場所もわからなくなっていました。



知人の証言でやっとベートーベンとわかりあくる朝釈放されたそうです。

この曲を聴くといつもこの愉快なエピソードを思い出しています。

愛聴盤

(1) ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団

SRCR9966 1959年1月録音
(ソニークラシカル SRCR9966 1959年1月録音)



(2) カール・ベーム指揮 ウイーンフィルハーモニー管弦楽団

ALT026 1977年3月2日東京ライブ
(ALTUS レーベル ALT0026 1977年3月東京ライブ録音)

ドイツ音楽の造形美がウイーンフィルという名器によって奏でられている演奏。カップリングは「運命」

(3) エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮 レニングラードフィルハーモニー

ALT063 1979年5月東京ライブ
(ALTUSレーベル ALT063 1979年5月東京ライブ)

贅肉を削ぎ落としたようなスリムな表現がこの曲の持つ「静」の世界を描き出したムラヴィンスキーの名演。 カップリングはワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」から「前奏曲と愛の死」、「ワルキューレ」から「ワルキューレの騎行」

(4) ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮 ウイーンフィルハーモニー

UCCD7012 1967年録音
(DECCA原盤 UCCD7012 1967年録音 ユニヴァーサル・ミュージック)

ウイーンフィルの美質を最大限に引き出した柔らかい音が魅力の演奏。 カップリングは「運命」。 ウイーンフィル初めてのステレオ録音。 価格は1,000円。

(5) ベルナルト・ハインティンク指揮 アムステルダム・コンセルトヘボー管弦楽団

UCCD7015 1986年4月録音
(Phlips原盤 ユニヴァーサル・ミュージック UCCD7015 1986年4月録音)

最も普遍的な名演奏と呼べるテンポも中庸で、美しい旋律がコンセルトヘボー菅の魅力的な弦楽器によって奏でらています。 1,000円盤。 カップリングは「運命」。 初めて「運命」「田園」を聴く人にお薦めのディスク。

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今日の音楽カレンダー

1860年 初演 シューマン チェロ協奏曲
1865年 誕生 カール・ニールセン(作曲家)
1902年 初演 マーラー 交響曲第3番

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ともの『 今日の一花 』      アガパンサス



昨日の画像は蕾ばかりの開花前でしたが、今日は開花したアガパンサスの画像です。




6/09撮影地 大阪府和泉市





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最終更新日  2007年06月09日 02時20分45秒
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