アラウの盤とベルマンのイタリアライヴ’76で聴いています。
エレガントなアラウとエネルギッシュなベルマンという風な感じでしょうか。

あと、ベルマンのイタリアライヴの1曲目、
ラフマニノフの『Six Momements Musicaux』が
今まで聴いたものの中でも最高の音をしているような気がしています。とても綺麗で感激しています。 (2007年06月26日 21時25分43秒)

プレリュード

プレリュード

2007年06月26日
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カテゴリ: クラシック音楽
今日のクラシック音楽 』 リスト作曲 「超絶技巧練習曲」

フランツ・リスト(1811-1886)はその生涯で約600曲のピアノ音楽を書き残したと言われています。彼自身が非常にピアノ演奏が巧く、演奏会でもヨーロッパ各地を巡ってその卓越した技巧を披露していました。
リストは自作のピアノ音楽にとどまらず、大作曲家が発表した作品の編曲も行なっています。例えばベートーベンの9曲の交響曲を演奏会で弾けるようにピアノ版への編曲を行なっています。

こういう楽器演奏に長じた技巧の持ち主は自己の演奏技巧を披露するために演奏する上で非常に難しい曲を書くようになるんですね。 その例としてパガニーニやサラサーテ、現代ではクライスラーなどのヴァイオリンが挙げられます。

リストもそうした技巧派演奏家の常として、ピアノ音楽として発表したのがこの「超絶技巧練習曲」(全12曲)です。

この曲の下地はすでに15歳の時に始まっていたそうです。つまり1826年、リスト15歳で12曲の練習曲を書いており、その後1837年、26歳の時にそれら12曲を書き直しているそうです。最終的に完成して出版されたのが1851年、リスト40歳の時ですから、15年間もの間この曲は推敲に推敲を重ねてきて完成された曲ということになります。その15年間で作曲の技法などの技術向上もあり、何度も書き直しをしていたのでしょう。

またこの15年間で彼自身の生活環境も変わっていった事実も、曲への影響もあるかもしれません。彼自身、コンサート・ピアニストとしてのヨーロッパ各地への演奏会ツアーの生活の傍ら、ピアノ曲の作曲をおこなっていたのが、ドイツ・ワイマールに定住してワイマール宮廷楽団長として迎えられ、オーケストラ作品などの作曲が落ち着いた環境で出来るようになったという、生活環境の変化も影響して、この12曲のピアノ曲をじっくりと書き直していったのかも知れません。

曲の名前の通り、非常に高度な技巧が要求されるピアノ曲ですが、目も覚めるような素晴らしいピアノ演奏技巧の楽しめる曲です。


第2番  イ短調 スタッカートの目立つ奇想曲風な音楽です
第3番 「風景」 牧歌的な、詩情豊かな音楽です
第4番 「マゼッパ」 彼の交響詩「マゼッパ」主題による変奏曲
第5番 「鬼火」 何やら空想的な趣のある超絶技巧の難曲です。
第6番 「幻影」 段々と華やかさ、テンポが速くなっていく曲です。
第7番 「英雄」 行進曲のような曲想の音楽です。
第8番 「狩」  荒々しさや不気味さが混じった音楽です。
第9番 「回想」 メランコリックな楽想です。
第10番 ヘ短調 2つの主題によって劇的に進行していきます。
第11番 「夕べの調べ」 抒情的な、美しい曲で、教会の鐘の音を表現しています。
第12番 「雪嵐」 幻想的な吹雪の様子を描いた音楽です。




CD87315
(SONY CLASSICAL CD87315 2002年8月録音 輸入盤)

(追記)
長い間ラザール・ベルマンのピアノ演奏でこの曲を聴いていましたが、わずか20歳でドイツ・ソニーと契約してデビュー録音がこの「超絶技巧練習曲」とは。小菅 優はピアノを豊かに鳴らし、とてもスケールの大きな音楽を紡ぎ出しています。豊穣で流麗なメロディー、弱音から強靭な音まで崩れることなく多彩な音色で、この難曲を弾きこなしているのに驚きます。 素晴らしい、今年25歳の逸材でこれからの録音が楽しみです。

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今日の音楽カレンダー

1870年 初演 ワーグナー 楽劇「ワルキューレ」
1933年 誕生 クラウディオ・アバド(指揮者)

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ともの『 今日の一花 』           水カンナ

水中に植わっている花でなかなかお目にかかれない花の一つです。 この画像は蓮の大きな葉に花びらを落としながら散っていこうとする花です。

7/06撮影地 大阪府和泉市 黒鳥山公園 2006年6月30日

くずうこん科 タリア属

水中に生えており、夏になると紫色の花が咲きます。
ほとんど見かけることのない花です。

葉がカンナに似ているところから命名されているようです。





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最終更新日  2007年06月26日 00時04分44秒
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Re:リスト 超絶技巧練習曲/水カンナ(06/26)  
ネネ4780  さん
おはようございます・・・

>目も覚めるような素晴らしいピアノ演奏技巧の楽しめる曲です。

私も聴いてみたいです!!
小菅 優さん、まだ25歳だなんてすごいですね・・・

水カンナ、初めて見ました
散る花を大きな手で受け止めているようですね
見ていると深い愛を感じるのは、やはり蓮の力でしょうか? (2007年06月26日 08時07分44秒)

Re:リスト 超絶技巧練習曲/水カンナ(06/26)  
lemon☆lime  さん
>15年間もの間この曲は推敲に推敲を重ねてきて完成された曲ということになります。

とても長い年月ですね。
思いがいっぱい込められているのかも・・・

それにしても、
>ほとんど見かけることのない花です。

そんな花を撮影することが出来るなんて、とってもラッキーな感じですね☆
これを見た私もよいことがあるかなぁ♪
(2007年06月26日 20時23分56秒)

Re:リスト 超絶技巧練習曲/水カンナ(06/26)  
リストはなぜかCDもないので、今度、この超絶技巧を買って聞いてみようと思います^^)
日記にでてるCDのピアニストさんは、20でプロ。すごいですね (2007年06月26日 21時04分45秒)

Re;リスト 超絶技巧練習曲  
ruzeru125  さん

Re:リスト 超絶技巧練習曲  
ピア2753  さん
上手な演奏を聴きますと自分も弾けるような気になるのですが現実は・・・大変苦労しております。
CDは数種類あり、頻繁に聴いていますがとりあげて気に入っている盤はないというのが正直なところです。
小菅さんは世界で通用する演奏家になっていく人と思います。 (2007年06月27日 16時13分36秒)

Re:リスト 超絶技巧練習曲/水カンナ(06/26)  
紀 健幸  さん
 初めての花です。 (2007年06月27日 20時28分44秒)

ネネ4780さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
ネネ4780さん
>おはようございます・・・

>>目も覚めるような素晴らしいピアノ演奏技巧の楽しめる曲です。

>私も聴いてみたいです!!
>小菅 優さん、まだ25歳だなんてすごいですね・・・


すでにニューヨーク・カーネギーホールでのデビューも果たしてそれも発売されています。 それも聴いていますが、すばらしいできばえの演奏です。国際的に活躍する大ピアニストの道を歩む人でしょう。
>水カンナ、初めて見ました
>散る花を大きな手で受け止めているようですね
>見ていると深い愛を感じるのは、やはり蓮の力でしょうか?
-----

蓮の群生に混ざって咲いていました。 ちょうど水カンナが蓮の葉にもたれるように咲いているのが印象的でした。

(2007年06月28日 09時35分09秒)

lemon☆limeさん、ありがとうございます  
とも4768  さん
lemon☆limeさん
>>15年間もの間この曲は推敲に推敲を重ねてきて完成された曲ということになります。

>とても長い年月ですね。
>思いがいっぱい込められているのかも・・・

そうですね。相当の思いが込められているのでしょうね。

>それにしても、
>>ほとんど見かけることのない花です。

>そんな花を撮影することが出来るなんて、とってもラッキーな感じですね☆
>これを見た私もよいことがあるかなぁ♪
-----

私もこの花はこの公園でしか見かけていません。 珍しい花ですね。


(2007年06月28日 09時37分52秒)

きよりん0518さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
きよりん0518さん
>リストはなぜかCDもないので、今度、この超絶技巧を買って聞いてみようと思います^^)
>日記にでてるCDのピアニストさんは、20でプロ。すごいですね
-----

どれも短い曲ですから好きなナンバーを選んで聴けます。 是非聴いてください。


(2007年06月28日 09時40分07秒)

ruzeru125さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
ruzeru125さん
>アラウの盤とベルマンのイタリアライヴ’76で聴いています。
>エレガントなアラウとエネルギッシュなベルマンという風な感じでしょうか。


いいえ、そういうピアノではなくてとても理知的な感じのする音感です。 やはり60年代、70年代の演奏家が持っていたような「何か」を探すのは今の演奏家には無理かも知れません。

>あと、ベルマンのイタリアライヴの1曲目、
>ラフマニノフの『Six Momements Musicaux』が
>今まで聴いたものの中でも最高の音をしているような気がしています。とても綺麗で感激しています。
-----

探してみましょう。 聴きたいですね。


(2007年06月28日 09時43分40秒)

ピア2753さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
ピア2753さん
>上手な演奏を聴きますと自分も弾けるような気になるのですが現実は・・・大変苦労しております。
>CDは数種類あり、頻繁に聴いていますがとりあげて気に入っている盤はないというのが正直なところです。


わかります。 私にもそういう曲があります。 何枚も持っているのは、その証だと思います。

>小菅さんは世界で通用する演奏家になっていく人と思います。
-----

すでにカーネギー・ホール デビューされていて、その演奏もCDとなっていて素晴らしいピアノを聴かせてくれます。 いいピアニストに成長されると思います。


(2007年06月28日 09時48分15秒)

紀 健幸さん、ありがとうございます  
とも4768  さん
紀 健幸さん
> 初めての花です。
-----

この花は園芸種としてはあまり見かけませんね。 私もこの公園で初めて観ました。

(2007年06月28日 15時57分16秒)

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