わん・ワン・わん(シーズーとパグ+ボルゾイの不思議な暮らし)

わん・ワン・わん(シーズーとパグ+ボルゾイの不思議な暮らし)

ゴエモンの部屋


 だって、俺が生まれたところでは、青森じゃないけど、あまり満足にご飯も食べさせてもらえなかったし、散歩だって連れて行ってもらってなかったんだぜ。おかげで、ここに来たときは、乳歯が黄色で、獣医さんから生まれてから3ヶ月くらいまでの間、栄養不足が続いたんじゃないかって言われたんだ。
 おまけに、狂犬病の予防注射したら次の日から2・3日後ろ足が立てなくて、お母さんたちが、とってもびっくりして病院に行って、レントゲン撮ったりしたけど、骨には、異常がなかったんだ。オレだって、立てなくなったときには、びっくりしたぜ。でも数日したらちゃんと歩けるようになったんだ。
 でも、お母さんは、どうしてこうなったのかがどうしても知りたくて、オレが来たところに電話したんだ。そのときにはじめて、オレが今までどんな暮らしをしてきたかを聞かされたらしい。とっても驚いていた。

ゴエモン
どうだ。なかなかいい顔してるだろう。(飼い主の欲目)オレは、3ヶ月くらいまで小さなゲージの中だけで暮らしてきたんだ。もちろんえさも十分にもらえなかったし、当然散歩なんて行ったことなかったんだ。ただひたすらジーッとゲージの中だけで暮らしていたんだ。だからオレは、人間なんて大嫌いだったんだ。信用なんてできない。ゲージの中から助けられて行ったのが、青森なんだ。そこでは、ちゃんと病院にも連れて行ってくれたし、えさもちゃんともらえたんだ。でも、ほかにたくさんのワンたちが一緒だったんで、オレとしてはえさをとられたくなくって、独り占めしようとしてよく怒られたもんだ。でもオレとしては、ずっと食べられないことが続いたんで、ある時にはえさを誰にも渡したくなかったんだ。だって今度いつまたもらえるかわからないんだから。
 その後、ここにやってきたわけだ。青森から実に6時間かけてやってきたんだ。最初は、また訳のわからないところに連れて行かれるかと思って、とても怖かったんだ。全く知らないところだたし、またえさをもらえないかと思って・・・・家に着いても怖くて怖くて隅っこの方に隠れていたんだ。だって何されるかわからなかったから・・・お母さんたちは、オレが普通の子犬とは違うことにすぐ気がついたんだ。何しろ子犬らしくなかったからなあ。元気にはしゃぎ回るわけでもなく、オドオドとした目で見つめてたしなあ。何しろアイコンタクトなるものがオレには、どうしてもできなかったんだ。今でもあまり得意ではないけど・・・お母さんだったら少しだけ見ていられるけど、お父さんは怖くてダメ・・・
 でも、ちゃんとえさもくれるし、散歩にも連れて行ってもらえるし少しは前よりかはましかなあなんて思ったけど、まだ信用なんてできない。

でも、もう俺もここに来て2年になるからなあ。九州の気候にすっかりなれてしまって、寒いのが苦手になってきたんだ。今年の冬は、ヒーターの前に陣取ってほかの奴らには使わせなかったんだぜ!
 とにかく寒くても散歩は嫌だし、暑くてはもっといや。何たって歩くの大嫌い!

 おれは、何故か男の人しかもある共通した特徴があるらしいんだが、その人を見ると無性に腹が立っていつも吠えまくりたくなるんだ。不思議なんだ。時には、噛みつきたくなるときだってあるんだぜ。やっぱり、突然目の前に出てこられたり、オレんちの玄関を勝手に知らないやつが開けようものなら、怖くて腹が立ってどうしても噛みつきたくなる衝動に駆られてしまうんだ。オレにもなぜだかわからない。でも、お母さんたちは、きっと虐待していた人に似てるんだよっていってるけど・・・


元気だったゴエモンは、2006年10月17日に虹の橋へいってしまいました。わずか4年半の生涯でした。この子が幸せだったか・・・・私には計り知れません。ただ、この年齢で死因が「老衰」なんてかわいそう過ぎます。

獣医さんは、原因ははっきりわからないがやはり小さいときに受けた虐待が何らかの影響を及ぼしただろうといっていました。

何しろ年齢が若かった分、全身の老化の進行が早く、先生に老化だといわれてわずか半年でいってしまいました。10月のはじめには、もってあと2,3週間だよとはいわれていたのですが、とても食欲もあり、家の中を歩き回っていたので「まさか」という気持ちでいっぱいでしたが・・・・

現実は・・・その間もゴエモンの体の中では確実に老化が進んでいたんです。

そして・・・・

10月16日の朝から少しずつ具合が悪くなり・・・・
朝はちゃんと歩いてデッキをうろうろしてたんですが、夕方には起きあがれなくなり、食事もできませんでした。

そしてまったく動けなくなってしまい、17日の早朝、眠ったままのじょうたいで・・・・いってしまいました。

ゴエモンは、きっとまた朝が来て・・・と思っていたんでしょう。とても安らかな顔をしていました。

今頃はチェリーと一緒に、きっと元気に走り回っていることでしょう。




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