占星術オフィス アルクトゥルス

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12システムと13システム


12システムと13システム



動物は1日12のリズムで動く時計と、1年13ヵ月で動く暦を持っている。
12のリズムとは月が1日に12度黄道を移動することを意味し、
12ヵ月とは地球のまわりを月が13回回ることを意味している。
つまり、地球に対する月のリズムが生物的な時計と暦の基準になっているのだ。

12という数はある種の閉鎖性とつながっており、
動物でいうとこれは本能的なプログラムに縛られた状態を意味する。

一方の13は野生のダイナミックな力であり、
動物の持つ途方もない生命力はそこに由来する。
12という閉鎖された時空に13で通気口を開けることで
個体を超えた、自然界の荒ぶる力につながっているのだ。

十牛図でいえば、牛が13であり、綱が12だといってもいい。
タロットでは綱で吊られた男(12)を、死神(13)の鎌が切ろうと
していると考えてもいいだろう。

では、人間ではどうか。

人間の場合、1日12のリズムで動く時計と1日25時間の12.5のリズムで動く時計が併存していることはよく知られている。この併存が混乱の原因となっていることはいうまでもない。朝起きて夜寝るといった単純なことに努力が必要な理由はここにあるが、これは夜起きている自由の獲得と言い換えることもでき る。

この12.5リズムを13へ向かうものとして、13リズムと考えてもいいだろう。

では、このような体内時計の併存がどうして必要なのか?

動物における12システムと13システムの併存が、長期スパン方向への12的限界性の突破のために用意されたものだとすると、人間の概日リズムでのその併存は、短期スパン方向への12的限界の突破のためのものであり、人間特有の併存であることを考えるなら、それは高次の精神性を成長させる可能性のために設 けられたものであろう。

精神性を上、物質性を下とするなら、1年13ヵ月のリズムは下への突破口で、1日の13リズムは上への突破口だ。

いわゆるクリエイティブ職や知的職業の人々が9-5時的に働かないのはそのことと無関係ではない。最先端のカルチャーが深夜に生まれるというのも同様だ。既存のものを打ち破るものは、9-5時労働的なところからは決して生まれない。

ところが、社会の安定のためには13システムが跋扈しすぎるのも具合が悪い。そこで、1日24時間、1年12ヵ月のグレゴリオ暦が登場する。それは、上へも下へも突破させない完全隔離システムだが、自我を育て、自我を煮詰まらせるという現在の人類の進化段階においては非常によく機能する。

ただし、閉じることと開くことはどちらも必要。
複数のリズムを自在に使い分けるというのが未来的な人類のあり方ではないか。

(c)神谷充彦


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