占星術オフィス アルクトゥルス

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かに座11~15度


かに座11~15度



●かに座11度
道化が有名人を風刺する

かに座というと「庶民的」「情感ゆたか」「母性的」といったイメージが強いのだが、それはあくまでも表面的な表れ方であり、その内部を細かく解析していくと、人間存在の根底へ向かおうとする性質が色濃い。このかに座の第3グループ(11~15度)では、3の法則に立脚した立体的な視点から人間存在の真実を つかもうとする姿勢が顕著になる。その最初の度数である11度では、まず、自らの条件づけられた心を自由に解放するために、自分自身を笑い、世の中で価値 があるとされているものや、自分が尊敬するような存在を笑い飛ばす。

これは混沌魔術の「哄笑」を思わせる度数だ。風刺の効いた笑いはスーフィズムや禅といった世界ででは一つの手段として用いられてきた。無明庵EOも「笑い」が道になりうることを示唆している。


●かに座12度
中国人女性が、偉大なる教師の生まれ変わりであることを示すオーラを放つ、赤ん坊をあやしている

ダライラマ等の転生霊童を思わせるサビアンシンボル。11度と対になって既存の価値感から人の心を解放するのがこの度数。11度では偉大な存在の価値が笑い飛ばされ、この12度では偉大な存在が赤ん坊という“弱き者”に宿っていることを知る。姿形にとらわれずに本質を見い出すことを学ぶ。平凡だと思っていた自分の意外な才能を発見する。


●かに座13度
研究のために差し出された、親指のきわだった手

11~12度で観念から自由になった精神は、この度数において研究者のような客観的な視点を獲得する。しかし、それは世間一般の常識に対する挑戦でもある。親指は意志力の象徴であり、その意志力は客観的な姿勢を決して曲げないために用いられる。この度数を持つ人物には強い意志力で物事に取り組む姿勢がある。このあたりの度数はますます、かに座的な世界から離れていくように思える。


●かに座14度
老人が、広大な暗やみの空間に直面し、北東の方向を見ている

探求は存在の根底にある空や無といった領域に向けられる。空や無は現象的には「死」としてあらわれるものなので、世間的には禍々しいもの、として扱われる。イザナミのいる「黄泉の国」を見つめるスサノオの視線。北東=鬼門とされているが、この方位は異界へと通じるゲートでもある。この度数の持ち主には浮世離れした人が多い。


●かに座15度
贅沢なダイニングホールで、客たちが大宴会のあと、リラックスしている

14度が「無」へ向かうベクトルだとすると、ここではそこから180度振り戻す形で「有」を指向する。物質的豊かさ、存在の充足、生きることの喜び。マトリックスの映画でいえば、14度は真実としてのマトリックス(電子情報の流れ)へ向かい、15度は実感のある世界としてのマトリックスの中へ入るということ。松村氏の理論では各サインの15度は「危険度数」とされ、対向のサイン(この場合やぎ座)の性質が流入してくるポイントだという。その意味では、情感の世界に現実的な生産性を求めるような度数だといえる。ブランドビジネスなどには向いているのではないだろうか。


(c)神谷充彦




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