かに座16～20度
かに座16～20度
●かに座１６度
男がとても古い書物を頼りに、自分の前にあるマンダラを研究している
マンダラとはひとまとまりの事象を構造化してとらえる手段のこと。古い書物とは普遍的な法則性を意味している。１１度からの真理探究の流れは１４度で無に達し、１５度で有に振り戻された。この度数を持つ人は自分の心理や森羅万象を構造的にとらえることで、個と全体の関係性を調整しようとしている。数の意味でいえば、１６は「２回目に出る、足して７になる数」なので、「法則性を固定化」する度数であるともいえる。
●かに座１７度
ひとつの胚種から多彩なレベルへと展開する潜在的な可能性があらわになる
種がいったん発芽すると急速な勢いで成長していくが、それと同じように、次々と可能性が開花していく様子。プログレスでこの度数にきた時にはいろいろなことにチャレンジするといい。１７度は「２回目に出る、足して８になる数」なので、「内的な生産性」の度数でもある。
なお、１６度～２０度のグループのテーマは「展開」。これは４つめのグループなので痛みを伴うプロセスとなる。
●かに座１８度
雌鳥が雛の餌を探して土をほじくっている
１７度が「２回目に出る、足して８になる数」で、前進あるのみという感じであれば、こちらは「２回目に出る、足して９になる数」なので、多方面から求心的に物事を引き寄せていく感じになる。柔軟にかき集めて保存する、という感じか。実際的な生活がうまく運営されていくように努力をしているようす。ただし、１６度でマンダラを手にしているので、自己の統合を崩すような努力はできない。つまり、自分がやりたくないことはなかなかできないはずだ。ちなみに、「土」は実際性の象徴であり、社会ではお金にも相当する。「好きな仕事でお金を稼ぐ」ことがこの度数の人にとって大きなテーマとなる。
●かに座１９度
結婚の儀式を執り行う司祭
陰陽を越える第３の視点＝司祭。司祭によって宗教的な意味づけがなされることで、この結婚は「オスとメスが単にツガイとなっただけ」･･･ということでは ない聖別されたものとなる。１９は「３回目に出る、足して１になる数」であり、自他の調和のとれた宣言が行われる場所でもある。タロットでは１８が月で、 １９が太陽。月を私生活、太陽を公的生活とみると、私生活の維持にからめとられそうになるところを、この度数で踏みとどまって、自らの生きがいや人生観、人生目標といったものを再確認して宣言するという位置づけになるだろうか。松村氏はこの度数を、ハレの日に活躍する職種と関連づけており、一例として聖職者やテキヤを挙げている。テキヤはどちらかというと下意識との接触を連想させるが、どちらにしても非日常との接点となる人々ではある。
●かに座２０度
ヴェニスのゴンドラ乗りが、セレナーデを歌う
松村氏が言うところの「最強度数」が２０度。痛みのあるプロセスを乗り越えてそのサインの性質が結晶化する地点だ。水は情感の象徴で、セレナーデは社会が共有する情感だ。人々が共有する情感に身をひたすことに心地よさを感じるという点で、この度数はまさにかに座的。というよりも、ここにきてようやくかに座らしくなった。
（ｃ）神谷充彦
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