占星術オフィス アルクトゥルス

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かに座26~30度


かに座26~30度




●かに座26度
贅をつくした家の書斎で本を読む来客たち

20度がそのサインの最強度数だとすると、25度は完成度数。26度からの5度グループはもはやそのサインには飽きつつあり、余裕のある姿勢で最終的な調整を図りつつ次のサインを意識し始める。かに座の場合、最後のグループのテーマは「伝統」だが、次のサインを意識して、刷新することを厭わない柔軟性のある伝統ということになる。このサビアンシンボルのイメージは貴族たちが政治や芸術などについて静かに語りあっているような感じだ。その議論は熱を帯びたものではなく、知的遊戯にも近い。だが、単なる思い付きではなく、それぞれが貴重な人脈を介して得た貴重な情報や、高度な知見をクールに戦わせている。この 度数の持ち主には、一種、優雅な文化的探求を行っている人が多いという。また、実際にお金持ちであるケースもある。


●かに座27度
高価な住宅の密集する渓谷に吹く暴風

26度で示された文化的生活はここでは大自然の脅威にさらされている。ここでいう自然とは、自分以外の外界・他者から受ける試練と考えてもいい。社会的な立場を維持するために、ある種の強靭さが求められている度数だ。


●かに座28度
インディアンの女性が、集まった彼女の部族に白人の恋人を紹介する

27度で「暴風」として表現されていた自然の力は、ここでは「インディアンの女性」に姿を変える。自然と調和したプリミティブな生き方と、白人的な合理精 神の融合。この度数は26度と27度との結婚であるともいえる。プリミティブな生き方は知性によって再評価され、尊重すべき伝統として認識される。


●かに座29度
ギリシアのミューズが、新しく生まれた双子を黄金の秤にかけて重さを量っている

28度で融合した、プリミティブで直感的な感性と、合理精神をバランスよく使って実際的な判断を下していくことがこの度数のテーマ。美の女神ミューズは、その判断が真に調和のとれたものであることを意味しているのだろう。この度数を持つ人物が下す決定は他者に納得感を与えるものであり、そのため相談を受けることも多い。伝統的な価値観を対機的に使いこなす能力であるともいえる。


●かに座30度
アメリカ革命の娘

個人が豊かな情感を喚起してくれるものを求めて集合的意識や伝統の中へ飛び込み、そこから豊かな実りを持ち帰るというかに座の流れは、最後の5度グループで伝統に呑み込まれる形で収束する。それはかに座の熟成ともいえるが、個としての生命力の喪失だともいえる。この5度グループはかに座の理想の結晶化であるとともに限界を示すものでもあるのだ。マンデン占星術では国別にサインが割り振られているが、かに座はアメリカ合衆国である。そして、このシンボルが示す「アメリカ革命の娘」もまたアメリカ合衆国を指している(英語では国は女性形)。かに座はともすれば国粋主義的な性質を持つのだが、それが外へ向かうと アメリカ流のグローバリズムとなってくる。ちなみに日本はてんびん座とされているが、古典の國分氏はうお座説を提示している。


(c)神谷充彦




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