梅毒とは,トレポネーマ・パリーズムと呼ばれる病原体によって起こる性病で,性行為により感染する.まれに胎盤を通じて母親より胎児に感染する場合がある(先天性梅毒). 現在行なわれている梅毒血清反応の検査法には,次の二種類がある. (1)牛の心臓からとりだされた脂質(カルジオリピン)を抗原として用いる方法.ガラス板法,緒方法,梅毒凝集法,RPR法の四通りがあり,STS(serologic test for syphilis)と通称されている. (2)病原体トレポネーマ・パリーズムを抗原として用いる方法.TPHAテスト,FTA-ABSテストがある. 通常は,STSの2~3通りと,TPHAテストによって検査が実施されている.