男の羅生門 ‐ Guitar&Bike Life ‐

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Mesa/Boogie Express 5:50 AAAメイプル仕様

​​ギター好きに木が嫌いな人、ましてや杢目嫌いな人は絶対にいないと感じるわけですが、勿論 私も生粋の杢目好き。
2022年12月末、年滅年始の休暇中にふと『 杢目マニア 』の私が定例のネットサーフィンをしていると・・・凄いのを発見してしまいました。

■Mesa/Boogie Express 5:50 AAAメイプル仕様


こんなアンプあったんだ!? ・・・ というのが第一印象。使っているアンプに不満が無かったので検索することも無く過ごしていましたが、たまたま暇潰しに調べてみたら出会ってしまいました。物欲が高い人は影響受けるのでスマホの普及等、便利な世の中も困ったもんです・・・

ということで・・・この杢目。『 嘘だろ 』ってくらいに最高級のメイプルを・・・そりゃ~贅沢過ぎる程に使いまくっております。 どこから見ても眩いばかりの深い杢目がウネウネ動き、素顔のままでケバケバしいソース顔の濃ゆいお顔。とんでもないフェロモンです。『 コレはヤバい!反則でしょ! 』と感じた時には既に購入手続きが終わり、家に届いていたとか、いないとか・・・(写真撮ってますし)

ということで、Mesa/Boogie というメーカーについて少し深堀してみたいと思います。



■Mesa/Boogieとは?

※デジマート記事より画像拝借

Mesa/Boogieはランドール・スミスが1960年後半にはじめた楽器やアンプの修理を請け負う中で​
Fenderの小型アンプに魔改造を施し『 小さなアンプから爆音が出たらどうなるのか 』という遊び心から発祥した。

当時、真空管アンプで歪みを得るためにはボリュームを強制的に上げることでしか得られなかった時代、
ゲインコントロールという回路を生み出し若き日のカルロス・サンタナに絶賛されて今に至ります。

ゲインコントロール(マスターボリューム)を生み出し、強烈に歪むMesa/Boogieは多くのアンプメーカーの今後の在り方に影響を与えた。
尽きることなく改良を重ね、リード/リズムという今では定番となった2チャンネル仕様を世界初で生み出した。

その後、3チャンネルのクリーン/クランチ/リードを開発、フットスイッチでコントロールすることが可能となり世界で絶大的な支持を得ることに成功。
そして今でも名機と言われる『 Dual Rectifier 』を発表し、他の追従を許さない圧倒的なドライブサウンドは今でもハイゲインサウンドの礎と言われています。

1980年代に入ると真空管のクラスA動作とAB動作の高出力でありながらも繊細なタッチや鈴鳴りを得られるという、
双方の良いとこ取りをした独自の作動方式を生み出しMesa/Boogieの特許として今も唯一無二の存在です。

製造工程においても価格帯に限らず全ての工程を職人が手作業で行い、ハンマーでシャーシを何度も叩き波形の乱れが無いかのチェックを行う等、
耐久性の追求等、通常よりも厳格な品質管理を行い最高の状態で出荷するスタイルを今も貫き、信頼性が高く多くのユーザーから称賛されています。
今では『 Marshall 』『 FENDER 』に並ぶ世界的なアンプメーカーとして『 Mesa/Boogie 』は君臨しています。


そんな中、2021年にGibson社がMesa/Boogieを買収し Gibson傘下となりました。
業界内でも激震が走り『 あの厳格を貫いてきたMesa/Boogieが買収された 』『 品質が落ちるのではないか 』等、
厳格な管理の元に生み出される高級アンプというイメージが根強かったMesa/Boogieだけに話題になりました。
品質維持が出来るのかは分かりませんが貫いてほしいなと。個人的には今後はGibsonとの共同開発で素晴らしいアンプを出してくれることに期待です。
一方、買収前の Mesa/Boogie はプレミアムな存在になっていく可能性が大いにありますので、ご検討中の方は早めに手を打った方が良いかもしれません。





ということで手に入れたのは国内正規取扱店 神田商会 創立60周年を記念して2007年に作られ、創設者ランドール・スミス氏の直筆サインが書かれたMesa/Boogieの中でも更に貴重な限定モデル。国内流通3台程度にも関わらず鬼検索で偶然にも2台在庫(中古)を発見しました。 同製品でもメイプルの杢目がワイルドで圧倒的オーラを放っていたコチラを購入。 写真だと小さく見えますが50W仕様ですのでH47×W56と適度にデカイです。これだけ分厚いフィギュアドメイプル、ギターのトップ材だったら何本作れるのか・・・サイズ的にワンピース仕様でも4本分はいけそうです(笑)






今まで使っていたアンプは真空管を変更してブラッシュアップした Marshall / DSL5C と Hughes & Kettner / GRANDMEISTER36、 合間の練習に便利な YAMAHA THR30II Wireless の3つ。 その中で使用頻度の低い  Marshall と  Hughes & Kettner を資金源にGETしたりました。 GRANDMEISTER36 は1台で様々な音が作れたのでお気に入りで最後まで手放すか迷いましたが・・・コイツを手に入れるとなると使用頻度も減り、宝の持ち腐れとなるので潔く手放しました。





年式的には2007年とまずまず古いアンプですが、その時代だからこそ上質なメイプル材を贅沢に使うことが出来たのではと感じています。今でも頑張れば可能でしょうが、材料が高騰した今では当時の販売価格で出すのは難しく割に合わない金額になってしまいそうです。 ボディ材が影響していると思われる出音も同製品のスタンダードとは違い、ボリュームを上げた時の箱鳴りとスピード感が高い。俗に言う『 ジュワッと感 』もあり、真空管でしか出せない飽和感も素晴らしいものでした。





フルチューブ(真空管)は出力は5W(クラスA)と50W(クラスAB)の設定が可能。5Wの場合はMesa/Boogieの特許技術で音質をそのままに自宅弾きでも十分な音量まで絞ることが出来ます。 とは言え5Wでも音圧が凄くて迫力が凄い(笑) 2チャンネル切替式で『 チャンネル1 』には充分なレンジの広さを持ちながらも温かみのあるCLEANモード、その延長線上にあるかの様なパーカッシブな歪を持ったCRUNCHモード。 『 チャンネル2 』には程よくホットでピッキングニュアンスが活きるBLUESモード、コシのあるリードから倍音豊かなハイゲインまでをカバーするBURNモードを搭載しています。※メーカー説明





合計4モードの完全独立型の2チャンネルをクラスA、ABと切り替えられます。このアンプの素晴らしさは4チャンネルの音が同じアンプから出ている音とは思えない程に様変わりすること。クラスAとABを使い分けることでさらに表情が変わり、共に極めて実用的であることが言えます。多くのアンプはメインの個性が残ったまま味付けが変わるものが多い中、まるで4つのアンプ×2仕様を所持したかの様な満足度があります。

どのチャンネルも音の質が高く芯が通っていて美しい倍音が絡みつき繊細なニュアンスまで拾ってくれます。Mesa/Boogieらしく音の密度が濃く太い。発祥がFENDERアンプの魔改造から生まれたメーカーというだけあり、クリーンやクランチの美しさにも同系統の良さを感じます。正直言ってここまで多用性があるとは思いませんでした。特に気に入っているのはクリーンチャンネルの太く立体感のある音色、そして以外にもクランチモードでゲインを上げていった時(ハイゲイン設定)の歪み。“BURN” モードでは『これぞMESA!』という迫力のトーンですが “CRUNCH” モードでは毛色が変わり、ヴィンテージマーシャルアンプの様なサウンドまで持っていけます。 近年のデジタルアンプも進化してますが真空管はやっぱり違う。格好良いぜ!





チャンネル毎に設けられたCONTOURツマミは歪みの質感をコントロールする部分。フットスイッチではチャンネルの切り替えとリバーブのON/OFF、CONTOURのON/OFFができるので足元で6種類の音を切り替えることが出来ます。アンプ直でも気持ち良く鳴ってくれます。リバーブも自然で扱い易いですね。





近年の進化したデジタルアンプも気軽に良い音を出せるので愛用していますが、本物の真空管アンプはやはり違います。
何と言えば良いんでしょう。作られていない生々しさ、デジタル感が無い心地良さを感じることが出来ます。





このアンプを大切にしたいので創業100年以上の歴史を持つテント・カバー製造業 (株)上田防水布店で『 錦アンプカバー 』オーダーメイドしました。アンプ本体にキャスター付きハードケースが付属していましたが、流石に弾く度に出し入れするのも面倒なので、プロ御用達の高耐久カバーで大事に保管してやります。カバーとは言え非常に扱い易く職人技が光っています。これで静電気や湿気による埃の吸着や劣化、地震等の天災時も安心です。









※2023.6 追記

ということで、Mesa/Boogieのアンプを気に入って使っているわけですが、なにせ50W。
本領発揮するにはメチャメチャ音がデカいので5W(クラスA)仕様に切り替えて自宅で使っているわけです。

良い音で弾く度に『 良いアンプだなぁ 』と感じていたのですが・・・
・・・それでも音がデカい(笑)
過去、使っていた MARSHALL DSL-5C でも感じたのですが真空管だからなのか音圧が非常にあります。
ボリュームを上げると真空管の倍音やハリが出てきて心地良くなる反面、確実に近所迷惑!!
それを避けるべくMARSHALL DSL-5C では1W設定に切り替えてました。

しかし、Mesa/Boogie Express 5:50 は5Wまでしか切り替えが出来ません。
・・・そもそも50Wで本領発揮する仕様なのに5Wをメインで使っていて良いのか・・・
まともに考えればなんですけど

​自宅で使うのに50Wを使うこと自体がイカれてるだろ!​
というのが正直な回答でしょう。分かってる・・・分かってるんですけど・・・

​格好良ぇやん! 憧れるやん!​
そんな気持ちも分かって頂けるかと。 

とは言え、我が家にはここ最近、生まれて数ヶ月の家族も新たに増えまして、
先を考えれば一家を持つ親父が近所迷惑上等で爆音でギター弾きまくってるのは流石にマズいかなと。

そして何より、全ての真空管を駆使した本領発揮のサウンド(クラスAB)を小音量でも体験してみたい。
・・・ということでこの度、ついにアッテネーターに手を出し購入しました。




Jhonny Sound Reactor-Z150 というアッテネーター。

主にクローンペダルを製作するプライベーターの商品ですが欠点でもある音質劣化がほぼ無いと評判が良く、
独自の解釈で開発した仕様に魅力を感じました。シンプルが故にエフェクター感覚で操作出来るのも有難い。




この  アッテネーターとは何ぞや?  という話ですが。
パワーアンプとスピーカーの間に接続して音量を下げるアイテムです。
これによって真空管の良さを引き出しながらも音量を下げることが可能になります。

スピーカーケーブルは色々迷いましたが定番の BELDEN9497 通称:ウミヘビにしました。
ややタイトで中高音域に特性があり、素直な出音のウミヘビに対して他はアンプ側で調整しようかと。
※後にBELDEN8470に変更。




結果として Reactor-Z150 を通すことでフルパワー50W駆動を1.5Wのボリュームまで絞ることが出来ました。
クラスA 5Wではヴィンテージアンプの様なトップエンドの柔らかさと飽和感があり、歪みもキメ細かい部類。

出力を上げた50W クラスABはスピード感抜群でワイルド。レンジが広く倍音成分が豊富に溢れ出てきます。
共にアッテネーターと本体のGAIN、VOLUME、CONTOURで調整すれば幅広いサウンドメイクが可能です。

Reactor-Z150にはLowとHighをさらに2段階強調する機能も備わっているので好みに調整が可能。
アッテネーターでありながらブースター的な機能も備わっているのも良いですね。




最終的に置き場所はこんなレイアウトにしました。邪魔にならずシンプルで良いです。
コイツにクリーンブースター程度で極上サウンドになるのでお手軽。アンプ直はリッチで贅沢です。

数多く存在するアッテネーターの世界。
アッテネーターに関して自分はまだまだ知識不足で初心者なのでシンプルで使いやすいものがベスト。
これで近所の目を気にすることなくMesa/Boogieの本領を楽しむことが出来そうです。








※追記


深夜に真空管アンプを鳴らしたい欲求を解決したい場合は名機 “ Mesa/Boogie CAB CLON ”  コイツはアンプを繋いでヘッドフォンから音を出すことも目的に作られたインターフェイスでアンプの音量を上げても適切な音量・音質に整えてくれます。しかも電源不要のパッシブでキャビネットシミュレーターまでついている優れもの。上位機種や他社ではIR機能を持たせて細かくスマホやPCで調整出来るタイプも在りますが、選択肢が多いと沼にはまってしまうので、極力シンプルで感覚的に調整出来るものが欲しかったので愛用しています(デジタルは苦手)




当たり前ですが実際のスピーカーの響きとは異なります。 特にこのアンプの良さは極上のウッドマテリアル(ハードメイプル材)のキャビネットから生まれるキレのある濃厚サウンドなので、キャビネットの鳴りをスルーしちゃうと同じ音にはなりません。とは言え、Mesa/Boogie CAB CLONに装着されている「CLOSE BACK」「OPEN BACK」「VINTAGE CABINET」3種類のキャビネット・シミュレートも優秀なので違う音で楽しむことが出来ます。




いつか、アッテネーターも使わず爆音で弾きまくりたい・・・そんな野望を持ってます(汗)


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