男の羅生門 ‐ Guitar&Bike Life ‐

男の羅生門 ‐ Guitar&Bike Life ‐

August 26, 2023
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カテゴリ: 六弦黙示録
フリーページ更新しましたのでコチラにも掲載。

ピックアップに『ジミーウォレスPAF』『ウィズ PAF』
コンデンサーに『グレイタイガー』『LUXE バンブルビー』を追加更新しました。

​★ピックアップについて個人的見解​
楽器は材料が如何に良くても加工精度や塗装、構造、装着される構成や構造によって伝達方式が変わり音色が変化する。
そんな中で大きく音色を変更することが出来る『魔法のアイテム』の1つがピックアップではないかなと考えています。
ここでは個人的主観に過ぎませんがレビューを記載していきます。



SEYMOUR DUNCAN / SH-4 JB Bridge
■ マグネット:Alnico V Bar
■ D.C.RESISTANCE:16.40k
■ RESONANT PEAK:5.50kHz

■ OUTPUT:Moderate/High

言わずとしれた定番中のド定番、特にドライブのサウンドは何とも言えない粒の大きさ絶妙なじゃりじゃり感と抜けで気持ちが良い。
バイト感もありピッキングニュアンスにも忠実。 倍音成分のバランスも良くボディ材問わず選択肢に入るアップグレードのスタンダード。
相性の良さに幅広さがあり、どんなギターでも上手く誤魔化してしまう印象な素直な音質であると感じました。

レスポールに搭載すればマホガニーの太さと抜けの良さが両立出来てロックな音になります。





​SEYMOUR DUNCAN / TB-14 Custom 5 Trembucker Bridge​
■ マグネット:ALNICO5
■ D.C.RESISTANCE:14.40k
■ RESONANT PEAK:5.40k
■ ケーブル:Four Conductor
■ OUTPUT:High

高崎 晃氏が長年愛用し、シグネチャーモデルであるPRIMEに標準装備されていたピックアップ。(現行は変更)
レンジが広くゲインを上げても潰れることなく輪郭を保ったままパキーンと抜けるブラウンサウンドを生み出します。
アルニコVマグネットからなる速いレスポンス、倍音がエグいくらいにキュィーンと出ますのでギラついたハイゲインが好きな方はベストマッチ。
歪ませれば抜けたまま太くなり、ブラウンサウンドでザクザクとカマすのも得意としています。(かなりキレが良いので気持ち良い)
アルダー、アッシュに載せれば抜けまくる官能的な音、レスポール等ではクリーミーさはやや薄れますが抜けは確実に増します。
ギター本体が太すぎる音を出す場合はコレで解決レベルかと。クランチやクリーンも透き通っていてクリスタルサウンドですが
王道ロックを弾くには倍音が出過ぎていて現代的すぎる気がします。ローゲインでハイがかなり出る特性で誤魔化しの効かないピックアップ。





SEYMOUR DUNCAN / SH-2n Jazz Neck
■ マグネット: アルニコ5
■ DC Resistance: 7.5k
■ Cable: 4C Shielded

これまたレスポンスが速いピックアップでミドルとハイが良く出て良い意味で輪郭がボヤけません。
数多くあるフロントピックアップでここまで抜ける音を出すのは個人的にこのSH-2nがNO.1です。
ただし歌う様なウーマントーンを求める方に関してはどれだけトーンを絞っても輪郭が出てしまいますので不向きかと。

歯切れが良いのでミスタッチもそのまま出力されるので誤魔化しは一切利きません。主にアッシュやアルダー材に合っている気がします。
出力は高くありませんが出力以上の立体感とロングサスティーンで独自の存在感を兼ね備えています。結構好きなピックアップ。





SEYMOUR DUNCAN / THUNDER IN THE EAST(Neck / Bridge)
■マグネット:ALNICO5
■D.C.Resistance Neck: 7.5k, Bridge: 9.5k
■Cable: 4C Shielded

現在の高崎 晃氏 本人のメインギターにほぼ搭載されているカスタムショップ製 シグネチャーピックアップ。
主にバラ売りはされず、100セット限定販売 即日完売したものです。現在では新型PRIME等に標準搭載されています。
基本的にこの製品開発以前に高崎氏が愛用していたTB-14とSH-2nこれにESP製のLH-200の音圧をハイブリッドさせた様な音です。

歪みのタイプ的にはアルニコ2と5 双方の良さを感じ、SH-11にも似ていますがレスポンスはTB-14に近く開放的で高解像度。
出力は低めですがが、サスティーンも良好で音も太いのでゲインを上げなくても通用するので恐らくレスポール系にもマッチしそう。
所有ギターでは THE RED LEGACY(標準)と KILLER PRIME 2014(後に搭載)しております。





SEYMOUR DUNCAN / ANTIQUITY HUMBUCKER Neck
■ ネック用
■ マグネット:ALNICO2
■ DC Ohms:7.8K
■ inductance:4.22 henries

『枯れている』『ヴィンテージ』という言葉が良く似合う印象。
全体的に音が太く、上手く表現できませんが色気があって良い意味で整っておらず音の揺らぎがあるというか不安定さがあります。
普通に弾くだけで出汁が濃厚で味のある『こだわった音』的な感じに変わり、ニュアンスも出し易くワンランク上の音だと思います。
出力は高くないのであまりゲインを上げると若干ノイズが入ります。感情移入して泣きのソロを弾いたりするのにはうってつけ。
ただし速弾きだと若干の反応遅れを感じました。ただそれも個性で旨味になるような感じでしょうか。





SEYMOUR DUNCAN / TB-6 Duncan Distortion Trembucker Bridge
■ マグネット:セラミック
■ D.C.RESISTANCE:16.60k
■ RESONANT PEAK:5.50kHz
■ ケーブル:Four Conductor
■ OUTPUT:High

まさに現代 METAL SOUND。歪の細かさはトップクラスでクリアかつエッジの効いた歪みサウンドを特徴とします。
最も高出力なセラミックマグネットを使用しているので名前の通り攻撃的なドライブサウンドがうり。
ジャリっとした、やや金属的な歪みサウンドをこよなく愛するメタルマニアにはうってつけではないでしょうか。
高速フレーズにも素早く反応し、素晴らしいサスティーン、透き通るハイゲインといった印象で抜けの良さもピカイチ。
何だかんだでクリーンサウンドも綺麗です。特にアルダーやアッシュ系ボディでは鳴ってくれると思います。
所有するギターではランディV(イエローポプラボディ)のリアに装着し最高のサウンドを奏でます。





SEYMOUR DUNCAN / SH-8n Invader Neck
■ Magnet:Ceramic Bar
■ D.C. Resistance:7.5k
■ Cable:4-Con. Shielded

今まで装着した中で最も極悪非道な太さの音を生み出したピックアップで とにかく音が太い。
基本的にはハイゲインで使うのが前提でクリーンで弾いても出力が高すぎて歪んでしまう印象。
倍音成分もあるのですが、独自のコンプ感と相まってどうやってもメタルのソロで使う他無いかと。
ゴリゴリでブリブリだけど分離が良い音が好きな方は好きかと思います。まさに男のピックアップ!





SEYMOUR DUNCAN / SH-11 Custom Custom Bridge
■ マグネット:ALNICO2
■ D.C.RESISTANCE:14.40k
■ RESONANT PEAK:5.20k
■ ケーブル:Four Conductor
■ OUTPUT:High

アルニコ2マグネットを使いながらも出力が高い珍しい仕様。APH-1等のヴィンテージ路線の出音の出力を高めて調整された印象。
枯れた音を主体としつつ、不足しているミドルとハイをプラスして音像バランスを上手にイコライジングした気持ち良さがあります。
どの音域でも絶妙な抜けと音圧が気持ち良く、分離感も良好。 ヴィンテージ路線ははまろやかでレスポンスがやや遅いイメージですが、
甘さの中にもシングルコイル並みのエッジとキレ、倍音が同時に発生していて、喜怒哀楽の表現が出し易い表情豊かなセットアップ。
人で言うなら声が個性的で泣かせるボーカリストといった感じでしょうか。クリーンも味があって万能。個人的にはかなり好印象です。
特にレスポールやマホガニー材に合うと感じます。メイプルネックだとより音の輪郭が増しそう。コイルタップ時も実用的な音です。





SEYMOUR DUNCAN / APH-2n Slash Neck
■ マグネット:Alnico II Bar
■ D.C.RESISTANCE:7.92k
■ RESONANT PEAK:6.40kHz
■ ケーブル:1Conductor
■ OUTPUT:MODERATE

レスポールの鬼、SLASH氏のシグネチャーモデル。それなりのギターであればSLASHの音が出せる可能性が大。
非常にウォームで粘りがあり個性的、ですが反応は素直な出音で絡みつくような ねっとりとした甘さ。
ハイポジションでは独自の倍音とウネリが混ざり、トーンを絞れば誰もが目指した王道スウィートサウンドが生み出されます。
APH-1をハイパワーにして立体的に扱い易くした印象です。クリーンも甘く美しく レスポールにベストマッチなピックアップ。
ソロ等の単音弾きでは背景のバッキングにすっと溶け込んで主張する独自のサウンドなので癖になると抜け出せない魅力があります。
ローとミドルを極端に絞ったセッティングをアンプ側で行えば、かなりキレのあるサウンドも出せます。
レスポンスは遅く不安定さがあるのですが、それが良い意味で味のある出音となり狙った醍醐味のような気もします。





SEYMOUR DUNCAN / APH-2b Slash Bridge
■ マグネット:Alnico II Bar
■ D.C.RESISTANCE:8.53k
■ RESONANT PEAK:6.00kHz
■ ケーブル:1Conductor
■ OUTPUT:MODERATE

同じくSLASHシグネチャーのブリッジ側。
クリーンでは角が取れた円やかな音色でニュアンスは出ますが強いピッキングでも耳が痛くなりません。
ゲインを上げていけばローポジションでは粒が大きく、ハイポジションでは粒が細かく変化しバイト感も強まります。
ざっくり言えば80年代のマーシャルをフルアップしたようなワイルドな荒々しいドライブサウンドを生みます。

搭載するギター本体の良さによって変化するので同じギターであっても
『こいつは本当に同じピックアップの音なのか?』といったレベルで大きく変わります。

ロー&ミドルが強く音圧があるので当初は抜けが悪い印象でしたがロー&ミドルをアンプ側で極端に絞ると高域のギラつきとバイト感が解放されます。
チューブアンプとの相性は最強クラスでコンプ感が最高。 恐らくSLASH氏同様に そういうセッティング主体で使うのが前提設計ではないかと予測。
多くのレビューでは潰れるとかモコモコし過ぎる等ともありますが、確かに調整しないとレンジが狭く感じますので意外と玄人向けかと。
扱いこなせれば荒々しさと繊細さを兼ね備えた素晴らしいピックアップです。個人的にもレスポールにはコイツをメインとしています。





GIBSON / Custom Bucker
■ マグネット:アルニコ3

カスタムショップ製のギブソンにのみ採用され販売することが許されていないヴィンテージPAFを模したピックアップ。
様々な意見はありますが、磁力の弱いアルニコ3マグネットによるタイトな低音域と広がりがある中高音域が特徴。
細部に至るまでPAFを再現をしているので現代的で作られた音ではなく『素直なマイク』という意味でアナログさを感じます。

ピックアップの個性というよりは、搭載する本体の特徴をそのまま色付けせず、あくまでストレートに放出する。
ごくごく繊細な情報まで拾い伝えてくれる故にワイドレンジでピッキングニュアンスの強弱にも素早く反応します。
『パキッ』『コキュッ』『ギュリッ』『コツン』等、『あのニュアンス』がモロにアンプから出力されるので空気感が凄い。

特筆すべきは表現力で、弱く弾けば弱く、強く弾けば強く反映される強弱への追従。
特にクリーンサウンドではアコースティックギターなみに哀愁漂う音を奏でます。
ただし反応が素直故に、確実に誤魔化しの効かないので腕の見せどころ。

元々太い音を出すハイエンドな個体に装着すればピックアップで不足する低音域は本体側で補い
高音域の響きや繊細なタッチニュアンスは高解像度なカスタムバッカ―が拾い補ってくれるので無敵使用です。
個人的にはN-LP680に装着しています(APH-2から交換)​





GIBSON / Burstbucker Pro Bridge
■ Position:Bridge
■ Magnet:Alnico V
■ Wiring:2-Conductor
■ Output:8.3

ギブソンの最近のモデルにスタンダードで搭載されているモデル。
アルニコVのエッジと倍音豊かな出音でクリーン~ハイゲインまで非常に綺麗で整った音で鳴ってくれます。
特別な個性は感じられませんので癖による大幅な変化はありませんが、良いギターに載せれば良い音に、変なのは変なままになります。
個人的にはコイルタップ等を行ったときもかなり使えるものなので結構好きな部類に入ります。ダンカンのJBの様な万能性があります。
現代におけるギブソンサウンドの定番と言っても良いかもしれません。





GIBSON / 498T Hot Alnico Bridge
■ マグネット:アルニコ5
■ ケーブル:4-Conductor

GIBSON PUの中でもハイパワーな部類でHOTの名が示す通り熱いサウンド。
めちゃめちゃキメ細かいジャリジャリザクザクな歪みサウンドは何となくダンカンのディストーションを彷彿とさせます。
モダンでヌケ・キレも良く過激に歪みますが、特段 重低音が出るわけでもなく、音の太さはそこまで感じないのでフラットな印象です。
ピッキングに対してギャリっとした喰い付きを見せます。ボディ材に応じて使い分けると良い印象。なかなか良いけど個人的には個性が無さすぎるかな。





GIBSON / 490R Modern Classic Neck
■ マグネット:アルニコ2
■ ケーブル:4-Conductor

リア498Tに対してフロント490Rを装着していた時代があって相性が非常に良かった印象があります。
歪み方はキメ細かく490、498共に同じタイプの歪み方なので相性が良いのではないかと思われます。
498T同様、整った歪み方と倍音ですが、個性としてはあまり無く、ピックアップで作られた出音に感じました。
個人的に一時期『コレは良い!』となったのですが、何に載せても同じ音でボディ材の特性が発揮出来ず外しました。





K&T NFS Tetrad
ハンドメイドピックアップの重鎮、高野順が生み出す本物を超えたヴィンテージサウンド。
素材からコイルの巻き方・テンションまでを全てを手作業で行い、機械巻きの量産型ピックアップとは
比較にならない本格的なヴィンテージサウンドを生み出すとされています。​

事実、本物のPAFとしても経年によっての差があり個体差でアタリ・ハズレがあるのが実態。
単に同じ素材・製造工程を売りにするというわけではなく、最高のPAFとされる音を巻き方や磁力を変えて
作るというのがK&Tの考え方。あくまで素材や工程ではなく『音』にのみ執着して生み出しています。

実際にはどれも超高性能なピックアップで音を凄まじく拾います。
例えば本体に息を吹きかければ、その域で揺れた弦や風圧でさえ拾ってしまう超高感度。
それなのにノイズレスで拾って欲しい部分だけ出力してくれるという圧倒的な性能を誇るものになります。

リアでは素早いレスポンスと驚異的な情報量。情報量だけ見ればカスタムバッカ―や他ピックアップでも
到底敵いません。クリーントーンではまさに生音・・・アコースティックギターなみにリアルなクリーン。
フロントは豊潤で生々しいヴァイオリンの様なトーンが単能でき、弾いてて『良い音だなぁ』と感動もの。

ミドルからハイにかけて突き抜けるようなワイドレンジながら耳が痛くならず独特の荒さがありながらもコード感が抜群なピックアップです。

​価格が高いものだと150,000円超え、値段だけ見れば馬鹿げた価格に見えがちなのですが、
生み出す為にかける時間=工数=工賃、そして使用素材と実際の音を体感すれば価値はあります。
ですが、単体で100,000円超えは簡単には手は出せないでしょう(笑)





K&T NFS WEEP  BB/ZB
同じく重鎮、高野 順氏が完全手巻きで生み出し、世界を驚愕させたピックアップがWEEP。
何でもこのWEEPこそ『名機』『重鎮』と知らしめた存在のようでして、名だたるプロギタリストが
本物のPAFと比較しても見分けがつかない程のクオリティだったとかいう信じがたい伝説を持ちます。​
基本的にK&T全般に言えるのが極めて繊細なサウンドまで全て拾うということが言えます。

とにかく高性能で空気感が凄い。生音を増幅したリアルすぎる音は弾き手のニュアンスを変に装飾せず
ストレートに出力します。
また、ハイゲインでもボリュームを絞っていくとクリーンまで落ちますがサスティンは長く全てが使える音。
胡散臭い印象もある超高級ピックアップですが他と比べても頭一つ飛び抜けている素晴らしいピックアップです。






Jimmy Wallace PAF Covered
知る人ぞ知るジミーウォレスが生み出したPAF。
太くヌケて分離感も良好。解像度も高くセンシティブな反応をみせてくれる優秀なピックアップです。
PAFレプリカというよりは『俺の考える最高のPAFサウンドはコレだ!』という音でPAFではないかもです。
とは言え本体の音を抜かりなく拾い、ピッキングに対して様々な変化を生み出すことが出来るトーンは
PAF系の音を持ちながらも美味しく進化していて素敵な音を奏でてくれます。レンジも広いです。





WIZZ PICKUPS Premium PAF Clone
■ Magnet:Alnico Ⅳ
■ Neck : 7.70~7.90k Ohm
■ Bridge : 8.10~8.30k Ohm

『ジミーウォレス』『K&T』『ウィズピックアップ』はPAFレプリカの中でもプロ御用達のハイエンドピックアップ。
その中でもコチラは木の鳴りを素直に出力してくれること、奥行き感(エアー感)がある素敵なピックアップです。
極々微細なタッチにも反応してくれるので、吐息の様な繊細な音色から豪快なサウンドまで自由自在です。
エイジング加工がされていますが、その精度やリアルさに関しては微妙。ただ音に関しては抜群です。





SEYMOUR DUNCAN / SSL-7 Quarter-Pound Starggered
■ マグネット:Alnico V Rods
■ D.C.RESISTANCE:14.80k
■ RESONANT PEAK:4.80k
■ ケーブル:Single Conductor Pvc
■ OUTPUT:High

シングルコイルながらハイパワーなピックアップで、シングルコイル特有のアタックの強さやレスポンス、倍音はそのままに
らしからぬ音の太さを兼ね備えています。 単純に太い音というわけではなく、ストラトに載せれば良さを犠牲にすることなく
音を太く艶やかにしてくれるので ~ HEAVY METAL の分野まで幅広く対応。ドライブサウンドも特筆すべきものがあり、
ハイパワーなシングルコイルの中では個人的に一番評価が高いモデルです。
ボリュームへの追従性も良く、絞ればキラキラとしたストラトトーンも出せるので万能型の様に感じます。
アッシュやアルダーといった抜ける音を出し易いボディ材に相性が良いと思います。
特大のポールピースが見た目にもワイルドで格好良い!





FENDER / Custom Shop Texas Special
■ アルニコ5マグネット
■ DC Resistance: 6.2K(Front)、6.5K(Middle)、6.7K(Bridge)
■ センター リバースワイヤリング


擬音で言えば『シャリーン』『パコーン』『ギャリ―ン』といった感じの上品な暴れ馬。解像度も高めだと思います。
良くも悪くもストラトの音のままパンチを利かせたような印象で力強くガラス質な倍音とハリがある出音ですので好きな方は好きです。
キラキラとした高音域にゴツンと前に出てくる音はまさにフェンダーならではでしょう。重低音は出ないのでメタルには向きません。
ハムバッキングで言えばTB-14も比較的こういったレスポンスの早さがありますがシングルコイル程ではありません。
楽器本体の音をクリーンかつ高解像度、ガッツにしてくれるような印象です。





​■ 個人的なマグネット選択の見解​

★アルニコ2マグネット​

枯れていて ねっとり、まろやか、甘い。そんな言葉が似合います。
ピッキング後に70%~100%と立ち上がっていくイメージで、これが特有の個性になるかなと。
ミドルの押し出しが強く、高域の線がやや細いのでバッキバキのキュイーンサウンドは出し難い。
クリーンサウンドでは特性が相まって絶妙なズレと揺らぎにより耳障りではない美しいサウンドを作りやすい。
クランチ~ハイゲインでは粒が大きめでワイルドな印象。単音弾きだと音のキレは特性上良くないですが味わいある出音。
ガツガツと主張するよりかはバッキングにスッと入り込んで違和感なく溶けこんで主張するような印象で良く言えば上手く聞こえる。
美しいクリーン、ワイルドなバッキング、歌う様なソロを得意とし、チューブアンプとワウペダルの相性は最強。


★アルニコ 3 マグネット​
最も低出力な磁石なので弦振動に影響を与えず、原音に忠実な出音が特徴です。
磁力が弱いことから音の線は細く、重低音系には向きませんが広いレンジ感があります。
クリーン~クランチでは最高のトーンを生み出すのに効果を発揮してくれそうです。


★アルニコ 4 マグネット​
アルニコ2とアルニコ5の中立的な存在でバランスが良いピックアップです。
適度な出力と情報量の高さ、柔らかさも兼ね備え、癖が無いので楽器本体の特性を色づけすることなく発揮します。
アルニコ2よりも輪郭が整っていて低音域もボケない。アタックのキレはアルニコ5に軍配が上がります。


​★アルニコ5マグネット​
情報量が増え、解像度が増し、ピッキングに対して素早く立ち上がり100%の出音が直ちに立ち上がるイメージ。
これが高解像度と感じる由縁ではないかと感じます。故に速いパッセージでも1つ1つ音に分離感がありレスポンスが良く粒立ちも良好。
あくまでアルニコの中で高出力なだけなので良い意味で整いすぎておらず、ニュアンスの出し易さ、温かみやウォーム感といった旨味が残っている。
他アルニコと比べレンジが広く全域での音像が一気に出力される為、キレ・ヌケが良い。本体の特性を拾いやすく全体的に繊細で抜けが良い印象。
またハーモニクスも出し易いのでハイゲインに強い。しいて言えばHi-Fiで整い過ぎる為、モダンなサウンドは表現し難い。​​​​​​​​​​​​​​​





■トーンコンデンサ(キャパシター)の個人的見解
 コントロールの操作によってコンデンサを抵抗として通し周波数を変え音色を変化させる。
 小さなパーツですが変化はかなりあるので面白い部品でもあります。​


Ovaltone 鵺 NUE DEVICE
トーンを絞った際に鵺の持つ成分がブレンドして音色を変化させる印象です。一般的なものとは違い、様々なものを複合して出来ている鵺デバイスはコンデンサーという概念ではなく
サーキットデバイス・エフェクター的な位置づけで音色を変化させているようです。​

このシリーズの中でNEROを愛器に装着していますが、まず装着した時点で音色に変化を感じます。
基本的に出力が上がったというか、パワーが増した・クリーンブースターを繋いだ様なパワーを感じることができました。そして肝心のトーン変化ですが、どこかの時点で急に変化するというわけでもなく無段階に変化していくので
塩加減を絶妙に調整出来ます。

素晴らしいのはピッキングニュアンスが完全に絞り切った状態でも感じることが出来ることです。非常に扱い易いもので、アタック度合いをコントロールしやすく求めるサウンドを表現出来るので実用的です。



320design Green Manalishi Silver 0.022μF

個人的にはベスト。かなり気に入っております。
かなりHiーFiなオイルコンデンサで音に空気感と言うか煌びやかさがプラスされます。​

出音が鮮明になるというか、ピックアップの性能が上がったかのような変化を体感することが出来ます。
絞るにつれて成分が混じってきますが、変化もスムーズでどの音も素晴らしく欲しい部分をしっかりと残した塩加減。
ブレンドされる成分の解像度が高く、現代的なサウンドからヴィンテージサウンドまで幅広くリッチなサウンドです。
完全に自己満足ですが緑色のボディが怪しげで見た目も格好良くオススメです。


Gibson PCAP-059 Bumble Bee Capacitor Set 0.022μF
Gibsonのヒストリックコレクションに標準装備されているバンブルビーレプリカです。​

言うなれば可でも不可でも無く、良い意味で癖が無く『普通』といった印象です。悪くは無いです。
トーンを絞った際の効きが良くアタック・ニュアンスは残りますが やや高音域が削られ過ぎる印象があるので
高域にギラつきのあるカスタムバッカーとしては相性が良く、幅広いコントロールが可能です。

元々 太い音を出す個体やP.Uを搭載しているのであれば高域を根こそぎ持っていかれるのであまりオススメは出来ません。
恐らく、モコモコになり過ぎて使い物にならないかと。このモコモコ具合も悪くは無いんですけ相性は選びます。
Gibsonは多分、鳴りの良いヒスコレ&カスタムバッカーという個体に合わせて装着しているのだと思います。
抜けの良いモデルでハーモニクス出まくる様な個体には相性が良さそうです。


Luxe 1956-1960 Single Oil-Filled .022mF Bumblebee Capacitor
製法から素材まで当時と同じ工程で精密に生み出されている現代最高峰のレプリカ。
2019年式以降のギブソン(カスタムショップ)では純正採用され、本家から認められた存在です。
本当のヴィンテージ品は抵抗値が経年変化でズレている可能性が高いので新品を試してみました。
結論、本物と遜色が無いレベルの仕上がりです。むしろ本物よりも綺麗に効くので扱い易い印象です。
とは言え、ヴィンテージにある いなたさ・うねりは薄いかもです。


Sprague Bumble Bee 400v 0.022uF
絞っても本当に音がぼやけないというか、元の成分はそのままに変化させたい部分だけを削いでくれる。
つまり全可変域で使える音だと感じます。 レプリカではもっとボワッとした広がりがありましたがタイトでヌケが良い印象。

何かキンキンするなぁ~なんて時に少しだけ絞ってあげればクリアなまま耳障りな部分だけ消えます。
確かにレスポールに相性が良く、オリジナルが最高だと言う方が多いのも頷けます。
これが他のコンデンサだと絶妙な部分でサスティンや余韻に影響が出たりとしますからね。

オールドを追求した個体であることから『70年前の部品が俺のギターには入っている! 本物の音!』 的な
個人的な自己満足とプラシーボも大いにあるかもしれません。率直な感想としては素晴らしい。


SPRAGUE ORANGE DROP 715P 223J 600V
GibsonのP-90を搭載したレスポールに標準装備されておりました。
効果は効きが良く『こんもりアタッ~ク!』といった感じです。比較的、好きな方も多いみたいなのです。
アタックはありますがこんもりしています。必要ない調整域まで出てくるので、もっとまろやかな効き具合が個人的には好み。
価格が安いので良く分からないコンデンサならこれで十分。ハイエンドにはもう少しグレードを上げた方が良い印象。​


Jupiter Condenser Retro Red Capacitor 0.02uF/600VDC
中々良いです。高解像度なピックアップに対しては良い塩加減で効いてくれます。
トーンの変化はありますがヌケが良い。そして分離感とアタックは損なわれない。
絞りきっても旨味は残るので全域が実用的です。この辺りは320design Green Manalishiに近いものがあります。
フル10でも音に煌びやかさが加わります。



Cornell Vintage Tiger .02 MFD 400VDC NOS
50年代のギブソンに標準装着されていたワックスインコンデンサー。
抜群のヌケと独特なうねり、豊かな倍音とバイト感が個人的にはバンブルビーよりも好きです。
絞っていくとミドルがグッと存在感を出してきて味わいのある、枯れた音色になってくれます。
この特性はTigerでしか出せないものなのかもしれません。レスポールには最高クラスではないかと。


Cornell Vintage GreyTiger .02 MFD 400VDC NOS
同じく50年代のギブソンに標準装備されていたワックスインコンデンサー。
Tiger同様のヌケの良さや倍音、バイト感があり、フル10でも音がヴィンテージテイストに生まれ変わります。
その原因としては音に対してのうねりがプラスされるというところが大きく影響していると思います。
絞ってもヌケは変わらずベストなバランスを維持したまま高音域だけが削られてミッドが美しく出てきます。
めちゃめちゃ高額なコンデンサーですが、かなりの効果が得られる事実上 最高峰のコンデンサーだと思います。





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Last updated  August 26, 2023 07:00:06 PM
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