PR
まず、参加者たちがいつもながら、すでにすごい人たち。
毎回、日本全国から集まった武術の指導者たちや、現役の選手たちがほとんどで、
この前の全国大会に出てた人たちが、普通にたくさんいて、
過去に、全日本のチャンピオンだった人や、上位入賞者の人たちもおり、
「ああ、あなたが噂の....」なんて方たちと一緒に稽古を受けるこのプレッシャー。
しかも、そんなすごいレベルの人も、
こんな(中国人のトップレベルの先生方に教えてもらえる)機会はめったにないということで、
かなり、白熱した稽古になりました。
当たり前だけど、すごい人ほど、すごい練習量をこなしているのよね。
私とホテルで同室だった同輩も、
夜中3時ごろ、なんだかカチャカチャ音がするので何かな?と目が覚めるに、
トイレで動画を見ながら(部屋だと私が起きるので電気をつけられない)、動きを頭にたたきこんでいて、みんな必死。
(ちょっと 3年前の合宿の自分
を思い出した)
前の先輩は、はるかかなた前をすごい速さで走っており、そんな追いつけそうもないものに息も切れ切れに追いかけ、
そんな自分も、後ろの軍団から常に追われていて、ちょっとでも休むと、すぐに抜かれそうなこの感じ。
みんな強烈に面白い人たちで、毎日、腹を抱えて笑う毎日なのですが、
その一方、ちょっと油断すると、どんどん置いていかれる厳しい世界でもあるわけです。
レッスンもけっこうしんどくて、
さんざん、疲れきった1日の最後に、今日やったことをみんなの前で1人1人やらされるのですが、
これが、まあ~緊張した!
私なんか、何か動くたびに、
先生の
「不対!」(違う!)の声が飛び、
「じゃあ、こうかな?」と動くと、
「不対!」
「こうかな?」と動くと、
「不対!」
「 不対
!」
「 不対
!」
もう何やっても、「不対!」
もうわかったよ、「不対!」なんでしょー?
先輩たちも「...(ああ、 吉野ドツボ
や~)。」の顔。
緊張し、自信なんてこっぱみじんにされ、(初めからないけど)
「私はこんなにダメなのか?」と思いながら、だけど落ち込む暇もなく
(毎日やることが常にいっぱいなので)
もうやるしかないので、必死でやる毎日だったのでした。
とはいっても、私のクラスは、まだ若手のS老師(30代)の指導なので、まだまだ今風の教え方。
そのS老師の兄弟子のR老師(50代)に稽古をつけていただいた班の方々は、やっぱり昔風のなごりもあったらしい。
( R老師は、去年、海への旅行にお供
させてもらった人)
R老師のクラスの先輩の話を聞くと、
すんごい辛い体勢で(基本、空気イスの世界です)、壁に向かって、
「”しばらく、その体勢でいろ”って言われてね、”ああ、どのくらいさせられるんだろ?”と思いながら、
耐えてたらね、後ろで、
トポトポって
お茶を注ぐ音が聞こえてね、
その後、おせんべいの包む袋をパリパリってやぶく音が聞こえてね、
香ばしいにおいが、ただよってくるのよ~。
ただでさえ、集中してるから、そういう音とか匂いに敏感になってるしさ、
先生の、その気づかれないように、
そーっと、
する感じが、もうおっかしくってさ~。
それでね、しばらくして、近づいてくるから、緊張したら、
私たち足のふくらはぎを触って、
(そろそろ、疲れたかな?)ってチェックして、
(もうちょっとかー。)って、まだ戻って、おせんべいをまたそーっと開けるんだよね。」
なんて言うから、R老師らしくて笑ったー。
また、別の先輩は、3年前にR老師に、武術的なある質問をしたそうですが、
老師は「今のお前に言ってもわからないから答えない。」と言われたそうな。
そして、去年も同じ質問をしても、やはり「答えない。」と言われたのに、
今年は、答えていただいたそう。
「私が答えていただけるレベルになったってことかも!」と喜ぶ先輩に、
別の先輩は、「いや、 忘れてて、ふっと、普通に答えちゃっただけじゃない
?」と言う。
うーん、私も、R老師の性格を考えるに、
今日は、機嫌がよかったので、普通の受け答えをしたっていう方に1票かも...
ま、そんなこんなで練習が続き、
最後の日に、老師方の中国側の生徒さんたち200人ほどが集まり、
お互いの合同発表会?みたいなものが行われたのですが、これも、ま~緊張しました。
おととし、Jet Leeのそのまた 老師
(ちょっと伝説の人)にお会いして感激したのですが、
その方が、特別に見えた記念イベントになり、
その老師と他の老師たちの前で、演武する緊張感と言ったら、ハンパないよ~。
ダンスを習い始めた人(私)が、
EXILEのMakidaiさんや、Matsuさん(先輩方)と一緒に、
マイケル・ジャクソン(老師)の前で踊る感じかな?
結局、後輩の私が、そのポジションにならされ、やらされました。
よく、演武中に、審判や観客の顔が見えたらアウト!(集中してない証拠)と言われるのですが、
老師の顔が見えまくってたわ...
(遠いけど、赤の矢印が、その伝説の老師、青が私習っているS老師、
そのほか、ずらーっと並んでいる人たちも、みんなすごい老師陣。
武術界のマイケルに、マドンナに、レディガガが並んでいるようなもの。)
私にとっての武術の神のJet Leeのそのまた神の老師の前で、
武術を見てもらう人生が来るなんて予想もしてなかったなー。
しかも、がくがく震えながら!
毎回思うけど、人生って面白いですね。
すごい老師たちに会え、指導も受け、
なんか、このままで行くと、私、Jet Leeにも会えるんじゃない?って気がしてきた...
というわけで、この合宿、
しんどいだけでなく、かなりのプレッシャーと、緊張の連続であったわけなのです。
ただ、先輩が面白い人たちだったので、本当に救われました。
笑いすぎて、腹筋が鍛えられた毎日でもあったのですが、
またその話は、次回にでも~。
Calendar