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2007.10.29
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「紺屋高尾」

中学生の頃、受験勉強をしながらラジオを聞くことが多かった。
当時は「ながら族」と呼ばれ、そんな中高生は多かったと思う。
私の住んでいた地方都市には、FM局も少なく、短波もあまり聴かなかった。

そんな時のこと、落語が好きだった私は、民放でもNHKでも落語の番組は聴いていた。
ある日、いつも聴いているラジオ番組からこの「紺屋高尾」が流れた。

時代は江戸時代、一介の紺屋(染物職人)である青年が、吉原見物に行き「高尾太夫」という
その頃一番人気のあった花魁(おいらん)に、一目ぼれをする。

急に何ものどを通らなくなった青年を心配した周囲が、近所のお医者さんに青年を診せる。


「高尾太夫」と同席するのには、当時のお金で10両もの大金がいた。
彼の年収は、たったの3両。これでは、3年以上かかってしまう。

しかし、気のよいこの医者は、「もし、3年で9両ためたら、私が1両足して、この高尾太夫に、
会わせてあげよう。」と約束する。

げんきんなもので、染色工の青年の病気は、この期を境に完治する。

・・・それから3年、懸命にこの青年はお金をためるのだ、憧れの「高尾太夫」に会うために。


そして、彼の信念は、3年で9両と言うお金を貯めることに成功する。
さて、周囲は、当時の花柳界のトップスターに会わせるわけだから、普段の身なりでは相手にされないと、
彼のために服を用意し、リッチな青年としてのマナーを教え込む。
そして、政治家や経済界の大物の相手ばかりをしている「高尾太夫」にちょうど空き時間が出来、
会えることになった。



「今度は、いつ来てくださるの?」と彼女は尋ねる。

「3日後に」と誤魔化せばいいものを、彼は誤魔化さない。正直に3年後にしか来られないと言う。

しかし、3年の間には、彼女を身請けしたいというお金持ちもいるだろうから、たぶん、これが最後だろうと言うと、男泣きに泣いてしまう。

彼の男としてのひたむきさに心を打たれた「高尾太夫」は、彼女の年季の明ける(契約期間が終わる)1年後に、彼の元に嫁ぐことを約束する。


青年が帰ってきてこのことを話すと、周囲は、まったく本気にしない。



しかし、年季が明けたその日、彼女は、約束どおりに、彼の元に訪ねて来る。

・・・・これで、この純愛ドラマは完結するが、後日談として、この話が噂となり、染物店は繁盛し、夫婦で末永く幸せに暮らしたと言う。


この話を聴いた時、私はそれまでの落語とは、まったく違う落語の世界を感じた。

よく、落語家の人が、自分自身のことを「噺家」(はなしか)と言うが、まさに、この「紺屋高尾」は、人情話の秀作と言える。

私は、多くの落語の話の中で、この話が1番好きだ。

今日、静岡の帰り、TBSラジオでこの「紺屋高尾」を聞いたが、中学生の時に聴いた噺家の方の話のほうが、ずっと良かった気がした。

話の膨らませ方、人情の情感が、その時の方のほうが、豊かに表現されていた。


感動は、話し手と受け手の感性によって、生み出される。

どちらの感性も豊かでなければ、深い感動はえられないと感じた。





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Last updated  2007.10.29 23:47:51
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最近私も忙しく・・・  
liki1020  さん
感動が少なくなっていると感じます。
感性が大事なんですよね。。。本当にそう思います。 (2007.10.30 00:29:26)

Re:最近私も忙しく・・・(10/29)  
桜木建二  さん
liki1020さん
>感動が少なくなっていると感じます。
>感性が大事なんですよね。。。本当にそう思います。
-----
liki1020さんは、感性の豊かな方だと感じます。
きっとお忙しいのでしょうね。

少し余裕がなければ、深く感動するシーンは、なかなか出会えないかもしれませんね。

そう言う私も、この紺屋高尾に感動した時は中学生でした。感受性の豊かな思春期だったのです。

いつまでも瑞々しい感性を保つことは、難しいですね。
ただ、私のお店はお客様が若い女性が多いので、
出来るだけ感性は豊かに、柔軟な心でありたいと努力しています。 (2007.10.30 09:40:55)

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