☆お金持ちの考え方研究所☆

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小学生時代


「いそげー いそげー」


おこずかいの100円玉をにぎりしめ、全力疾走で突っ走る。

向かう先は近所の駄菓子屋さんだ。


この頃は「ビックリマンチョコ」というお菓子についている

シールを集めるのがはやっていた。

みんなが持っていないキラキラシールが当たれば一躍有名人!

みんな必死である。

1個30円だから100円で3個買える。


「キラキラがあたりますように!」

あの中を見るときのドキドキ感がたまらない。

はやる気持ちを抑えて封を切る。


「よっしゃー!」「あーあ、なんだよー」

運命の分かれ道。

キラキラが当たればお菓子の味も格別!

外れたらお菓子の味は何とも味気なくなる。



小学生のときのおこづかいは1日100円。

この100円で何を買うかいつも頭を悩ませていた。

まさに100円の使い道こそが最大の関心ごとだった。


私の家は、家族で小さな旅館を営んでいた。

おじいちゃん、おばあちゃんのいる3世代家族。

毎日つつましく生活していて、たまに外に食べに行くのが一番の贅沢だった。


なぜだか、周りの友達はお金持ちの家が多かった。

そして私よりもうんとお小遣いをもらっていた。

特に際立っていたのは、父親が自動車関連会社を営んでいるY君.

Y君の家はお屋敷なのだ!

駐車場にはBMW、CIMA、CROWNをはじめたくさんの
高級車が並んでいる。

家のソファーではでっぷりと太ったネコが悠々と横たわっている。

Y君の家族がやわらかい笑顔で迎えてくれる。

身だしなみもしっかりしていて清潔感があふれている。

出てくるおやつはケーキやメロン。

Y君の家にいるときは別世界にいるみたいですごく楽しかっ
た。

その分家路の途中では、これから帰るのかと思うといつもさびしい気持ちになった。



「なぜ俺は貧乏な家に生まれ、Y君はお金持ちの家に生まれたんだろう」


お金持ちの家に生まれればお金持ち。

貧乏な家に生まれれば貧乏人。

この頃は漠然とそう思っていた。


お金持ちの友達は1日数千円のおこづかいをもらっていた。

最新のゲームもいち早く買っていた。

100円では30円のお菓子は3個しか買えないが、その友達は10個でも20個でも買うことができた。


お金をたくさん持っている人とは住んでいる世界が違うような気がしてならなかった。

お金がたくさんあれば何でもできる気がした。



「お金がありあまる世界」「お金が足りない世界」

幼心にこの2つの世界の違いがはっきりと刻み込まれた。



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