poco a poco~くららんびより

再会



最後まで困らせたね
今ならわかる すごく子供だった

あなたのまなざしに 
ゆるがない現実を 思い知らされた

2月の斜めの冷たい日差し
立ち尽くす私の胸をつらぬいた

今手を離したら 2度と会えない
だから どうしても離せなかった
随分泣いたね

あなたはずっと私の手を握ってくれた
私が泣き止むまで


あなたのいない毎日が
こんなふうに普通に過ぎていくなんて

きっともう何もない
からっぽな時間なんだと思っていた

2月の斜めの冷たい日差しが
私の背中を押してる様な気がした

あなたのいない右側の景色に
ふと 足を止めて眺めていた
凍りついた並木道

ただ昔に戻っただけと言い聞かせてた
また歩き出すために



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わたしのところに
きてくれた

そんなまぼろしが
くるしいの

まってなんか
いなかった

まってなんか
いなかった




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まわる
まわる
まわる

私は宙をみすえ
その真ん中を

のぼろとする

ゆれる
ずり落ちる
しがみつく

汗が滴る

われにかえる

カンダタ

私は奈落に

落ちていく。






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きょうのきょう。
私は新しい私になる。

変わる。
きっと変わる。
変われる。

あごをあげたら、そこには求める唇がある。

のばした手の先に。
きっとある。


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前へ前へ歩いていくって
こんなに苦しかったんだ。
いくつになっても、知らないこと、多いなあ。

信じるもの。
守るもの。

沢山ありそうで。
意外と、意外と。
手のひらをそっと広げたら。
空っぽだったりするかもしれない。

みんなひとり。
いつだってひとり。

苦しい気持ちをかかえながら。
今日も、あしたも。
歩くしかないんだ。

空っぽかもしれないけど。
それでも。

歩くしかないんだ。




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あなたからもらった、たったひとつのものを
今も大事に持っていると伝えたら
あなたは驚くでしょうか 哂うでしょうか 呆れるでしょうか

手のひらに握って、胸に当てると
あの頃の、気持ちの揺れが
あのときの、日差しのまぶしさが
今もかすかによみがえります

毎日の ちっぽけな幸せやちっぽけな悲しさの中で
ひきだしの中の鈍く光るそれが
私を勇気付けます。
あの頃の私が、あの頃の私たちが、
時を越えて、疲れた私を明るく照らすのです。


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もう1度、信じてみたかった。
なんとなく。この道の先が明るくなったような気がした。


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いつも、まっすぐ前を見て歩いて行くため。
たとえそれがひとりよがりだったとしても。

間違ってない。私。大丈夫。


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胸の中で、ずっとしまってきた言葉がある。
もうきっと、2度と口に出す事もない。

空を見上げて、胸の中で語りかける。
きっと通じている。そんな気がする。

きっといつかまた会える。
その日のために、私は生きてる。





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