日本語講座~お嬢さん~

私はフロイラインと言うドイツ語が好きだ。
今ではあまり聞かないようだけれども、
なんだか可愛らしい響きを持っているのでお気に入りである。

英語で言うところのミスだが、
ミスと言われるよりフロイラインと言われるほうが断然気持ちいい。

イタリア語になるとシニョリーナになるわけだが、
この響きもなかなかである。

でもやはりフロイラインと言う響きが好きなのだ。

「あたしってフロイラインよね!」

と羊さんに誇らしげに言ったこともある。
ただ独身と言うだけでなにも自慢することではない。

そんな私に彼は日本語でフロイラインはどういうのか?
と随分昔に問われたことがある。

「お嬢さん」

と教えてあげた。

この発音と彼は苦戦したらしい。

あるとき突然、










「ボクの和尚さん」









と言われたので、一体どこに和尚がいて、
一体いつ和尚などと言う粋な言葉を覚えたのかと思い驚いた。

思わず、

しょ、しょ、しょ~じょ~じ~♪

と歌いたくなった。

「和尚」ではなく「お嬢」であると教えなおした。

日本に来たときに

「和尚さん」

などと呼ばれたくない。

私は瀬戸内寂聴か?

それ以来私のことを「和尚さん」とは呼ばなくなった。

それでも今でも「お嬢さん」を正しく発音できないし、
アルファベットで書くときも、

「おうじゅさん」

と綴る。

ちょっと違うけれど、もう面倒くさいからこれでいいや・・・

面倒くさがり屋のさとっきーなは
今でも「おうじゅさん」と呼ばれる毎日を送っている。










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