玉川に さらすてづくり さらさらに

玉川に さらすてづくり さらさらに

2010.05.01
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カテゴリ: こどものことども
調布の玉川


浮世絵初期の巨匠、鈴木春信による『調布の玉川』である。

ちょっと童顔で、そのくせ人を小馬鹿にしたような、
磁器みたいなつるんとした冷たさのある表情に品のよい色気があって、
春信の描く人物はとても魅力的。
気のせいかな、みんな盆踊りみたいなポーズではあるのだけれども。

これは万葉集、東歌からモチーフをとって
調布の川で手織りの布をしゃぶしゃぶしている少女を描いてみたら、
こうなったという図。



     たまがわに さらすてづくり さらさらに
     何ぞこの子の ここだかなしき


三歳から今も住みつづける街には多摩川の支流がながれていて
子供のころにはよく遊んでいたし、中学に入ると毎日まいにち電車で
本流の広い川面を越えて学校に通うようになった。
そして夫の実家は、まさしく調布の多摩川のほとりにある。

でもそのかぎりで、私にとって「たまがわ」は「多摩川」だった。
それが「玉川」になったのは、その名のフランス語表記を知ったときのこと。

riviere de cristal

リヴィエール・ド・クリスタル。
水晶の川。



ふかく、腑に落ちる。
あの「多摩川」は、かの「玉川」。
夜の川面に映る星は、川底で光を放つ宝玉。
水晶の晶は、星を表す。

玉川すなわち豊けき水とともに宝玉をたたえた川である。たまらん。

しかも夫の家の近くにまで。
うっとりだ。

と思っていたところに、ころんと生まれてきた我が子。

     何ぞこの子の ここだかなしき

星であり、玉であり、宝であり、また我が子である。
出来すぎていて、ヨヨイノヨイくらい踊りたくもなる。


踊ってみたのが、ここに貼付けられる文章である、といえなくもない。





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Last updated  2010.06.05 01:41:48
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