放浪の達人ブログ

究極の雨男

【究極の雨男】

俺の山仲間の1人に究極の雨男がいる。彼はどこに行くにも雨に降られてしまうのである。
彼のプライバシー保護のためコウベくんという苗字はここでは伏せておくが、
コウベくんと知り合ったのは俺が高校の時にレストランで深夜アルバイトをしていた時だ。
当時俺は17歳だったので深夜のバイトはしてはいけない歳だったがそんなことは関係ない。
ただ単に年齢をごまかせば良かっただけのことである。夜10時から深夜2時まで働き、
閉店後は大人達に混じって朝方まで酒盛りをしていたこともココでは伏せておく。
そこの店長代理だったのがコウベくんなのだが、彼はそこの控え室で寝袋で寝泊りをしていた。

コウベくんは温泉好きである。随分前に彼は九州の離れ島に行った事があるが、
そこは海辺の砂浜をスコップで掘ると温泉が湧き出るようになっている。
誰もいない砂浜でコウベくんが温泉を掘っているとやはり雨が降り出した。
彼は急いで少ししか掘れていない温泉に入った。その時の写真を見せてもらったがどう見ても
「チ○コ丸出しの全裸男が転んで水溜たまりに尻もちをついている写真」にしか見えないのである。
それよりも1人旅なのにそんな写真があるということはセルフタイマー撮影である。
全裸でカメラを取り出し、全裸でカメラをしかるべき場所に置いてタイマーをセットし、
全裸で走って水たまりのような温泉まで戻って写真に納まったということである。
まあ誰も来ないような離れ島の海辺だから良かったようなものの、
例えば若い女性2人組がたまたま観光でそこを訪れており
「すいません、シャッター押してくれませんか?」だったとしたら背筋が凍る思いである。

去年コウベくんは奥さんと新穂高温泉に行ったそうだ。「また雨だった?」と訊いたら
やはり当然のように雨だったらしく、旅館内でずっと奥さんと卓球にいそしんでいたそうだ。
夫婦なら別のコトにいそしんで欲しいものである。

彼は海外協力隊に入れば素晴らしい功績を残せると思う。何たって究極の雨男である。
アフリカ砂漠地帯に送り込んどけばその地域は干ばつの被害から救われるかもよ。

最後に彼にまつわる最新情報をお伝えしておこう。
コウベくんは先日、岡崎地区に来た時くらがり渓谷近くの川を見て水浴びがしたくなり、
誰もいないような場所で営業車を停めて全裸になって泳いでいたらしい。
もし見つけたらそれは幻の生き物カッパではなくコウベくんである。
頭部の特徴が似てるだけでカッパと決めてはいけないぞ。


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