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今日付けの日経MJさんにもご紹介されていたが、現在、下着メーカーの団体・日本ボディファッション協会さん(O事務局長さん、大変ご無沙汰致しておりますが、お元気でいらっしゃいますかーっ?)が、「SOMETHING BLUE(サムシングブルー)」という青い下着を前面に打ち出すキャンペーンを行っている。今、超人気ネットショップの白鳩さんのサイトを見たら、白鳩さんもこのキャンペーンに参加なさっておられるんですね。しかも、お買い上げ金額に応じて全員に当たるプレゼントまでご用意しておられるという太っ腹ぶりだ。但しよくよく見ると、価格帯が高い商品のみが対象であるようだが、それでもどうせ買うならこういう時に、と思っちゃいますよね。さすが白鳩さん、なかなか商売上手である。リアルショップの皆様も負けずに頑張りましょう!と前置きはこのくらいにして、なごり惜しいですが、このエントリを持って、楽天広場でのブログの執筆は休止させて頂きます。このブログ「両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in Fashion)」を開始したのが厳密に言うと2004年5月30日、実質的には6月1日スタートだったのでちょうど丸2年、本当にあっという間の短い時間でした。私の場合は、以前業界紙の記者だったので、文章を毎日大量に書くということ、そして書いた文章を多くの方々に読んで頂くということについては経験があった。そのノウハウがあったから、あまり時間をかけずにこのブログをほぼ毎日に亘って書き続けることが出来たのだと思うが・・・。ブログをやって一番良かったな、と思うことは、普通に生活しているだけでは知り合ったり交流したりすることはほとんどあり得なかっただろう、という、様々な方々と触れ合うことが出来たとおいうことだ。ファッション業界人であるかないかは元より、年齢も性別も、日本在住か否かも超えて、ネットを通じてコミュニケーションできることの素晴らしさ、それを身を持って経験できたことは、非常に有難いと思っている。もう1つは、毎日自分が関心を持ったテーマについて調べることで、自分の知識が徐々に増えていったこと。そして、それが、アーカイブとしてネット上に蓄積され、同じテーマに関心のある皆様に多少なりとも参考にして頂けるようになっている、ということだ。もちろん、前にも書いたがこのブログは客観報道ではなく、あくまでも私個人の意見・主観に基づくものなのでご覧になられて「何だい、くだらないことばかり書きやがって」と思われる場合も少なからずあるのではないとは思うが(^^;;毎日毎日検索エンジン経由でこのブログに非常に多くの方にご訪問頂いていた結果が、230,000件超というヒット数につながっている。皆様、本当に有難うございます。第3は、ブログが私のペースメーカーになり目標管理ツールになっているということ。残業で遅くなるとわかっていても毎晩小1時間はブログのための時間が必要だとわかっているので、かなり自己管理をするようになった(但し、酒量は減りましたが、体重は全く減っておりませんが・・・笑)。ネタ探しが理由、ということもあるのだが、「次はどこへ行こう」「あの本を読もう」「こんなことにチャレンジしよう」という短期的な目標をしっかり持つようになって、生きがいが出来たこうやって書いていると良いことずくめであるように思えるかもしれないが、1次情報を得ず、リアルやネットショップをこの目で見た感想だけで書いた文章、しかも特に行政系のイベントや大企業さんにはやや辛口なコメントをつけていることが、少なからず関係者の皆様のお気持ちを傷つけているのではないか、そういう忸怩たる思いを感じることもある。純粋な消費者の方が何気なく書いたブログと、「元記者」が書いたブログのエントリのネガティブな表現の重みは違うんじゃないの?そんな風に指摘されたこともあるし。以前取材して書いていた経験を持つだけに、取材が出来ない辛さも強く感じるのだが、中立を装うのではなく消費者と中小企業の目線で書くことに徹するのも悪くはないんじゃないか、当面は自分が書きたいと思うことを素直に書いていこう、そう思っています。私のブログは文章も長いし、好き嫌いがはっきりと分かれると思いますが、良かったら引き続きご愛顧下さい。最後に、著作権の問題等、気になる点もございましたが、足跡機能や楽天さん独自のアフィリエイトがあって、初心者にも使い勝手が良くブログ仲間が作りやすく、しかも無料で使えるこの場=楽天広場をご提供して下さった楽天さん、ありがとう。そして、毎日のようにこのブログを訪ねて下さったブログ仲間の皆様、皆様のブログを読ませて頂くことが、私の元気の素でした。暖かい沢山のコメント、本当にありがとう。そして、幸せになろうね。明日からは、ココログの「新・両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in Fashion)」及び、アパログの「両国さくらの☆ネットでファッション☆」の方でお会い致しましょう!移転先:◆新・両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in Fashion) http://ryogokusakura.cocolog-nifty.com/blog/◆両国さくらの☆ネットでファッション☆ http://www.apalog.com/sakura人気blogランキングへ
2006年05月31日
そうこうしているうちに、ブログの移転リニューアルがもう明後日に迫ってきた。楽天さんとの別れはなごり惜しいが、新しい実験的なコンテンツもブログ上で試みていきたいので、特に楽天仲間の皆さんにはちょっとご不便をおかけ致しますが、良かったら新しいブログにも引き続き遊びにいらして頂けるとウレシイです。さて、今夜は、ファッション業界の若きベンチャー、(有)Open-ClothesのK君から、新規事業のニュースリリースを頂いたので、そちらをご紹介しよう。最新のファッション系展示会カレンダーと展示会に出展された商品をバイヤーや一般の方向けに紹介するサイト「OCX(オーシーエックス)」が本格稼動した、というお知らせだ。見ての通り、アパレルや雑貨関連の感度の良いブランド、ヤング~キャリア向けのブランド、新進クリエーターのブランドが数多く掲載されているので、参考になる。最近業界紙等でも報道されているが、ここ1、2年新しい合同展示会が数多く誕生しており、なかなか全てをカバーできないと思っておられるバイヤーさんは、特に地方の方などには多いと思うのだ。私もそうなんだけど、紙のDMの整理も意外と手間隙かかってしまうものだが、このサイトがあればそういう必要もなく便利ですよね(^^)皆様是非ご活用下さいませ。今日のアパログのエントリはコチラ↓↓↓・・・「SNSも手掛ける地域密着型情報サイト、香川の『ドコイコ』」人気blogランキングへ
2006年05月30日
本日発売のWWDジャパンさんの5月29日号はメンズ・ファッションの特集だった。店頭を見ただけで想像はつくが、同紙によると、今、有力セレクトショップや百貨店さんのメンズ売り場は軒並み絶好調らしい。新富裕層のお客様がドカンと大人買いされるとか・・・いやはや、お金のある方がホント、うらやましいっす。今年度のうちの会社のパワーアップセミナーのコーディネーターを務めて下さっている有限会社ファッションリンクス代表取締役の福永成明さんがこの間おっしゃっておられたのだが、日本では今、メンズとレディスの売上高は1対3の割合らしい。欧米は平均1.8くらいで、日本のこれまでのファッションは女性偏重に相当偏っていたのだが、ここに来て、40歳過ぎのチョイ悪オヤジ世代とか、団塊ジュニア以下の世代の一定の塊の人達は、百貨店さんのオジサン売り場のような服では満足せず、何歳になってもセレクトショップで商品を選ぶように変わってきている。もちろん、お金がないとか、忙しくて自分で売り場に行けないとか、興味がないとか、様々な理由でファッションから遠ざかっている人達も依然として数多いが、昔に比べると急速に状況が変化してきている兆しが見えるのだ。「日本も今後は徐々に欧米に近づいてくるんじゃないか」、と福永さんは期待を込めて語っておられた。レディスに関しては、今後少子高齢化の影響が相当効いてくると予想されるが、メンズでは人口は減ったとしても感度の良いそれなりの価格のものが売れてくるとなると、まっとうな商売をなさっておられるアパレルさんや小売業の皆さんにとってはやりがいのある状況になる訳だ。昨今の状況を見ていると、ホント、メンズは雑貨関連も含めてどんどんどんどん面白いマーケットが生まれつつあるなぁ、と思います。現場の皆さんも希望を持ってもっともっと頑張って頂きたいものですね(^^)さて、今日はそんなメンズの、最近人気急上昇中のデザイナー、クリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)さんのお話。彼のネタは何度かこのブログでも取り上げたことがあるが、今日付けのWWDジャパンさんに、「クリス・ヴァン・アッシュ誕生秘話」という心温まる記事が掲載されていた。前にもWWDさんには、クリスがトランスコンチネンツと共に今秋立ち上げる新ブランド「Taylor Design」の仕事を非常に真面目にこなしておられる由(トラコンの社長さんの、「約束をこんなにきっちり守る外国人デザイナーは初めて」といった趣旨のコメントが掲載されていたように記憶している)紹介されていた。更に、クリスは、トラコンとの取り組みについては自分の名前を冠したものでなくても全く気にならない、と明言もしていたのだが・・・。今日の記事は、ユナイテッド・アローズの栗野宏文常務との交流のお話だった。栗野常務は早くからクリスの才能を見抜き彼に業界のある人物を紹介、就職のチャンスまで与えておられたそうですね。ネタバレしてしまってはWWDさんに申し訳ないので、細かいことをお知りになりたいクリスファンの皆さんは是非同紙を買って読んで頂きたいと思うが、クリスがチャンスを掴むくだりよりも、「その後」の話の方に是非着目して頂きたいと思う。クリスの人間性の良さを感じるエピソードで、さくらも非常に感動致しました。ファッションデザイナーとして成功できる条件として、クリエーションのレベルの高さとかとんがった個性を連想される方も多いだろうが、現場でお仕事をなさっておられる業界の方に伺うと必ず「人柄の良さ」というのが挙がります。何のビジネスでもそうだろうが、ファッションビジネスは一人では出来ない商売だ。仕入先や売り先、様々な業者さん、スポンサーさんの存在、そして社内の先輩、後輩、同僚とのチームワークの力があって初めて実現する。「自分さえ良ければ」という人は、周りから助けてもらえなくなるのだ。専門学校の職員の方々に伺っても、「人柄の良い生徒を学校としては企業に強くプッシュする」という話は、異口同音に出てきますね。これからアパレルやファッション系小売業に就職されようと思っておられる方、是非心しておかれると宜しいかと思いますよ(^^)ということで、来月には早くもメンズはピッティ・ウォモを皮切りに次シーズンのトレンドが発表されるのだが、2006~2007年秋冬のクリス・ヴァン・アッシュのコレクションを、クリス自身のサイトとstyle.comの両方で是非ご覧下さい。メンズ全般のトレンド同様、グレーのスーツとかシャツとか、フランネルのダブルブレステッドコードとか、細めのネクタイとかいろいろ出てきますが、クリスらしい、微妙なバランスのくずし方(パンツをブーツインして、シャツの襟元をボタン2つくらい開けたりとか・・・)や、カジュアルなアイテムへのちょっとしたデザインの落とし込み方(太目のストライプのシャツに、市松格子のベルトの組み合わせや、織りがストライプになっているシャツに黒の大きな花を胸元にプリントであしらったシャツ+グレー地に黒の切り替えのラインが入ったジャージーのパンツ等々)は、お洒落心のある男性を魅了して止まない彼ならではの巧さ、だと思います。◆Kris Van Assche公式サイト◆style.com(PS.クリスとトラコンの取り組みをご紹介しておられたブログ、「LONDONTOKYO STYLE」さんからリンク&トラックバックさせて頂きました)。アパログ連載「両国さくらの☆ネットでファッション☆」、本日のエントリはコチラ↓↓↓・・・「SNSショッピング『ビルコレ』その後ーショップチャンネルとユニクロが加わりましたー」人気blogランキングへ
2006年05月29日
ちょっと深掘りしすぎかもしれないが、ここまで書いてきた責任もあるし、もう一丁ゼイヴェルさんネタで・・・。IT業界の方にはよく知られていることであるようだが、同社はシステム部門を内製化していない。(株)ゆめみさんという、非常に優秀なパートナーとタッグを組んだことが、ここまで躍進できた原動力になっているようだ。その(株)ゆめみの、深田浩嗣社長へのインタビューが、先月末に「湯川鶴章のIT潮流」で2度に亘ってPodcasting(ポッドキャスティング)で紹介されていたので、興味のある方は是非ご聴取下さい。少しだけ、YouTubeによる、ビデオ画像もアップされております。◆「湯川鶴章のIT潮流 powerd by ココログ」・・・「株式会社ゆめみの成功の秘訣ー深田浩嗣氏」◆◆「湯川鶴章のIT潮流 powerd by ココログ」・・・「ケータイ2.0ー深田浩嗣氏」(ちなみに、ネタバラシをしてしまうと、私がこのブログを移転し、「新・両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in Fashion)」でポッドキャスティングを始めようと思ったきっかけは、この番組を聞いたからだ。こういう番組のファッション版をやれないか、と単純に思ったんですよ。その後、自宅のPCが故障し、毎日いろいろなサイトをチェックできなくなってしまっている間に、この番組で生じたトラブル。その発端になった、削除された番組を聞いていなかったため、頭の悪い私には、真相が全くわからないのだが・・・?元々ミーハーな動機で飛びつこうとしていたのが悪いのだろうが、正直、私のポッドキャスティング熱は一気に冷めてしまった。説明できない事情があるから沈黙なさっておられるのだろうが・・・。参加型ジャーナリズムの難しさ、説明責任の問題。湯川さんのコメントを、さくらは待っております)。ネットやケータイの世界で大きく成功するには、技術の進化の方向を正しく予見し、それを先取りできる能力が不可欠だと私は思う。売り場構築は建物を建ててもらったらとりあえずは終わり、というリアルの店舗ビジネスとは違い、システムは不断に進化させなければならないものだからだ。モバイルとPCユーザーの違い、ケータイの特性を生かしたビジネスモデルの構築(庶民にショッピングや情報発信やコミュニケーションの楽しさを知ってもらいたい、という深田社長の思いには、非常に共感できるところが大きいですね)、Web2.0になぞらえた「ケータイ2.0」という考え方、全て的を射ているなぁ、と思って興味深く聞かせてもらった。中長期的にはPCとケータイのユーザーは重なり合ってくるだろう、という見方も、正しいように思いますね。勝手サイト(公式サイトではない、自前サイト)の方が面白いとか、ケータイ用RSSリーダーのアプリを開発しておられるとか、ふむふむ、と納得させられる話ばかりだった。インタビューの最後の方では、ソフトバンクのVodafone買収をどう見るかということと、Googleの脅威に技術系企業としてどのように対応していくのか、という重要なポイントについても触れられている。このインタビューの中にもそういう話題が出てくるが、ケータイ通販、Eコマースというのは、モバイルの業界全体のビジネスの流れの中では一部の分野であって、大きなトレンドの流れも知っておかないと正しい戦略は導き出せない。このインタビューを聞かれて、「だからゼイヴェルさんは成功しているんだ」と、ネットやケータイで通販をご経験なさっておられる皆さんは、きっと納得されたことと思う。いくら良い商材が揃っていても、仕組みが整っておらずグラグラしているサイトでは売り上げは作れないのだ。ただ、大きい会社、優秀なベンチャー企業だけが出来る、という訳ではないと私は思う。小さな企業さんでも自分で苦労して通販を始めておられる方は、ネットやモバイルの商売のツボ、Web2.0なんて言葉は知らなくとも、この番組で語られているような話、時代がどういう方向に向かっているかは体で感じておられる筈だ。さくらの周りの先駆者的な中小企業さんは皆さんそうですからね。逆に、自前で取り組んでおられない方、ゼイヴェルさんお任せ(笑)、みたいな企業さんの方が、将来は危ういという気がする。自社の得手とする部分に特化し、他はプロに任せる、というのも良いのですが、通販という狭い分野に限らず、ヤングのライフスタイル全般を変化させている大きな流れというものをきちんと把握しておく必要があるように思います。こちらのブログも面白いよ↓↓↓「両国さくらの☆ネットでファッション☆」・・・今日の御題は「UCモール、楊鳴一社長の本、中国に実店舗の出店をお考えの方にもお勧めです」人気blogランキングへ
2006年05月28日
お取り引きなさっておられる企業さんにはある程度は情報開示なさっておられるのだろうが、華々しいTGC(東京ガールズコレクション)以外の話題がなかなかファッション業界に伝わってこないゼイヴェルさんネタの続きです。5月24日(水)の、スクウェア・エニックスさんと新会社を設立して新しいSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を立ち上げるとのニュースと、その前の、WWDジャパンさんの5月22日号のネット通販&ケータイ通販特集を見て、いろいろと疑問が沸いてきたので、ネットで少し調べてみた。まずは、既にご存知の方も多いかもしれないが、「7StarVentures-エピステーメー-」というサイトで、2005年7月からゼイヴェルの大浜史太郎社長へのロングインタビューの連載が続いている。インタビュアーは(株)ベンチャー・オンラインCEOの唐澤誠章氏で、中々力の篭った内容だ。このインタビューを読んだ率直な感想だが、大浜社長は、最近マスコミで騒がれている、「76世代」(1976年生まれの、はてなの近藤社長、ミクシィの笠原社長など)の経営者達とは違うタイプの、ユニークな個性をお持ちだということ。ご自身も認めておられる通り、基本的にはPCではなくモバイルの世界の方だし、技術面でのトップランナー、という訳ではない。PCのネットの世界の動きを睨みながら、ケータイでは他社に先行する、という戦略を取っておられる。その際の同社の武器は、コンテンツ作りのうまさとか、感性に訴える販促、なのだ。非常に論理明晰なタイプでありながらも、我々ファッションの業界に相通ずるような、「右脳系」、水っぽい匂いを持っておられるようで、なかなか面白い方ですね。やはり、元はTVの構成作家をなさっておられたということで、ヒトのココロの微妙な綾を読むことに長けておられるように感じる。印象に残ったのは、「社員に仕事に全力投球してもらうため、社内恋愛を禁止している」というくだりと、「35歳定年制」の話である。コレ、残酷なようなんだけど、恐らく自社の社員さんの特性とか、ギョーカイ特性を非常に良く掴んでおられますよ。確かに、特に女の子で優秀な子が、恋をしたとたんに仕事は2の次に、なんてことはよくある話だし(笑)・・・。同社のターゲットとしている年齢層からしても、ケータイ、モバイルの業界の進化の早さについていくためにも、35歳過ぎている人間は少なくとも現状では使い物にならない、というのも良くわかる。今も昔も、さくらがお世話になっているアパレルやヤング向け小売業の社長さん達の何人かは、「35歳過ぎたらヤングのバイヤーからは外れてもらう」「40歳になったら、物流など裏方に回ってもらう」とおっしゃっておられるが、それと似ていますよね。ただ、「独立してもらう」と「裏方に回ってもらう」は、雇用を保証しているかどうかという点で大きく違いますから。初めから独立できないレベルの人間は採用しない、と言い切っておられるのを無責任ではない、と見ることも出来るだろうし、このような不安定な会社には就職しない、という人も当然多いだろう。その辺は、賛否両論分かれるところだと私は思います。それはさておき、ゼイヴェルさんの売上高の実情は、一体今どうなっているのだろうか?大浜社長は、「7StarsVenture-エピステーメー-」のインタビューの中で、「マスコミへの情報公開については気をつけている」ということを語っている。ライバルに模倣されることを恐れておられる訳で、それは無理からぬことだが、正直、取材する側の突っ込みも足りないのではないか、という気がしてならない。昨年6月17日付けの繊研新聞さんに、「ガールズウォーカーは月商4億5千万~5億円規模になっている」旨が掲載されている。その後、2005年8月8日付けの「7StarsVenture-エピステーメー-」では、同サイトのCVR(コンバージョンレート)がまだ0.4%しかない、と大浜社長が述べておられた。前、「両国さくらの☆ネットでファッション☆」に書いたが、ネット通販の業界では現在はCVRは最低0.7%以上はないと失格、と言われている。裏を返すと、「まだまだ成長性は高い」と見ることも出来るのだが、果たして現状ではどの程度まで伸ばしてきているのだろうか。ゼイヴェルさんから出ている数少ない情報の中で、気になっている点が2点ある。ベンチャーナウのサイトに昨年9月、ガールズウォーカードットコムの月間PV(ページビュー)は約30億、総読者数2,700万人と掲載されていたのだが、WWDジャパンさんの4月24日号の特集では、前者が26~28億、後者は未公表となっていたのだ。「30億」と「26億」、いずれもケタ外れに大きい数字ではあるが、かなり違う数字である。両方共本当の数字であれば、1割以上減少していることになる。これは何故なのか?更に、会員数も、ひょっとしたら減り始めているのではないのか?ここから先は推論になるが、ケータイにはまっているF0層(女子高生)やF1層(20~34歳)の女の子達も、日々成長・進化しているのだ。ある時期、エビちゃん、もえちゃんと騒いでいても、そこから「卒業」していく時をいつか迎える、というのは、大いに考えられる。ケータイブログを始めても、PCが買える、自宅において頻繁に立ち上げることの出来る経済力と時間があれば、そちらへ移行、ということもあるだろう。ケータイの小さい画面だけでは得られない情報を得たり、友達を作ったり、買い物をすること、あるいは自ら発信する面白さを覚えてしまうと、最早モバイルには戻ってきてくれない子達も多いのではないか。たまには見ることはあったにしてもね。もう1つ、これは同社に限らず、全ての企業さんが今直面している問題であるが、ヤングの数は年々着実に減り続けている、ということも影響しているのかもしれない。だからこそ、後述するが、同社はファンの女の子達、そしてネクストのジェネレーションの女の子達に向けて、常に新しい仕掛け、サプライズを提供していかなければならないのである。さくらが気になっている点の2点目、それは、オークションサイト、ガルオクさんのことである。今、久々にガルオクをチェックしてみたんだけど、正直、ガラガラ、でした。ほとんどの商品が入札ゼロである。ごくごくたまに、「CanCam蝦チャン系花柄フリルワンピ」なんて書いてある商品に42件入っていたりするけれど。ビッダーズさんとか、ヤフオクのモバイル版に比べると、差は歴然としている。たぶんもう、ガルオクではモデルさんが出品したような商品とか、今すぐ着られる旬のアパレルくらいしか売れない、ということは、ケータイユーザーの間でも有名になってしまっている筈だ。2ちゃんねるには、「出品者に詐欺師や常識のない子供が多い。オークションはPCの方が信用できる」とか、「サーバが重すぎる」(この書き込みは何件もあった。これはケータイやネットのビジネスでは致命的ですよ。ということは、この分野はゼイヴェルはかなり捨ててかかっている、と見た方が良いとさくらは思う)などなど、辛らつな書き込みが一杯だ。小さな売り上げの集積で稼ぐC2Cの分野でこうなってしまうと、なかなか巻き返しは難しいのではなかろうか。わずか1年前の2005年6月17日付けの繊研新聞には、「ガルオクの月間流通総額50億円以上、会員150万人」なんて威勢の良い数字が踊っていたのだ。このように、ケータイ業界のビジネスは、まだ流れが流動的であり、現在の優良企業が超大手に飲み込まれる、あるいは後発に追い抜かれる可能性も高いのである。では、同社はこれからどういう方向に向かおうとしているのだろうか?5月24日付けのこのブログに書いたが、ネットビジネスの企業戦略は大きく2つに分類できると私は考えている。1つは、Web2.0系のGoogle、Yahooや、日本のmixi、はてななど。なるべく多くのユーザーを集め、薄く広くお金がチャリーンと落ちてくる仕組みを作ること。もう1つは、ページビューの多さではなく、CVR(コンバージョンレート)を上げ、目的意識を持って訪問してくる人やリピーターから売り上げを取っていく方法(大半のネット通販)。今日、「7StarVenture-エピステーメー-」を読んでいると、興味深い記述に行き当たった。1つは、思い出してみると、確かにこれは大浜社長は前から繊維ファッション系の媒体でも語っておられたように記憶しているが、ガールズウォーカードットコム全体としては通販サイトではなく、女性向けのポータルサイトである、と位置づけている、というくだり。もう1つは、「コマースの売上高は100億円程度で良い」と明言しておられることだ。これはたぶん、正しい戦略だという気がする。ピュアヤングからヤングの、レディスの感度の良いブランドだけをターゲットにしていくと、どうしても成長の限界というのは出てくるだろうから。年代層の高すぎる、あるいは低すぎるゾーンまで入れると、サイトのとんがりがなくなってきますんでね。ひょっとしたらゼイヴェルさんは、そろそろこの100億円の目標は達成できる段階に近づいてきているかもしれない。皮肉なことに、PVは落としつつCVRは上がる、という、通販に限っては理想的な法則にはまりながら・・・。だが、女性向けの総合ポータルを築き、そこからファッション系通販に限らず多様なビジネスを派生させていくと考えれば、PVが落ちる、というのは望ましい状態ではない。だから、次に向かう方向は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)なんですよ、間違いなく。ファッション業界の人達にこういう難しい話をしてもわからんだろうな、と思って、そういう話題はわが業界の業界紙の記者さんの前ではオクビにも出されないんでしょうけどね(笑)。PCの業界でも、まだ、女性のみのSNSというのは、立ち上がっていない。これがもしうまく行くとしたら、しかもモバイルの世界で、というと、完全に世界初の事例になるだろうが・・・。さくらが前々から感じていることが1つある。PCのネットの世界では、IT系企業さんがうまく仕掛けたから、ということもあるが、草の根のネットワーカーさん達の中に何人もの新しいもの好きのオピニオンリーダーさん達が居て、彼らが口コミでネット上のニュートレンドを広めていく、といった現象が定着している。だけど、ガールズウォーカードットコムが今前面に出しているエビちゃんは、雑誌発、上からの仕掛けなんですよ。サイトの利用者の女の子達は、まだまだ受け身なのだ。女性達でも、むしろネットでアフィリエイトをやっているママさん達なんかの方が余程能動的、活発で楽しげだ。ケータイ、という小さな画面、メインユーザーも年齢的にもキャラクター的にも幼いタイプが多い、ということになると、どうしてもTV的、雑誌的な上からの仕掛けでプッシュしていかないと市場は作れない、というのがこれまでの状況なのだろうが・・・。SNSを成功させるには、参加者が自由に動きやすい仕組みを作ってあげる必要があると思う。それが、女の子だけ、というフレームで、果たしてうまく行くのか?もし男子も入れるとしたら、スクエニさんと組んだことと洋服の通販(現状では主としてレディスのみ)という同社独自の武器をいかにして生かしていくのか?既存顧客の回遊でそこそこ数字を取っていけばよい、という考えだと思われる就職サイトや不動産賃貸の斡旋とは違って、この事業には相当に力を入れて臨んでいかれるのではないかと私は予想しているのだが、さて今後、どうなるでしょうか?上場企業である、スクウェア・エニックスさん側の意向もあるでしょうしね。人気blogランキングへ
2006年05月27日
重要なニュース・ラッシュの今、毎日毎日書きたいネタはありすぎて困るくらいなのだが、最近水面下で激しく働いているので時間がナイっ!!今日も帰りが遅くなってしまったので(笑)、手抜きブログ気味だけど勘弁してチョ。昨日、コンビニのセブンイレブンさんのシステム刷新の話をご紹介したのだが、少し前に、GMSのイオンさんのケースが「日経ビジネス NB online」に出ていたので、そちらにも触れておこう。同社の縣厚伸・常務執行役IT担当へのインタビューだ。5回に分けての連載で、かなり読み応えのある、中身の濃い内容になっている。90年代後半からのIT投資総額が750億円(昨日のセブンイレブンさんは500億円でしたよね)だったとか、無線LANを導入している点は同じだなとか、セブンさんのケースと比較しながら読んでみるとなかなか面白い。フランチャイズ方式を取っているコンビニとGMSの違いもいろいろ浮き彫りになってくるようだ。私の感想、2点だけ記しておくが、1点は、企業のIT化は、あくまでも業務改革、というか、BPR(ビジネス・プロセス・エンジニアリング)と同時並行的に進めないとうまく行かないのだろうな、ということ。もう1点は、自動補充発注について触れられた部分で、生鮮食料品などの管理は自動化しなかった、ということ。縣厚常務がおっしゃっておられる通り、そういうきめ細かさがアメリカと違う点であり、日本の小売業の強みなのである(裏を返すと海外進出の際の弱みともなりうる部分かもしれないが)。そういう、いい意味でのアナログなMD力を、衣料品部門でも発揮して頂きたいなぁ、と思います。今まさに、改革の途上にあるのだと思いますが(ナゴヤドーム店をまだ自分の目で見ていないので、この点についてはコメントできないんですけどね)。こちらのブログも益々大好評(^^)/ ↓↓↓「両国さくらの☆ネットでファッション☆」・・・今日の御題は「Google、クリック再生型動画広告を開始」人気blogランキングへ
2006年05月26日
いやはや、進化しているのはネットやケータイの中だけじゃないんですよね。リアルの店舗ビジネスのIT活用、こちらの方も、アメリカに負けじと、日本の進んだ企業さんは頑張っておられる。今日発表された、セブンイレブンさんのこのニュース。総投資額500億円、というケタはずれに大きな数字にも度肝を抜かれるが、実際にどのような店舗システムが導入されたのかという説明を垣間見ると、さすがセブンさん、と唸らされる内容だった。同社自身のニュースリリースに、かなり詳しい記述があるので、リテイルビジネス、アパレルさんのSPAご担当者の皆様などには是非お読み頂きたいが、時間のない方のために、私が感心した点について短くまとめておこう。1.店舗システムで、音声、動画による商品説明が見られるようになっていること。これは時流、ですね。言葉による説明よりは、棚割りの問題など、一目瞭然でわかりやすくなるのではないだろうか。2.セブンイレブンの電子マネー「nanaco(ナナコ)」だけでなく、他社企画の電子マネーも使える非接触リーダーライターをレジに備え付ける。これ、小売システムに関する展示会「リテイルテックジャパン」を見るたびに思っていたんですが、カードリーダーが幾つもレジ周りにあるとお客様にとって紛らわしい上買い物かごを置きにくくなってしまう。それにしても、POSレジの変更に含めて一気にやってしまうとは、凄いことである・・・。3.店内に無線LANを配備IT系企業のオフィス並みの環境ですね。売場にも事務所にもちゃんと無線LANのアンテナを置いて、売場の商品情報を見ることが出来るようにするそうだ。4.小売店にとっての「あったら便利」メニューの充実店舗システムに配備されている「チラシ作成機能」「天候情報」「レシートにクーポン券、QRコード等を印字できる機能」等々、本当に痒いところに手が届いているなぁ、とひたすら感心させられた。こういうものがあれば、店舗独自の販促がガンガンかけられますよね。5.セキュリテイ対応の強化これが、ハンパじゃないっす。まずは、無停止サーバを横浜と大阪の2箇所に配備し、完全バックアップ体制を実現、また、センターへの回線引込局や通信機器等も2重化するそうだ。ここに来て、コンビニ業界全体の売り上げは頭打ち傾向を見せており、発注の精度を上げて売り逃しを防いだり、セルフ販売ながら仕組みとしての顧客へのサービスを向上させる必要性は前にも増して高まっている。まさに、情報戦の様相を呈している業界だが、電子マネーの導入と合わせてのこのタイミングでのインフラの整備で、セブンイレブンの競争力はまた一段とアップするのではないかと感じるのは私だけだろうか?こちらのブログもお役立ちネタが満載♪「両国さくらの☆ネットでファッション☆」・・・今日のお題は「日本語のまま中国のホームページが検索できるサイト『JChere(ジェイシーヒア)』」人気blogランキングへ
2006年05月25日
このニュース、本当はアパログさんの「両国さくらの☆ネットでファッション☆」の方に書いた方がいいのだろうが、そちらには今日は別の話題を取り上げようと思うので、こちらでご紹介させて頂くことにしよう。今朝の繊研新聞さんのトップ記事よりは、このニュースの方がネットやモバイルの業界人にとっては余程大ニュースだろう。良くも悪くも(笑)ファッション業界の風雲児になっている、ゼイヴェルさんの話なのだが。{ちなみに、フランスの「ジャパン・エキスポ」は、誰でも出られるようなイベントのようですしね(さくらの知人も何年か前に出てます)。アルバローザ・ジャパンは、実際の企業運営はアパレルのプロに任せる、いわゆる投資のようなもので、ゼイヴェルさん本体にとっては痛くも痒くもない事業だ。繊研新聞さんをご購読でない方は、何のことやらおわかりでないだろうが、是非お金を出して読んでチョ。}しかし、こちらのビジネスモデルは、ネットやモバイルビジネスのツボを知らない人間にとっては、恐らく手も足も出ない範疇のもの。さくらと同年代以上の、アナログ世代のファッション業界人の発想では、思いつきもしないものだと思う。◆ゼイヴェル・グループとスクウェア・エニックス、「株式会社スタイルウォーカー」設立(ゼイヴェル公式ホームページ)◆スクウェア・エニックスが女性をターゲットにしたソーシャルネットワーキングサービスを提供(ファミ通.com)ついおとつい、私は、「両国さくらの☆ネットでファッション☆」に「mixiミュージック」について、「このようなサービスをファッションでもやれるはず」と書いた。ゼイヴェルさんとスクウェア・エニックスさんのビジネスモデルの一部は、私がイメージしていた形に近いものだ。アバターは、Yahooさんなどで既にかなり多くのヤングに受け入れられている。アバターが着ている服を本当に買えたら、という発想は、当然その延長線上で出てきますよね。このビジネス、果たしてどのくらいの売上規模になるのか?SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)がらみの話題の常で、まずは収益よりも会員数を、ということなのか、「初年度50万人」という数字が掲げられている。恐らく会費は他のSNS同様無料、アバターの洋服代なんてそんなに高くは出来ないだろうから、実質的な売り上げは通販で取っていくとして、50万人のうちの2%の1万人が月5,000円買ってくれれば月商5,000万円、年商6億円・・・オイシイビジネスだなぁ・・・とは問屋が卸さないはずなのである。というのは、以前ヤングやキャリア向けレディスのファッション系ネット通販ポータルの大手企業さんに伺った話だと、パソコンのみのシステム投資に月1,500万円くらいかかってしまう、ということだったので。ニュースリリースによると、PCだけでなくケータイでもやっていかれる、ということは、サーバの管理運用だけでなく、PC用画面、ケータイ用画面→3キャリア対応に変換、と尚のこと投資の額は大きくならざるを得なくなる。この辺を誰かに詳しく取材して頂きたいのだが、ゲームと違って、一度開発したら終わり、後はそのコンテンツからロングテールで回収、という訳にもいかず、人件費やその他の経費を考えても、数億円程度の売り上げでは、まだまだ割に合わない、というところが多い筈である。今週号のWWDジャパンさんで、スタイライフの岩本社長が、「売り上げ30億円を超えた頃から黒字化し始めた」と語っておられるのは、前述の推論とぴったり合う話で、非常に納得のいくところだ。ゼイヴェルさんはそのWWDさんの特集の中で、ケータイ通販の「ガールズウォーカー」、PC通販の「ファッションウォーカー」の売り上げを公表しておられない。恐らく、まだまだ実際は厳しい、というところなのだろうが・・・。さくらが非常に気になっていることが1つある。それは、同社のケータイサイト、ページビューの数は26億~28億ビューと、他のファッション系通販に比べてケタ外れに多いのだ。同社はそのことを恐らくアパレルさんへの営業の際の武器になさっておられると思うのだが、この点が実は、ネットビジネスの業界で次第に明らかになりつつある成功モデルに合致しないところが大きいのではないかと私は思っている。ネットの成功パターン、というのは、今、両極に分かれつつある。GoogleやYahooの検索連動型広告、ではないが、圧倒的多数の利用者を集めて、薄く広くお金がチャリンと落ちてくる仕組みを作る、というもの。mixiなんかも、最初は「儲かってんの?」と言われ続けてきたが、先に集客をしておいて回収、という段階に入ってきていると私は見ています。このビジネスモデルを取るには、とにかくサーバがダウンしたり、システムに不備が出ないように、徹底的な増強を続けないといけない、ということ。技術面で先行しなければ勝てない、ということもあって、多くの企業さんはこの領域に入るのは難しいようですね。もう1つの、大多数の一般ピープル(笑)が取るべき道は、ページビューではなく、目的を持ってやってきてくれる顧客をしっかりとつかみ、そこで商売をしていく、というモデルである。大半のネット通販や、ビジネスサイトはこちらに入ると思う。但し、実際はこの中間的な領域もあって、楽天さんとかリクルートさんなんかはそこをうまく攻めているし、アフィリエイト会社さんとか価格比較サイトさんなんかのように、ネット上での新たなサービスの創出や利用者の不便の解消を目指すというビジネスモデルもある。ゼイヴェルさんは、正直、まだまだ楽天さんとかリクルートさんレベルにはなっておられないのではないか、というのが、私の考えなのだ。但し、ケータイの世界はネットよりまだ未成熟、ということも言えるから、これからの頑張り次第、ということになってくるかもしれないけどね。もう1点だけ書いておこう。実は、「F1層を狙う」というターゲットの問題も、実はビミョーなところだとさくらは思っております。アバターそのものは、むしろ、もっと若いF0層(女子高生)の方が喜んで買うものかもしれないんだよね。しかし、最終目的が「通販」の方にあるので、ここは女子高生ではなくもっと大人を狙っていく必要がある。その辺の持って行き方、それがこのビジネスの成否を分けるように思うのだが。実は、女の子、女性を対象にしたネットとかモバイルビジネスって、男性対象よりはかなり難しいように私は思っている。女性は、例えばいわゆる「ネトゲ廃人(ネットゲームにはまりすぎて社会的不適応気味になってしまった人のこと)」なんかには男性に比べてなりにくいように思うんだ。一時期何かにはまったとしても、離れるのも早い。友達なんかの意見もよく聞くし、大半の人が金銭感覚も含めてまっとうなバランス感覚を持っているように思う。ただ、若い世代になればなるほど、ネットやPCを触っている時間というのはさくらのような年寄りよりは長くなっているのは間違いないだろう。先月、インターネットカフェに入り浸っていた時は、高校生くらいの女の子でいかにもゲーマーといった雰囲気でネット内の敵を凄まじい勢いで早撃ちしている女の子を見かけたし・・・。今、「おしゃれ魔女ラブ&ベリー」に熱中しているような子供達があと数年でファッションデビューするようになれば、リアルでの着こなし以上にネット上での分身の着こなしのセンスの良し悪しが気になるようになるかもしれない。その辺の感覚は、毎日どっぷりモバイルやネットにつかっている企業さんにしかわからないところがあるはず。但し、さくらが思うに、大いに男女差というのはあると思うんですよ。女性ならでは、の微妙なツボをはずした時、ゼイヴェルさんの勢いは一気にそがれるかも、という気がしてならない。この秋は、同社が大きく飛躍する元となったモテ系から、違う方向にトレンドも触れていくように思うので、ひょっとしたら一つ一つの事業を確実に当てていかないと、実は正念場、を迎えつつあるのかもしれませんよ。あっ、ついでに書いときますが、このSNSは出会い系、なんでしょうか(笑)、お願いだから、男子はいれないでチョ(爆)。人気blogランキングへ
2006年05月24日
その人が、もうこの世に存在しない、なんて信じられない。。。「素足が好き」、その人は、そう言った。宙に浮かぶ、色とりどりのスニーカー達。山道を闊歩する牛を思わせるような白×黒の柄。白地に赤のピンストライプのキャンバス地の上に、サボテンが乗った靴(中側はリバティ調の可愛い小さなお花柄)。真っ赤なフェルトの上に、岡本太郎氏の太陽のような、まぶしい黄色の“ヒカリ”が置かれているもの。50足、ひょっとしたらそれ以上はあったかもしれぬ。よくよく見ると、それらのスニーカーの形は各々に個性的だ。ぺったんこなソウル(底)、3センチヒール、5センチヒール、あるいはウエッジソールだったり・・・。スリッポン型、ストラップ付き、手作業で先を反り返らせた革靴のように、先っちょが天に向かってすくっと立っているもの・・・。素材だって本当に豊かで語りつくせぬ程ある。ベロア、花柄、水玉、ガンクラブチェックにタータンチェック。夏らしい赤×白のギンガム。マリンカラー。バンダナ柄。ラメが入ったような薄い光沢を放つスニーカー・・・。そう、その人は、洋服を着替えるように、靴を履き替え、色とりどりの洋服を楽しむように、靴を楽しみいとおしむことを教えてくれたのだ。「コム・デ・ギャルソン」や「イッセイ・ミヤケ」や「ヨウジ・ヤマモト」の服に合う靴。デザイナーズ・ブランドと同じように、自由な心で履ける靴。大人の女性が素足で履けるカジュアルな靴。昔々、『クロワッサン』という雑誌を読む楽しみの一つは、その人の靴に出会うことだったのだ。会場には、スニーカーだけでなく、アール・デコ調のパンプスやエナメルのアンティーク調シューズ、チロリアンシューズ、はらこのスリッポンなど、その時代時代のトレンドに応じたデザイナーの革靴や、メンズシューズ、ぞうりなど、貴重なサンプルが並ぶ。そして、羽の生えたスカイブルーの靴。頭の上に靴を載せた人を描いた絵、絵、絵・・・。「これから君達は、どこへ向かって駆けていくんだい?」それは、シュールな夢なんかじゃない。その人は、その想いを、一生かけて形にし私達に届けてくれたのだ。今日、西麻布のギャラリー ル・ベインには、恐らく彼女を心から慕っていたであろう私よりも年上の女性達が入れ替わり立ち替わり訪れていた。今年2月に亡くなられる2週間前に写したという写真の中の彼女の笑顔。その眩しすぎる笑顔に、浅草の展示会場でお見かけした時の、素材サンプルをチェックされる真剣な眼差しが重なって、涙が溢れて止まりませんでした。私が尊敬する人、高田喜佐さんのご冥福を心よりお祈り致します。◆高田喜佐展「素足が好き」2006.5.16(火)~6.2(金) 11:00~19:00(最終日は17:00)ギャラリー ル・ベイン〒106-0031港区西麻布3-16-28http://www.le-bain.comPS.今日の「両国さくらの☆ネットでファッション☆」のエントリはコチラ↓↓↓「TV通販2社に死角はあるか?」人気blogランキングへ
2006年05月23日
拝啓、東京都知事さま・・・。つい先日、東京都現代美術館の「カルティエ現代美術財団コレクション展」のオープニングセレモニーで、現代美術をコテンパンに斬っておられたようですが・・・。貴方様はやっぱり、美術というものがお好きなようですね。◆「都、青山に新アート拠点開設へ」アートもいいんですが、お願いですから、たまにはファッションも支援してチョ!!from 両国さくらこちらのブログも面白いよ!!「両国さくらの☆ネットでファッション☆」・・・今日の御題は、「mixiミュージック♪」人気blogランキングへ
2006年05月22日
ぼちぼちココログでのブログ・リニューアルの準備を進めねば、と思って、今日はこの楽天広場内の「日記リンク」と「お気に入りリンク」でリンクを貼らせて頂いている皆様のホームページやブログを全部チェックして、1つずつココログの「新・両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in Fashion)」にも貼っていった。今までも、リンク仲間の皆さんのブログは交代でちょくちょく拝見するようにはしていたつもりだったのだが、改めて見てみると、既に何名かの方々はブログは休止しておられましたね。それから、タイトルが変わっておられる方、これもかなり多かったです。ついでにこの楽天さんの方の「日記リンク」と「お気に入りリンク」のタイトルも直しておきましたので、是非ご覧頂きたいのだが。就職、転職、趣味で始めたTシャツ作りとかアフィリエイトからの卒業、結婚、出産等々・・・特に若いブログ仲間の人生というのは、この短い2年程の間にも大きく変化している。そういう皆さんに比べると、自分は間違いなく、年をとっており、既にある程度人生の方向性が固まってしまっている人間なんだろうね。だから続けられる、というところもあるにはあるのだろうが、そうは言っても、決して暇な訳ではない自分が、貴重な余暇を削って、時にはケータイから時にはインターネットカフェから頑張ってほとんど休まずこのブログを書き続けてきた、ということは、誰に対してでもなく、自分に対して誇れることだと思っている。この楽天ブログ、そして、リニューアル先の「新・両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in Fashion)」は、仕事ではなくあくまでもプライベートなものなので、何よりも私が書きたい、情報発信したいと思うことをこれからも書いていこうと思います。実は、最近ちょっとブログに対するモチベーションがダウン気味だった。理由の1つは、個人ブログのリニューアルも重要なのだが、アパログさんのブログ「両国さくらの☆ネットでファッション☆」のアクセス数がまだまだ少ないので、こちらのテコ入れの方を優先しなければならない、と思っていたことと・・・。もう1つの理由は、ブログ・ジャーナリズムに関する最近の一連の騒動を見て、正直、いやになっちゃったんですよ。渦中の方々は、しんどそうだなぁ、って。そういう風に感じる自分の中には、ちょこっとジャーナリストっぽいところもあるのだけれど、半分くらいは「儲からんことは嫌い」という商売人っぽい部分とか、ミーハー、エンタメ系コンテンツ大好きな部分もあったりする。もっととんがった、わけのわからんアート好き、見たいなオルタナティブな部分もあったりするのだが・・・。腹がくくりきれていないのかもしれないが、バランスを取りながら、どんな時代もうまくご飯を食べながら楽しくやっていきたいなぁ、と思っているんですよ。ポッドキャスティングも、元々ミーハーな感覚から飛びつこうとしていたものなんですが、当初の企画を変更し、パブリックを余り意識しない私的なコンテンツに変えちゃうかもしれません。そうこうしているうちに、音声のみのポッドキャスティングから、ビデオに、ということになっていくんでしょうが、いずれにせよ、世の中についていこうと思って無理をするのはやめよう、と最近思うようになりました。自分にはやらなければならない大切な本業もあるのだし、消化不良のまま進んではいけない。地に足をつけてぼちぼちやっていきたいと思います。人気blogランキングへ
2006年05月21日
昨日このブログに書いた通り、昨夜は左目の調子が本当に悪く、そのせいでちょっと偏頭痛もするくらいだったのだが、今日ヨガに行って、その後お昼寝をしたら完全に治ってしまいました(^^)ヨガ教室でも始まる前には、「先生、今日は途中で休憩するかもしれません」と弱音を吐いていたのだが。先生も私の目をご覧になって「確かにちょっと腫れておられますね」と言われるくらいだったのだが、始まってみるとどんどん体から汗が出て頭や目が痛いことは完全に忘れるくらいになっていた。ホント、ヨガを始めて8か月、お陰さまですこぶる体の調子が良いのである。残念ながら、同時期に始められた方がキレイに痩せていかれるのと対照的に、私の場合は飲み食いのし過ぎがたたってかむしろ体重は増え気味で(^^;; やはり食生活を根本的に改善しなければダイエットは無理なようだが・・・。びっくりしたことが1つある。3か月くらい前に気付いたんだけれど、お風呂上りに何気なく鏡で体を見ていて、あることに気付いたのだ。「ふ、腹筋が育っているーーーっ!!」そうなんですよ、ヨガって、インナーマッスルを育てる、と良く言われるのだが、続けていると確かに体の真ん中付近に筋肉がついてくるのだ。前、さくらが通っている時間帯のクラスを担当しておられた先生がよくおっしゃっておられたのだが、「何歳になっても腹筋は育ちます」というのは、本当だったんだ。いやはや、40歳過ぎて、こんな不精な私が腹筋を成長させられるとは、嬉し恥ずかし、であります最近は、お腹の真ん中に確かに小さな固い筋肉の塊が存在し、順調に育っているのを触って確かめるのが楽しみなさくらであります。という訳で、雑誌『ターザン』などを読みふけり、肉体改造に励む皆様のお気持ちがちょっぴりわかるようになってきたのだが、引き続きオシャレなヨガウェアを探す日々は続いている。ちょっと前には、「45RPM」の一部の品番は和というよりはハワイアンとかちょっと西海岸入ってる、という感じでトップスに関してはヨガウェアにして使ってもも悪くないかなぁ、なんて思ったりしていたのだが・・・。最近は、もっと年相応、大人が着られるヨガウェアにも心惹かれたりする(そういう大人服が似合うキャラではないんだけどね)。19日付けの繊研新聞さんに、オンワード樫山さんが代官山にオープンした「ソニア・リキエル」の新コンセプトショップ(場所は以前「ゴルチェ」のショップがあった跡のようですね。ファッション系ショップを含め建築物の新オープンの話題を数多く取り上げておられるKstyleさんのブログからリンク&トラックバックさせて頂きました)に、スポーツウェアの「リキエル・カルマ・ボディ・アンド・ソウル」が日本初登場する、という記事が掲載されていた。同ブランドの情報、日本ではメディアへの本格的な露出はこれから、というところだろうが、フランスの「ソニア・リキエル」の公式サイトには、もちろん何点かの商品写真が紹介されている。ソニアらしい黒×ワインレッドやパープルなどのヴィヴィッド・カラーのボーダー柄の組み合わせなど、大人っぽくてシックな感じでなかなか良いですね。必ずしもヨガ専用のウェア、ということではないと思うが、ヨガ教室で着用するのもOKだという感じだと思います。ただ、インポートのデザイナーズブランドなので恐らく価格も相当高くなるだろうが・・・。スポーツクラブに通うリッチなマダム向け、ということになるのだろうか。もう1つ、こちらは既に人気を呼んでいるアーモンドアイさんの「ARYLES」。辛口テイストでかっこいいですね。最近様々な媒体に良く登場なさっておられるユーコ・スミダ・ジャクソンさんプロデュースのブランドのようですが・・・。ユーコさんご本人が執筆なさっておられるブログもあるようだ(リンク&トラックバックさせて頂きました)。インターネットの発達で、様々な分野のその道のプロの方が専門分野の仕事について自ら情報発信することが容易になったということは、本当に素晴らしいと思う。その情報に関心のある人にとっては、まさに値千金の情報ですよ。ユーコさんの真摯なお人柄や生き方が伝わってくる、読み物としても非常に面白いブログだと思います。オマケ:今日のアパログのエントリはコチラ↓↓↓「eBayの価格固定式新サービス『eBay Express』」人気blogランキングへ
2006年05月20日
遅ればせながら、固定客の皆様のご協力を得て、セミナー、研修会のDMの発送をe-mailに切り替える作業を進めている。今週は外出の合間を縫って、顧客データベースへの入力作業を進めてきたのだが、そのせいか左目が今日は異様に痛くて、ちょっと不調気味、です。明日のヨガに備えて、今日は早めに休もうと思うので、小ネタで勘弁してチョ。先日、mariさんという読者の方から書きこみも頂いたのだが、3月17日(金)に開かれたジャパン・ファッション・ウィーク(JFW)のこけら落としのイベント、シンポジウム「世界が見る日本」の講演録が(財)ファッション産業人材育成機構・IFIビジネススクールさんのホームページ上にPDFファイルでアップされております。センイ・ジヤァナルのH記者やさくらのIFI時代の後輩・S君が果敢に挙手して質問した部分は残念ながらカットされてしまっているようだが(笑)、講演そのものの内容をお知りになりたい方は是非ご覧下さいませ。オマケ:今日のアパログのエントリはコチラ↓↓↓「続・掲示板スパム対策」人気blogランキングへ
2006年05月19日
雨の中、「ヴィヴィアン・ウエストウッド」のブルーの傘を差し片手運転で自転車に乗り、押上の美味しいパン屋さん、ボントンキムラヤさんまでサンドウィッチを買いに行った。懇意にさせて頂いている方々とのランチのためである。今日初めて知ったのだが、ボントンキムラヤさんって、何と毎朝6時から営業なさっておられるのだとか。パン屋さんって、どこも仕込みの時間は早いと思うし、以前このブログでアンデルセン系の「マーメイド・カフェ」さんが朝からやっているということもご紹介したことがあるが、午前6時、というのは、早く出勤しなければならない人にとっては非常に嬉しいことだと思いますよ。やっぱり、売れているお店は違うなぁ、と思って、非常に感心致しました。さてさて、仕事に追われるさくらでありますが、今日は地元・墨田のアートネタのご紹介を。毎年今時分になると、墨田区に本社のあるアサヒビールさん主催のアートイベント「アサヒ・アート・フェスティバル(AAF)」の告知がアート系のサイトなどでで見られますよね。今年の情報も、既に発表されている。関東エリアのページはこちらです。全国的な催し物、といいながら、やはり、アサヒビールさんの本社のあるわが街・すみだには、件数が一番集中していますよね。実は、私は2002年から始まったこのAAFをゆっくりと堪能したことは一度もない。残業が多く、夜の催し物に参加するゆとりがなかったのと、土日に仕事を思い出す場所にはあんまり出て行きたくないなぁ、と思っていたからだ。しかし、今年こそは是非!今年は、Black Blanc Beurというフランス発のヒップホップダンスチームとワークショップを受けた一般公募の方々による「ヒップホップナイト」も企画されているようで、非常に興味があります。ヒップホップダンス、年甲斐もなく笑われそうなんですが、自分でも習ってみたいなぁ、なんて思うことがあるんですよ。最近、ケータイやネットで教室まで探したりなんかして。全くの素人なんですが、リズムの取り方、体の重心の移動の仕方がジャズダンスなんかと違って独特で非常に難しそうに見えるところがいい。Coolですよね。韻を踏んでいる詩の面白さにも惹かれます。7月10日は月曜日なので、何とか行けそうかなぁ。有料だけど、金額は見る人が自由に、という「市民パトロネージュ制」というやり方も、斬新ですよね。お布施が少なかったらどうなるんだろう、と、セミナー、イベントの仕切り屋のさくらは心配になったりするんですが、逆にクオリティーの高さに自信があるから出来ることなんでしょうね。オマケ:今日のアパログのエントリはコチラ↓↓↓「auケータイのEZWebにGoogle検索」人気blogランキングへ
2006年05月18日
今夜は最初は、今日付けの繊研新聞さんの1面に出ていた大正紡績さんが有機栽培綿の輸入量を倍増したニュースについて書こうと思っていたのだが・・・。ネット上で、間違いなく明日付けの繊維ファッション関連の新聞ダネになるニュース・リリースを発見してしまったので、そちらをいち早くご紹介していこう。それがコレ。大手アパレルメーカー、(株)ワールドが、大阪のジャージ素材メーカー、寺尾(株)を子会社にする、というニュースだ。上場廃止の際に(株)ワールドの寺井社長が語っておられた、より良い商品作りのための生産系強化、崩壊が進む国内生産の基盤を自社内に確保しておこうという戦略の一環だろう。ニュースリリースに掲載されている寺尾(株)の売上高はわずか1、2億円。財務体質が非常に強い(株)ワールドにとってはさしたる負担ではない。以前ある知人と、苦境に立つ日本の国内工場さんを商社さんがヒトとお金を出して何とかできないものか、ということを雑談めいて話したことがある。その知人の回答は、「生産性が低く、しかも地方都市(はっきり言うと田舎)にある工場の経営は非常に難しいもので、都会で生活してきた商社出身の人間には現場に入って泥を被る仕事になる建て直しの作業は難しいのではないか」というものだった。確かに、給与水準も高く、こう言っては非常に申し訳ないがエリート意識の強い商社マンに泥臭い仕事は難しいかも、という指摘には一理あるような気もする。そんなこと言うと、そうではないんだ、儲かりそうにないことに商社は手は出さないだけなんだ、そういう泥臭い仕事は、日本ではなく海外で必死になってやってます、という反論が反ってくるのだろうけどね。では、アパレルはどうか。実は、アパレルの仕事は、見かけは華やかそうに見えるが、泥臭い、という部分では工場さんにかなり近いものがあるのではないか、というのが、さくらが日々業界の皆様と接している実感である。いわゆる関西弁でいうところの、「ガッコ頭が良い」=学校の勉強が出来れば勝てる業界ではないのだ。それと、今でこそ一部の企業さんは海外に出始めたが、そもそもはどちらともドメスティック志向の業界である。アパレルさんも工場さんも、商社さんみたいに、「外へ外へ」という企業DNAはそもそもあまり持ち合わせてはいない。「商」と「工」との違いはあれ、汗にまみれて懸命に働いてきた者同士、腹をくくって取り組めば、意外や意外、非常に相性が良いかも、という気がしてならないのである。ただし、ですよ。先程、「学校の勉強は関係ない」、なんて皆様からお叱りを買うかもしれないような非常に乱暴なことを書いてしまったが、ヤマカン勝負、ドンブリ感情の大雑把な経営が在庫のヤマを作りやがて倒産、となるのは、アパレルも製造メーカーも同じことである。アパレルビジネスのリスクを軽減するための仕組みを作り、仮説ー実践ー検証を繰り返しその精度を上げることが必要だ。ワールドさんの場合、売れ残り、売り逃しを最小にすることを目的として、既に企画ー製造ー販売の一気通貫の仕組み(スパークス構想)を作り成功に導いている。その過程で得たノウハウで、小売りで上がってくる利益で川上の赤字を全面的にカバーするというのではなく、工場自体の生産性も上げる自信もお持ちなのではないかと思う。実際のところ、どこまで繊維の製造業の利益率を上げられるのか。企業秘密の根幹を成す部分だろうが、出来れば誰かに突っ込んで取材もしくは研究して頂きたいテーマである。「ワールドの人気ブランドは売上高が大きいため、必然的に工場への発注量が多いことによる増収効果」&「同じ品番を繰り返し生産することによる増益効果」、「期近発注による仕掛在庫の減少による増益効果」と、「多品種小ロット、クイックレスポンスによる負担増(アパレルの場合、現在はもう多品種小ロットだからと言って単価はそんなには高くはならないので)」を按分すると、バランスはどの辺りで取れるようになってくるのか、非常に興味が沸くところだ。それから、他産業の製造業と違って人時生産性の「人」の効率が上げにくい、という問題。これはまあ、寺尾さんの場合は縫製業ではないのでまだ良いとは思うが、それでも相当に知恵を絞って工夫する必要があるだろう。翻ってみると、トヨタ自動車を筆頭に、日本の他産業の製造業は工場の生産性を漸次向上させ、付加価値の高さでコンペチターを突き放し高い国際競争力をキープしている。昨年IFIビジネススクールさんのセミナーで、他産業出身の社長さんが毛織物の工場さんを立て直した事例が発表され(日興毛織さん)、大きな反響を呼んだが、同様なことが、それもアパレル本体ー川下の小売業との連動でよりダイナミックに展開されることを期待しております。同社のスパークス構想に基づく工場買収、まだまだ続きそうですね。口にするのは悲しいが、「ウチを買ってくれませんか」って、申し出が殺到したりなんかして。オマケ:今日のアパログのエントリはコチラ↓↓↓「ドロップシッピングネタでFPNさんから賞を頂きました」人気blogランキングへ
2006年05月17日
文字通り、超満員のお客様を迎えての今日のセミナー、期待に違わぬ非常に面白い内容でした。(有)ファッションリンクス代表取締役・福永成明氏のご尽力で、非常にお忙しい中、無理をお願いして(株)オンワード樫山メンズ商品開発室室長の黒部和夫氏に講師を務めて頂きました。今日のセミナーには、複数の業界紙の記者の方もお見えになっておられたので、業界の皆様はいずれ記事をお読み頂くことが可能になると思うので、さくらが印象に残ったことを2、3記していきたい。まず、黒部さんの知識の豊富さ!ホント、半端じゃないです。それも、素材やデザインディテール、スタイリングに関することだけでなく、雑貨関連に至るまで。メンズの国際的な展示会、ピッティ・ウォモの分析を今日の講義の前半では披露して下さったのだが、本当に細かいところまでよくご覧になっておられるなぁ、と感心致しました。それがプロとして当たり前、なのかもしれないが、そういうレベルには到達していない人達が大半、というのが実情だと思う。私自身も実際のところそうですし。それと、黒部さんご自身がメチャメチャオシャレなんですよね。ジャケット姿もシャツ1枚になられたお姿も、本当に決まっておられる。本当は業界人としてはあのようにならないといけないのだなぁ、と、我が身を振り返り、非常に恥ずかしくなってしまいました(^^;; ホント、このブログでエラソウなことを書けたもんじゃありません。さくらも早く「元気なヒトですねぇ」「とっぴなデザインの面白い服をいつも着ておられますねぇ」という褒め言葉から、「さくらさんってオシャレですねぇ」と言われるよう、進歩しなくっちゃ(笑)。第2点目は、黒部さんが、「日本のサラリーマンは、身幅も袖幅も大きすぎるシャツを着用している人が多い」と指摘されたこと。実は、私も前からおんなじことを思っていたんですよ。その理由は、わからないでもないのだ。私自身がそうだからよくわかるのだが、たくましい体型、太目の体型の方は、大き目の方が動きやすい、ぴちぴちしないで着心地が良い、と思ってしまうのだ。だが、実際はパターンの良いシャツならば、細身でも非常に動きやすいのだ。そして、外見的にもスリムにすっきりとして見える。この点、やはり実際に商品を着用して頂いて納得して頂くしかないと思う。販売員さんの腕の見せ所ですね。トレンドのお話の中にも私なりにツボにはまるネタがいろいろあったのだが、メンズの2006~2007年秋冬コレクションでも、豹柄が出ていた、という話、このブログでも書こうかと思っていたので一人盛り上がり状態(笑)でした。豹柄好きなさくら、お洒落な男子がちょこっと豹使い、というのは、かなりイケてると思います。レディスのプラダとペア豹、っていうのはいかがでしょうか(笑)。黒部さんは、これから夏頃まで、週末は一般のお客様向けのトークショーのために全国を飛び回られるそうだ。黒部さんのお話に心動かされた方が商品をお買い上げになる、クチコミで商品の良い情報を流して下さる、ということもあるだろうが、お取引先の百貨店さんや、現場で頑張っておられるオンワードさんの販売員の皆様の士気が上がる、その効果の大きさには恐らく絶大なものがあるのではないかと私は思う。黒部さんのお話を聞いてみられたい方、クールビズファッションに興味のある方、是非お近くの百貨店さんに足を運んでみて下さい。黒部さん、今日は本当に有難うございましたm(__)m(追記:5月9日の本ブログ内の黒部さんの部署名、肩書きが間違っておりました。正しくは、「メンズ商品開発室室長」です。お詫びして訂正致します)。オマケ:今日のアパログのエントリはコチラ↓↓↓「コメントスパムとの戦い」人気blogランキングへ
2006年05月16日
ふぅーっ、今日はちょっと、酔っ払い気味でやんす。久々にSお兄様と、Sさんを誘って飲み会。旧知の間柄だが、3人でご一緒するのは始めてだった。話が盛り上がり過ぎてちょっと遅くなってしまった。週明けから仕事が山のように溜まって行っている。お陰様でいろいろと頼まれ事をすることも増えたため、必然的に外出が増え、事務仕事がズルズルと遅れがちだ・・・。今週はちょっと気合いを入れて頑張らねばね。お客様のお話を伺う時も、時間をかけてゆっくりとお話を聞く時もあれば、ポイントをお互い時間をかけず明確にしていく時もあり、という風に使い分けていきたい。明日はパワーアップセミナー。随分前に満席になってしまったが、まだまだお申込みが来ており、ホント、お断りしなければならないお客様に申し訳ないな、という感じだ。明日はこの話題にも触れて頂けると思います(^^)人気blogランキングへ
2006年05月15日
昨日よりはマシだったが、今日もちょっと肌寒い1日だった。今、Yahoo!Japanの天気のページを見ると、昨日の最高気温/最低気温が、16℃/13℃、今日が19℃/10℃になっていた。13℃を下回る、なんていうと、もう1度タンスの中からセーターを引っ張り出してきてもおかしくない感じである。店頭で、ちょっと半袖が売りにくいなぁ、と感じられるショップの皆さんも多いのではなかろうか。ファッション産業には「3つの気」が重要である、と良く昔から言われている。「天気、景気、やる気」だ。他産業との大きな違いは、一番目の「天気」の影響が相当に大きい、ということであろう。昨年寒い冬だったお陰で、業界全体が大きな恩恵をこうむった記憶がまだ新しいだけに、アパレルや小売業の幹部の皆様は皆さんきっと天候予測の重要性を改めて感じておられることだろう。有力企業さんは既にMD(マーチャンダイジング)に天候予測をうまく連動させていく仕組みを作っておられるようであるし。しかし、現場サイドでは、日々の微妙な体感温度の変化に対し今現在入荷している商品で対応していく以外に対処の方法はない。一度奥のストックの倉庫に引っ込めた長袖を、今日は寒いな、と思ったら再び出してきてマネキンに着せるとか、スカーフをマネキンの首に巻く、デニム+リンクル(しわ加工)タイプのスカート、半袖Tシャツやタンクトップの中に長袖Tシャツを重ね着してみせるなど、知恵と工夫が死に筋になっていた商品を思いがけず蘇らせることもある。別の考え方として、ピュアヤング、ヤングなど若くて元気な客層にはお天気よりファッション優先、と言い切ることも出来る。トレンド、勢いで引っ張れる自信のあるお店ならば、タンクトップだろうがキャミソールやブラトップだろうが、うちのお客様には今はコレっと言い切れる自信作をガンガン売れば良い。今日買ってすぐは着用されなくとも、数日後には間違いなく着て頂ける商品なのだから。これから、母の日を過ぎて、5月後半、6月というのは、レディスの業界では企業間格差が大きく開く時期だ。メンズならば6月に父の日やら早期にボーナスが出た企業さんの社員さんがスーツを購入するといった需要が見込めるが、レディスのモチベーション需要は、お店側が作り出し仕掛けていかない限りはこれと言ってない。有力百貨店を見ていると、セレクト型自主編集売り場でも元売り場のSPA型アパレルの売り場でも、6月には夏色秋素材が揃い秋に向けてのテストマーケティングが開始されるが、自店がそういう風に対応してもらえる「勝ち組」に入っていない場合は、その理由を考えて現場サイドでやりつくせるありとあらゆる手を打つしかないだろう。商材がイマイチでも、特に地方店の場合は、地域に強い競合が少ない、とか、販売力は突出している、という場合もあるだろう。最終的には、お客様さえ持っていれば、商売はやっていけるのだ。イベントを細かく仕掛けたり、顧客のタイプ別にDMを売ったり、などなど。DMも今の時代は、お葉書や封書とケータイメールをうまく使い分ける必要があるだろう。ケータイの場合、敢えて上顧客30名くらいには同報送信を行わず会社用のケータイを1台用意して「いつご来店頂けるかお知らせ下さい」と投げかけて個別のやりとりを行いメールに手打ちでお返事を出す、という手もあると思いますね。また、現金問屋、ネット現金問屋をうまく活用し、店頭に新鮮味を出すことである。特に、店頭の目先を変えるには雑貨の仕入れが不可欠だ。20年前は雑貨は衣料品店の売り上げの1割、10年前は2割と言われていたが、今の時代は3割になっていてもおかしくない。靴、バッグ、アクセサリーだけでなく、基礎化粧品やアロマ、ネイル関連なんかも面白いと思いますね。個店型のショップさんだけでなく、地方百貨店さんも衣料品の売り場にそういうコーナーを一部は持ってきた方が滞留時間が長くなって効果的なのではなかろうか。実需対応型のショップの場合は、期初よりも6~7月の暑い日の方がワゴンにたたんで並べたカットソーが良く出る、という場合もあるだろう。売れ筋のデザインやサイズについて、こういうお店では業界紙に出ているような最新情報通りに動くとは限らない。自店ならではのサイクル、やり方があるはずだ。価格戦略も然り。ここぞという時に売り逃し、玉不足にならないよう注意が必要だ。アパレルの3月展、5月展でしっかりと秋冬物の発注を行い、この秋冬は昨年以上に品揃えを充実させ客単価も上げる方向で準備しておられるお店が多いと思うが、その前に、これからの1か月半をきっちりと売ってうまく乗り切っていく必要がある。期末に近づくにつれ、お店としての実力の差が出る時期。皆さん、自店のお客様の客層をしっかりと見極めて客層に合わせた戦略・戦術で頑張りましょう!オマケ:今日のアパログはコチラ↓↓↓「まだ使えない(笑)、Google Trends(グーグル・トレンズ)」人気blogランキングへ
2006年05月14日
ニューヨーク、日本、上海に続いてのフランス以外の地での開催である。それだけ、ロシア市場が拡大しつつある、ということなのだろう。既にプルミエール・ヴィジョン(Premiere Vision)の公式ホームページにも、このニュースはプレス向けインフォメーションとしてアップされている。繊研新聞さんの小さな記事以上の内容はまだ出ていないようだが。プルミエール・ヴィジョンの話とはちょっと離れるが、私は、最近は毎年海外の展示会を年に2回見に行っている。これまでは、秋に上海(インターテキスタイル上海を3年間、JFWイン上海を1年間)、2月にフィレンツェ(ヤーン展のピッティ・フィラッティを3年間)見る、というパターンでやってきたが、今年はどうやら事業の関係で2月にヨーロッパ、というのが難しくなりそうな情勢なのだ。なので、秋にヨーロッパ、3月に北京に変えようかな、と思ったりしております。純粋なジャーナリストとしての興味と、会社の本業の方で優先的に力を入れていかなければならないこと、というのは必ずしも一致しないし、前にも書いたが、これは会社予算ではなく身銭を切っての旅なので、予算との兼ね合いもある。もし、プルミエール・ヴィジョンに行くとなると、出費がかさむので(^^;;;それはやめて、10月にボローニャの皮革展リネアペッレを見ようかと思ったり・・・今、ちょっと悩んでいるところなんですよね。オマケ:今日のアパログのエントリはコチラ↓↓↓「西友のネットスーパーはケータイ3キャリアでも注文可能です」人気blogランキングへ
2006年05月13日
今日も楽しくお仕事だ~い ルン・ルン・ルン♪ ヾ(=^▽^=)ノヽ(=´▽`=)ノこれこれ、さくらさん、何か肝心なこと、忘れてやしませんか?・・・・・・ あ~ッ、激ヤバーーーーー うちのベンチャーさんGolds∞infinity(ゴールズ・インフィニティ)さんの、ブログが始まったこと、みんなに知らせてなかったーーーっ。永吉さん、スタッフの皆さん、ゴメンナサイ。さくら、心からザンゲ致します m(*T▽T*)m オ、オユルシヲ・・・これは、急いでお詫びに行かねば!マルキューにダッシュ!-=≡ヘ(* - -)ノ そ。。。し。。。て。。。ここは、お買い物ダイスキなオンナノコの聖地・渋谷109 の7F(一番ドキドキするフロア)そんでもって、さくら、服はモチロン年齢と体型が着る事を許してくれないのでGolds∞infinityさんのブログのこのエントリに出ている黒のバッグの色違い(グリーン、消費税抜き5,900円)と、赤のベルトの色違い(ブラック、消費税抜き3,900円)を喜び勇んで買い求めました(シアワセーッ)。マルキューで少しお姉さんっぽくて、ギュギュギュっと、コダワリの詰まったお洋服が欲しい方にオススメです。プリントTシャツや、透かし編みの羽織り物も充実してますよ。◆Golds∞infinityブログ(今日、店長さんにお会いできなかったのが、メッチャ残念。さくらのブログにも、是非是非遊びにきてチョ)。オマケ:今日のアパログは、こんなネタ↓↓↓「電脳卸とClubT、ドロップシッピングサービスでタッグ組む」
2006年05月12日
墨田区内のバッグメーカー、(有)丸ヨ片野製鞄所さんが、新しく工房ショップ「アトリエ・アミーチ」を開店、今夜はオープニング・パーティーでした。さくら、酔っ払ってしまって商品が沢山並んでいる肝心のショップ1Fの写真を取り忘れてしまったのですが(^^;;、2Fで行われたパーティーの様子をどうぞ。歓談するレザー、バッグ業界関係者の皆さんバッグ業界紙「バガジン」の記者さん(向かって左)と片野一徳社長真ん中の女性がアルチザン(職人)目指して修行中のプランナー/モデリストの白井寛子さん。「marosso(マロッソ)」というブランドを立ち上げておられます。70年代のポップ・アートに触発され、「maruyo.in」というブランドで、レザーにペインティングを施したバッグを作り、マテリアルとしてのレザーの深い魅力を一人でも多くの人に知ってもらいたいと夢を語る片野社長・・・。社長及び、白井さん、坂井さんという、ものづくりを学んで来た若いアルチザン志望の女性2人と、片野社長の奥様と4人で、オリジナルのバッグ製造・販売、クラフト教室という、新規事業をこのショップを拠点に始められるのだ。今日は、来賓代表として、あの吉田カバン{(株)吉田}の吉田滋会長が、「ここで是非若い人を育てていって下さい」と、熱い、熱いエールを送って下さった。「アミーチ」はイタリアで、「楽しい仲間」の意。日本の下町らしい、情感溢れる暖かく優しい空気が流れるお店。今、このお店は墨田区の「すみだ工房ショップ」に現在申請中です。この場所から、革とバッグを愛する楽しい仲間達の輪が大きく広がることを祈って止みません。皆さんも一度是非遊びにいらして下さい。さくらも、これからもずっと応援させて頂きますね。本当に、おめでとう! ◆アトリエ・アミーチ 〒131-0011 東京都墨田区石原4-21-4 TEL 03-6279-8991 FAX 03-6279-9011 営業時間:10:00~18:00 (日・祝定休) JR錦糸町駅、地下鉄半蔵門線錦糸町駅より徒歩12分おまけ:今日のアパログのエントリはコチラ↓↓↓「UCモール、楊鳴一社長の本、出ました」人気blogランキングへ
2006年05月11日
パソコンの思わぬ故障のせいで、リニューアルが遅れに遅れていたのですが、やっと体制が整いつつありますので、今後の計画を発表させて頂きます。ニフティ「ココログ」上に準備中の「新・両国さくらのファッション・イン・ファッション」は、6月1日(木)よりスタート致します。皆様、本当に長らくお待たせ致しました。心機一転頑張って参りますので、是非引き続きご愛顧下さいませ。それから、新しいブログの中で展開致しますポッドキャスティングは、7月1日(土)をめどに開始する予定です。もう少しコンテンツを練りこんでから始めたいと思いますので、さくらファンの皆様、もうちょっとだけ待っていて下さいね。なお、アパログさんで4月1日から連載している「両国さくらの☆ネットでファッション☆」の方も、週5日ペースで頻繁に書いていこうと思っております。こちらの方も、引き続き応援頂けるとウレシイです。では、前にも一度掲載致しましたが、移転リニューアルに伴うご連絡事項を再掲します。1.リンクについて現在この楽天広場の「両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in Fashion)」内のリンク集及びお気に入りリンク集に加えさせて頂いている皆様につきましては、原則としてそのままココログでもリンク集に加えさせて頂きます。但し、もし「ココログへの移行以後はリンクは不要」という方がおられましたら、ご遠慮なくお申し付け下さいませ。また、半年以上更新のないブログにつきましては、読者の皆様への便宜を図るため、一旦リンクをはずさせて頂きます。その場合、再度更新され始めたことをお知らせ頂きましたら、再びリンク集に加えさせて頂きますので、ご遠慮なくお申し付け下さい。2.現在のブログは今後もご覧頂けます当ブログのエントリやリンク集、レイアウト等は、5月31日(水)の時点の状態でそのまま残しておきます。楽天広場の登録を削除するつもりはございません。3.当方の連絡先についてこれまでは楽天広場の「私書箱」という仕組みをご利用頂くケースが大半でしたが、これからは頻繁なチェックは休止致します。今後、リアルでも私のことをご存知の皆様は、ファッションに関するニュースのご提供及びご相談等の場合は、なるべく私の勤務先(国際ファッションセンター株式会社)にご連絡下さいますようお願い申し上げます。本業の業務としてお受けできる事柄の場合、迅速にご対応させて頂きます。また、「ココログ」の「新・両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in Fashion)」に、連絡先メールアドレスの方も掲載するように致しますが、業務多忙及び守秘義務のため、ファッション系企業の経営者及び社員の方、ファッション業界での起業・就職を考えておられる方、墨田区近隣に在住・在勤の方以外からのお問合せ等にはお答えしかねる場合もございますので、予めご了承願います。以上、改めまして、ヨロシクお願い申し上げますm(__)m最後になりましたが、本日のアパログ「両国さくらの☆ネットでファッション☆」のエントリはコチラ↓↓↓「Skype2.5」ベータ版、出ました人気blogランキングへ
2006年05月10日
最近さくらさん、会社の話をあんまり書かないですね、というお声もチラホラ伺っているのだが、実はかなり忙しくて、夜遅くに仕事のことを思い出す気がなかなか起きなかったのだ。ただ、お陰様で、昨年途中からファッション業界全体の景気が良くなってきたこともあって、どの催し物や勉強会にも活気が出てきている。今、通常だと、ファッション業界向けのセミナー「パワーアップセミナー」のPRで一生懸命走り回っていなければならない時期なのだが・・・。皆様、有難うございますm(__)m 実は5月16日(火)夜開講の「パワーアップセミナー」は、とっくの昔に満席になってしまって、現在メールやFAXを頂いた順番にキャンセル待ち頂いている状態なのだ。オンワード樫山のメンズ商品開発室室長・黒部和夫さんという人気企業さんの人気講師をお迎えしたため、販促のタイミングが遅かったにも関わらず、募集を開始するや否やドドドッーとお申込みが来て、たった2日でほぼ満席状態になっちゃったんですよ。でも、今からでも間に合いますか?という方、キャンセルが出た場合は順次ご案内させて頂いておりますので、大至急お申込みをお願い致します。また、これまでにお申込み頂いた方でご都合が悪くなられた方、ご欠席される場合はお早めにご連絡頂けると助かります。ご協力の程ヨロシクお願い申し上げますm(__)m黒部さんとは私も実はまだ面識がないので、セミナー当日が楽しみです(^^)話は変わりますが、本日もアパログ「両国さくらの☆ネットでファッション☆」を更新しましたので、是非どうぞ。お題は、「いずれ通販も!?ケータイでも頑張るUSENの無料動画サービス『ガールズGyao』」です。人気blogランキングへ
2006年05月09日
今日、アパレルウェブさんのKさんと、アパログさんのブログ連載「両国さくらの☆ネットでファッション☆」のアクセス数がイマイチ伸びない、なんて話をしていたら・・・。アレアレ、今日は午後11時の時点で133アクセスも行っているじゃないですか!やはり、昨夜のエントリの内容がちょっと衝撃的だったからかな?といいつつも、とりあえず、今日からはアパログさんのエントリはうんと短く、エッセンスをギューッと絞った内容に変えます。「長すぎて読みにくい」というご意見、もっともですので。ネット通販をやっておられる方は耳にタコが出来る程聞かされていると思うのだけれど、ネットの通販サイトの良し悪しをお客様が判断する時間は約2秒!リアルの店舗なら一旦店内に入れば最低でも30秒くらいは中にいるだろうが、それとは比べ物にならないくらい短いんですよね。それに習って、2秒でさぁっと中身が見通せる、速読しやすい分量にスタイルを変えますので、今までアパログにお越し頂けなかったお忙しい皆様も、是非一度覗いてみて下さい。アパログでは、「一発芸の出来る女」を目指したいと思います(笑)。その一方で、この個人ブログ「両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion in Fashion)」では、相も変わらず論壇系ブログ(笑)、書きたいことをツラツラと書き連ねて、「ファッション界のアルファブロガー」(自分で言ってどうすんの、って感じですが・・・笑)らしく振舞いますので、コチラも引き続きヨロシク、です。リニューアル計画については、明日か明後日にも発表させて頂きますネ。さて、そういう訳で、読みやすさを心がけて書いたツモリの「両国さくらの☆ネットでファッション☆」。今日は、以前このブログでも触れたことのあるUCモールさんの話題です。人気blogランキングへ
2006年05月08日
GW最終日の今日は、お掃除に明け暮れたさくら、でした(笑)。放っておくとドンドン本や服が増えてしまうので、最近は「思い切って人にあげる、売る、(もったいないけど)処分する」ことに徹しております。今日はIFIビジネススクール時代のノートや資料も、ついにゴミ箱へ。正直、リアルの商売に関するノウハウって、6、7年以上前に学んだことがまだあまり陳腐化していない。ネットやモバイルの世界とは対照的なんだよね。なので、もったいないなぁ、と思いつつ、憶えていることを書いてあるノートは捨てることにしました。思い出を手放すようで、寂しいんだけどね。ちょっとフレッシュな気分になったので、明日からまたしっかりと働きたいと思います。ということで、連休最後の夜、両国さくらpresentsの、アパログをお楽しみあれ!今日の御題は、「ケータイ通販の顧客名簿を出会い系サイトの販促に使わないで」です。人気blogランキングへ
2006年05月07日
青山はキラー通り沿いにあるワタリウム美術館は、青山散策の折、ちょっと時間がある時にフラリと立ち寄るには丁度良いこじんまりとしたお洒落な美術館だ。しかも、市民向けのちょっとしたミニ講座なんかも充実している。今日はホントは、イケアに行こうかな、と思ったりしていたのだが、デザビレの鈴木村長のブログで、「1時間半待ち」の文字を見ておじけづいてしまい、近いところでノンビリすることに変更。今、ワタリウム美術館でやっている「夢の中から見つけた街」は1920年代のシュールレアリズムの時代から80年代末のストリートペインティングの時代に至るまでの、著名な海外のアーティストに、同美術館とゆかりの深い現代の日本人アーティストを若干名加えて、写真を中心に一部映像作品を集めた内容になっている。マン・レイ、ロバート・メイプルソープ、アンディ・ウォーホール、キース・ヘリングなど、このブログでもファッションとのからみで何度かご紹介したことのある、非常に知名度の高いアーティストがズラリと勢ぞろいしている。マン・レイの写真を実際にご覧になられたことがまだない若い方には、この機会に是非現物をご覧になられることをお勧めします。今見ても、非常に斬新で実験的な撮影手法である。それから、昨年大掛かりな展示会が開催されて日本国内での再評価が高まったアウグスト・ザンダーとか。ちなみに、今回の展示の面白いところは、「写真家の写した写真」と、「写真家ではないが、ビジュアル表現のプロが写した写真」と「アーティストを他者が写した写真」が入り混じっているとことにある。先程列挙したアーティストのうち、マン・レイ、ロバート・メイプルソープ、アウグスト・ザンダーは「写真家」なので、その写真そのものがプロらしいレベルの仕上がりになっているし、アンディ・ウォーホールの場合は、彼の友人知人である、いわゆる今で言う所のセレブの皆さん達を彼が写したものが中心だが、幅広い交友関係があり、友人だから心を許す、ということがなければこんな生き生きとした表情はとらえられなかっただろう、という躍動感溢れる写真が揃っていた。キース・ヘリングは、日本に来日したときのパフォーマンスを写したもので、ビデオも放映されていたが、これまた、非常にライブ感がある。描くスピードの速さに、天才を感じますね。それから、寺山修司と、アレン・ギンズバーグ(例によって松岡正剛氏の「千夜千冊」の書評が鋭くギンズバーグの本質を捉えていると思うので、英語が苦手な方はコチラをどうぞ)の写真もインパクトが強かった。2人共、全ての写真にテキストが書き加えられている。寺山修司の場合は、サド・マゾ、エロ・グロ的な写真の上、人物が写っていない余白の部分に、詩や短歌、今でいうところのキャッチ・コピーのようなものが、歯切れの良い文体で書き加えられている。そう、これはまるで、演劇か映像。彼の表現は、ビジュアルと言葉、場合によっては音楽も一体となって初めて完成するものなのだ。この写真は、時間的にも本来は前後に前のシーン、次のシーンが連続している空間芸術の一部を切り取ったもののように見えてくる。ギンズバーグの写真は、今回の展示物の中では異彩を放っていた。詩人である本人自身が写している自身や友人達を含めたポートレイトと、他者がギンズバーグ氏を写した写真が一緒になっておかれている。それらの写真の下部に、全て、本人直筆の状況説明だったり、詩らしきものが細かく書きこまれている。いかにも、「どうしても言わずに(書かずに)おられないのだ」といった風に。さっき、アメリカのホームページをいろいろ検索してみると、やはり彼の写した写真や写っている写真も、広く公開されているようであるが、詩人である本人は、最初から自分が死んだ後こうやって写真が公開されることを望んでいたのかなぁ、という疑問を、ちょっと感じましたね。プロの写真と並べられると、やはり写真のシロウトであることが歴然としてしまう。ギンズバーグの写真が価値があるのは、「他分野の芸術家のバイオグラフィー」だからであって、その写真そのものに芸術的な価値がある訳ではないように私は思ってしまったのだが。59歳のギンズバーグが自ら写したポートレイトの、大きく前にせり出したお腹が、妙に悲しかった。寺山修司とアレン・ギンズバーグは、言葉によるメッセージなくして自らの表現を完成しえないタイプの芸術家なのだ。某○日新聞の広告ではないが、言葉のチカラは、強い。詩や短歌はもちろん、「思い」の表象であって読む人に解釈の余地を与える芸術としての懐の深さ、あいまいさを持つ表現方法であるが、それでも、言葉には、多くの人に共通の「意味」を感じさせる、方向付けを行う強さが秘められている。昨日水戸芸術館で見た「人間の未来へ|ダークサイドからの逃走」も、期せずしてテキスト(言葉)と報道写真とアートの手法としての相違を浮き彫りにしていたが、言葉を表現手段として選択するということには、そのチカラが強い分、難しさがつきまとうように思う。詩の良さは、評論や小説なんかと違って、それでもまだ、あいまいさ、余韻がある、読み手の想像力にゆだねる余地が多いところにあると私は思うのだが。両義性、あいまいさを残そうと労をつくせば、それが単なる言葉遊びになってしまう場合もあろう。ピュアな心を持った子供が口語体で綴った詩の方が、大人の虚飾に満ちた言葉よりもはるかに心をうつ場合も多いのだ。詩人とは、何か?今日、この展示会で、映画監督の大木裕之氏のお名前と作品を拝見できたことも非常に有意義だった。長いこと大木氏のことを忘れてしまっていたが、急に記憶が蘇ってきた。最近こういう、「思い出す」というパターンが多いんだよね。昔知ってたり、関心があったけど、長いこと忘れていたようなことが、何かの拍子にウワーっと湧き出てくるのだ。「昔」がそれだけ自分の中で長い時間になってきた、つまり、自分が相当に年をとった、ということなんだけど(笑)。昔、岡山に居た頃(90年代の後半頃)、ローカルTVのCMで高知県のインターナカツさんという会社の「ジーンズファクトリー」というジーンズ専門店のCMを彼が撮影したということで、中四国のアートシーンではちょっとした話題になっていた。ちょうど上京する直前の岡山映画祭で、大木氏ご本人のお姿を拝見した記憶がある。「HEAVEN-6-BOX」という映画も見たのだが、イメージの断片をつなげたような映画で雰囲気はいいがそれこそ主題がどこにあるのか漠としてつかめない所在無さを強く感じたように憶えている。今、いろいろなサイトに出ておられる大木氏の風貌は、何だかその頃とかなり変わっておられるように見える。さくらとちょうど同い年で、中年になられた、ということなのか。昔よりかなり精悍な雰囲気になられたようだ。日本のゲイカルチャーシーンをリードするクリエーターの1人として、有名になっておられるようですね。全然知らなかった。あちこちの映画祭で作品が上映されているようだし、映画以外にもドローイングなど多様なジャンルでご活躍なさっておられるようだ。高知を拠点に、ご自身のペースで進んでおられるんですね。何か、嬉しかったです。昨年は谷中のSCAI THE BATHHOUSEで個展も開催されたということだが、実は昨日、水戸への行き帰り、「次はSCAI THE BATHHOUSEに行って見たいなぁ」と思っていたところだったんですよ。この間から読んでいた、秋本治著『両さんと歩く下町』に、SCAI THE BATHHOUSEの話が出てきて、ピンときていたところだったので。不思議だなぁ、自分の中で、シンクロしているなぁ、と一人喜んでおります。アートは私の本業ではない、趣味の領域では、RSSリーダーなんかで徹底して調べる、なんてことはしない主義で、風任せ、気分の赴くままにで適当に見たり読んだりしているんですが、その方がじんわりと自分の中に入ってきて深く感じられる、ということもある。以前メーリング・リストで、同所が日曜日はお休みだということを読んで記憶しておりますので、土曜日ヨガが終わった後にでも行ってみようかな。人気blogランキングへ
2006年05月06日
偕楽園散策を兼ねて行って参りました、初めての水戸芸術館。恐竜のシッポのような高さ100メートルもあるタワーと、子供が水遊びしたりかけっこできるようなカスケードや広場の空間が非常に心地よく、磯崎新氏らしい素晴らしい設計(故郷・岡山の奈義町現代美術館を思い出してしまった!)だと感じた。水戸の美しい街並みや、その建物の風情を味わうだけでも十二分に遠出をした価値はあったと思ったが・・・。久々に、胸倉をズンとつかまれたような、強い強いショックを感じた展示だった。あまりにも衝撃が強いので、途中でちょっと気分が悪くなるくらいに。まるで、「スターウォーズ」など、SF映画のテーマかと見まごうようなタイトルは、実はフィクションの話ではなく、20世紀中盤以降の我々が生きてきた時代=現代という時代の現実そのものの露わな姿なのだ。「ダークサイド」は、現代社会に深く深く巣食う闇。この企画展、通常、いろいろな美術館で開かれている展示とはその構成はかなり異なっていた。通常の美術展では、現代美術か古典美術かを問わず、美術品のみを展示するケースが多いが、この展示会では、アート(美術)、報道写真、テキスト(文学)を混在させ、多様な目線でダークサイドの恐怖をあぶりだす。会場に入室してまず、1室を埋め尽くしているマイケル・ライトの原水爆実験のドキュメント写真の数々に打ちのめされる。巨大なキノコ雲。日本に原爆が投下された後も、繰り返された核実験。掲示された文書には、「アメリカは1945年から1992年までの間1054回の核実験を繰り返し、1148回の核爆発を起こしており、ソ連は1990年までの間715回の核実験を繰り返し、769回の核爆発を起こしている」云々と書かれている。原爆の悲惨な被害を見ていながら、核の投下地点からわずか3キロメートルの所に兵士を配置したこともあったという非道さ。未だにビキニ環礁には人が住めなくなっている、という恐ろしい事実。隣室のマグダレーナ・アバカノヴィッチの首と手のない人形を見て、益々陰鬱な気分に見舞われ・・・。第4室の橋本公の、世界で原水爆実験が行われた場所を世界地図上で点滅させるインスタレーションが、恐怖、怒り、悲しみ、絶望、困惑に拍車をかける・・・。この展示会の特筆すべき点の第1は、この、導入部分のインパクトの強さだろう。後でご紹介するが、既に展示を見られたブロガーの皆さんの多くも、その点に心を揺さぶられたようであるが、私自身もそうだった。正直、途中で出たいな、と思うくらいでしたからね。第5室。ジェームズ・ナクトウェイ、広河隆一という報道写真家の写真が登場する。この2人と、第6室の長倉洋海、この3名は、戦場や原発事故の現場、貧困に苦しむ発展途上国の現場を一貫して写し続けている、という共通項があるが、作風にはかなり違いがある。写真のセレクションを工夫し、その点をうまく浮き彫りにしている、というのが、特筆すべき点の第2。ナクトウェイ氏は悲惨な現場に対してとことん接近し、リアルに事実を映し出す手法だ。それに対し、広河氏は、悲しみに満ちた被害者や家族の顔をクローズアップすることで、間接的に戦争の悲惨さをあぶりだしている。長倉氏は、戦場の光景と同時に、貧しくともたくましく生きようとする庶民の写真を数多く写してきている写真家だが、この展示会では後者の写真を中心に構成してあった。必ずしも戦争、ということだけがテーマではなく、原発事故やエイズ、先進国で疎外される人間の問題など、多様なテーマが含まれているが、全体として途中までは、やはり、20世紀の後半から今に至るまで、世界には東西対立や民族紛争などを発端とした戦争があまりにも多かったのだ、ということへの憤りと悲しみが満ち満ちている内容になっていた。それが頂点に達するのが、第6室、オノ・ヨーコの作品だ。日頃は霧島アートの森に常設されている「絶滅に向かった種族2319-2322」。4人の家族と1匹の犬が見た夢を暗喩に、人類へのメッセージを託そうとした彼女・・・。しかし、この辺りから、展示の内容が徐々に反転する。人類の未来、人間の良心に、希望を託そう、というアーティストや写真家達の表現だ。写真家のユージン・スミス、前述した長倉洋海、メディア・アーティストのシリン・ネシャット。ユージン・スミスの写真は去年写美(東京都写真美術館)の企画展でも見たような記憶があるが、展示会のコンテクスト(文脈)が違うとこんな風に見え方が違ってくるものか、と感心した。シュバイツァーや、「田舎医者」シリーズのヒューマニズムに、すごくほっとさせられる。最初にネガティブな表現を徹底して見せて観客の心を揺さぶっておいて、最後にポジティブな方に揺り戻す、という流れは、非常に良かったと思います。それがこの展示会の特筆すべき点その3。更に、最初に書いたように、この展示会は、報道写真の生々しさ、アートの情感の深さに加えて、文学的な思考と意思の表現を、敢えて要所要所に盛り込んでいる。『世界がもし100人の村だったら』、詩人の谷川俊太郎、茨木のり子、オノ・ヨーコ、そして、トルストイ。かなり有名なテキストばかりで、手垢のついた印象を与える可能性もある彼らのテキストを加えることで、この展示会のキュレーター、主催者は、結論を観客のみに委ねるのではなく、より明確ではっきりと強い形の自らの意思、方向性を示しているように思える。これは、アートの展示会にとっては、かなり勇気のいることだったのではないか。その勇気が、この展示会の特筆すべき点その4。この世界に悪はない。悪はすべてわれわれの心の中にあって、これを滅ぼすことは可能である。 トルストイ昨今の現代美術の作品や展示会は、特に先進国発の作品は、商業広告や企業のCI活動などに基盤を置いたものが多く、ポップアートだったり自己の内面や超自我にまつわるものが多く、社会との関わりを真剣に見据えたものが減少傾向にあるように思う。前者は前者で、世の中にとって必要なものだし、質の高いもの、楽しいものも多いんだけどね。しかし、それだけじゃやはり駄目だと思うんだ。人間にはサニーサイドとダークサイドが存在するんだから。「戦争反対」って言うことは、やはりすごく大切ですよ。このような骨太な企画を、しかも公立の美術館さんが実現された、ということは、高く評価されてしかるべきではなかろうか。今日、連休だからということもあるだろうが、水戸という地方都市にも関わらず、かなり数多くの観客、特に若い方が入場しておられたのを見て、広域からの集客と、足元商圏のファン固めの双方がうまくいっておられるのではないかと感じた。そういう、美術館運営のあり方、という点についても、第三セクターで企画に携わっている私にとってはよい勉強になった1日でした。最後に、この展示会は5月7日(日)が最終日なので、既に数多くのブログがエントリを挙げておられる。先にご覧になられた皆さんの感想も、非常に参考になりました。敬意を表しつつ、いくつかご紹介(リンク&トラックバック)させて頂きます。◆artholic days◆蒼天儀◆レレレのれ◆葛飾の地域運動を語る◆現代アート道楽の日々◆SIESTA通信人気blogランキングへ
2006年05月05日
やっと自宅のパソコンが修理から帰ってきた。皆様、ご心配をおかけ致しましたが、これで万全な体制でコンテンツを充実させることが出来るようになりました。一部の方へのレスポンスも遅れてしまっていたようですね。本当に申し訳ございませんでした。早速体制を建て直し、ココログの「新・両国さくらのファッション・イン・ファッション」でのリニューアルの準備を進めたいと思います。また、アパログさんのブログ連載も、どんどん書いていこうと思っておりますので、改めましてご愛顧の程宜しくお願い申し上げます。という訳で、今日、早速、アパログさんに新たなエントリ「小山陽子さんの検索連動型広告に関する新刊2冊」をアップ致しました。このエントリと合わせて、皆様に是非お知らせしたいことがございます。前回のエントリ、「笹本克著『売るためのサイト構築テクニック』はお勧め本です」を読んで下さった著者の笹本克さんご本人が、直接コメントを寄せて下さったのだ。アパログさんは、実は、コメント、トラックバックは承認の後でないと表示されないんですよね。そのせいで、笹本さんのコメントをご覧頂くことが遅くなってしまい、大変申し訳ございませんでしたm(__)m笹本さんと言えば、日本のネット販売、ネットショップのコンサルタントとして、わずか数年の間に中小のネットショップが優良店に成長していくのを数多く支援してこられた素晴らしい方である。コメントの中にも、ネット販売の核心をついた鋭いご指摘をなさっておられるので、皆様是非お読み下さい。笹本さんのように、空理空論を振りかざすのではなく、中小企業にとって売り上げ、利益につながる実践的な仕事をしていくことは私の大きな目標です。笹本さん、本当に有難うございました。人気blogランキングへ
2006年05月04日
5連休、東京はいいお天気で始まって良かったですね♪という訳で、梶原由景さん始め、ファッション系雑誌もかなりレコメンドしていた写美の「GUY BOURDIN(ギィブルダン)」展を見て参りました。期待に違わず、素晴らしかったです。ファッション業界の皆様、写真に関心のある皆様には特に見て頂きたいですね。ギィブルダン氏(1928~1991)は、1970年代に『フレンチ・ヴィーグ』や靴のブランド「シャルル・ジョルダン」のコマーシャルフォトで辣腕を振るったことで知られる。今回の展示会でも、それらの写真が数多く集められていた。年譜には、「エドワード・ウエストン、マン・レイ、(画家の)マグリットなどの影響を受けた」ことが書かれていた。いわゆる、シュールレアリズムの大家達だが、ブルダン氏自身の作風も、ある意味で好き嫌いがはっきりと分かれるかもしれない、シュールな雰囲気を醸し出していた。ひざから下だけ(つまりは、足先だけ)でトコトコと路上を歩いている足。人間とマネキンがガラスの中と外に並んでおり、どちらが人間かマネキンか、一瞬わからなくなるような写真とか…。長く伸びた線路の上に、右足3本を綺麗な色のロープで束ねておいてある、まるで「轢いて下さい」と言わんばかりの写真やら、あるいは、交通事故の現場(轢かれた人の後がチョークで白く書かれている!)に投げ出されたシャルル・ジョルダンの靴2足とか、商業写真としてはギリギリの線を狙ったものもある。私自身が展示された写真を見た感想は、ブランドの性格上確かに下半身や靴のアップは多いのだが、フェティッシュなセクシーさはあまり感じなかった(私が女性だからかもしれないが)。上半身や顔が出てこない写真は、アノニマス(匿名性)な雰囲気が強く、モデルの個の女性としての魅力はうまく写真上からは消されている。代わりに感じるのは、乾いたユーモアだったり、人間や社会の現実を深いところで見据えた写真家の目線である。モデル達の表情も、時にはファッション写真らしい綺麗におすましした雰囲気のものもあるにはあるが、多くのものは何もかもを見通しているかのような、ぼんやりと暗い表情をしていたり、エネルギッシュで強かったり、ポーズが苦しいからかちょっと苦しげな表情だったりと紋切り型の美のイメージを超えた不思議な魅力に溢れている。それにしても凄いと思ったのは、1点1点の構図や、写真としての完成度が極めて高いということ。技術的なことには私はかなり疎い方なのだが、それでも、ギィブルダン氏はその場のノリでどんどん写真を撮っていた訳でなく、コンセプトを練りこんで計算づくで写していたに違いないということが感じられた。氏の実力の片鱗は、展示会場奥にあった初期の頃のモノクロ写真に早くも現れていた。後年のコマーシャルフォトと同様な構図や画面設定が、かなり見られたのである。特に、写真中央に太く強い線を持ってくること(柱とか、道路の中央線なんかでわざと写真を2つに切っている。相当にインパクトのある表現手法だ)や、ガラス越しに手前と向こうの風景を両方写したもの(ガラスの向こうの人や景色の揺らぎが、シュールである)とか、写真の中に、もう1枚自分の写した写真を登場させたりとか。これらの手法は、後年、電信柱の後ろを赤いトレンチコートを着て「シャルル・ジョルダン」の靴を履いた女性がまさに歩き過ぎようとしている写真であったり、人の乗った車の後ろに、車の窓越しに広がる青い空の写真とか、あまりにも有名な、大股を広げ屈み込んだ女性(もちろん、「シャルル・ジョルダンのピンヒールを履いている)がもう1枚本人が写った写真を持って前の方にズンと突き出した写真などになって、世の女性達を魅了したのだ。「ブランドの商品を売る」という、商業写真の限界をわきまえた上で、その制約を逆に生かして商品の世界観を最大限に生き生きと表現したのだ。まさに、靴というモノが、人間という小さな存在を超えて、勢いよく画面の向こうから駆け出してくるかのような写真達。同氏にとって、「シャルル・ジョルダン」という、靴のブランドと取り組めたことは、自身の資質を生かす上でこの上ない幸せだったのだろう。そして、写真家の力量を高く評価し、1967年から1981年までという長きに亘って自由な表現を許したシャルル・ジョルダン社の当時のトップの卓見も素晴らしいと私は思った。今日はこの他にも、ディステニー・ディーゴン展(ギィブルダンとは別の意味でインパクト強いです。圧倒されます)や第34回社団法人日本広告写真家協会公募展も同時開催されており、久々に写真という表現方法の奥の深さを堪能致しました。ギィブルダン展は、東京都写真美術館では5月27日(土)までの開催です。その後9月には大丸梅田ミュージアムに巡回するようなので、関西方面の方はそちらでもご覧になれますよ。お勧めです。
2006年05月03日
さくらが応援しているクリエーターさんの一人、ICHIZENの金子由紀江さんも選ばれているというので、スパイラルホールで5月5日まで開かれているSICF展を見てきた。GEISAIとか、このSICFのようなアート系のイベントって、玉石混合なんだけど、非常に切り口が面白かったり、手間暇かけて作り込んである作品もあるのでやはり見逃せない。今日も私がいいなと思ったブースの出展者の方に聞くと、広告代理店にお勤めだったりして、やっぱりなあ、と感心した。金子さんと出会って約8 ヶ月、進境著しいので非常に嬉しかった。今後益々の飛躍を期待しています。この展示、前半と後半で作品の入れ替えが行われる。前半は明日まで、後半は5日までなのでご注意下さい。それと、DMの持参者より、Webで申込みした人の方が入場料が安いようでしたよ。今、手元にPCがないので、現在もネットで申込みが出来るかどうかわからないのだが、足を運ばれたい方はご自身で調べてみられることをお勧めします(追記:5月3日に確認したら、やはりWebクーポン券を持参すると20%引きになるようです)。スパイラルの1階で、NTTドコモのケータイクレジット、DCMXのデモをやっていた。私はP902iを使っているので、早速アプリをダウンロードさせてもらった。今日は実際に支払って見る時間がなかったのだが、IC card worldで体験したデモ通りで、ケータイでコンテンツやアプリを何度かダウンロードした経験のある人なら、抵抗感なく使えるだろう。DCMX miniの方は月1万円以内なら審査なしで使えるという手軽さはいいのだが、中学生以上が対象、というのに、私はちょっと疑問を感じている。ドコモさんは、「契約者本人からの申し出で入会を制限出来る」という予防線を張っておられるようなのだけれど。実際、ケータイネイティブの中高生は有力な顧客ターゲットなんだろうが、クレジットは借金であるという消費者教育をきちんと行わないといけないと思うんだけどね。奥では、エッジィな洋雑誌I-D創刊25周年の記念展が。もちろん、スポンサーはNTTドコモさんだ。察するに、業種は違っても同じ商標を名乗るということで、広告代理店さん辺りが間に入って仁義を切ったのかな?雑誌「PINKY」に同名のお菓子やピンキーガールズの広告が出ていたり、古くは「Oggi」にオッジインターナショナルさんの広告がずいぶん長いこと掲載されていたのと同じようなものだと思う。しかし、雑誌のI-Dさんとドコモのケータイクレジットは、???の組み合わせ(正直、イメージが合わない)気がしましたよ。
2006年05月02日
今日明日は出勤、という方もファッション業界では多いのではないかと思うけど、気分はちょっぴりhappyなゴールデン・ウィーク(GW)、であります。そんな今夜にピッタリのネタを1つ。ガ島通信さんのブログで紹介されていた、神戸新聞さんとgooさんが開設しておられる「神戸洋菓子フェスタ」のブログの話題である。さくらもつい先週、神戸に行ってきたばかりなので、余計興味をそそられたのだが、5月3日から大丸神戸店さんで開かれるこの催事を盛り上げるため、このブログでは様々な工夫がこらされている。明日午後5時までに同ブログからトラックバックして「神戸観光をご予定の方、どんな情報がほしいか書いてください、神戸のおすすめスポット・情報をご存知の方、ぜひ教えてください」という質問に回答すると…。な・な・なんと、抽選で5名に全国百貨店共通商品券が当たるのだとか!私のブログの読者にも関西出身の方、現在関西にお住まいの方は結構いらっしゃるかと思いますが、是非是非トライなさってみられてはいかがでしょうか?三越さんや松坂屋さんのブログ、その他地方百貨店さんなど、百貨店業界では常設のブログが結構立ち上がっているけれども、期間限定のイベントに絞ってその情報を検索してきた人にアピールする、というのは、なかなか効果的なやり方ですよね。「洋菓子フェスタ」さんのブログは、コンテンツも練りこまれていて、「ハナコ・ウエスト」など紙媒体の情報誌に負けない綺麗なデザインでなかなか良いのではないだろうか。もう1つ言うと、「トラックバックしてくれた人に抽選でプレゼント」という手法は、去年の秋くらいからちょくちょくネット上で見られるようになっているようだ。既にその時に、山@SURVさんはご自身の楽天広場のブログでそのことを取り上げておられた。ミキハウスさんのランドセルのキャンペーンは、ブログ界では大掛かりなものとして話題になりましたね。但し、むやみやたらにプレゼントを乱発すればよい、というものではなく、心から企画の趣旨に賛同して、「私にも言わせて」という感じでアフィリエイトしてくれる人を募るような方向に誘導しないと、逆効果になってしまうように思います。神戸新聞×gooさんの企画は、その点、イイ感じだなぁ、と私は思いましたが。更にもう一丁。企業さんがプレゼント企画を行う場合、リアルの歳末大売出しの抽選なんかと同じで、景表法の規制を受ける、ということを企画する側の人間は念頭に置いておく必要はあろうかと存じます。という訳で、プレゼントに当たるとは毛頭思っておりませんが、せっかくなので、私なりの意見もここに書いておきたいと思います。1.神戸観光に関する情報で知りたいこと観光、というより、自分が神戸に行くのは仕事がらみや岡山への帰省のついでになってしまうことが多いと思うが、ランチやディナーが美味しいお店の情報とか、女性の1人客を受け入れてくれるホテルや旅館が有馬温泉にあるのか、などに興味があります。2.神戸のおすすめスポット・情報港町・神戸にはいろいろと素敵な場所がございますが、さくら的には、やはり、六甲。六甲ドライブ&百万ドルの夜景見物は、関西のデートの王道、ではないでしょうか。岡山県人にとっては、憧れの聖地、といった感じでしたね。あつかましくもここまで書いたので、ついでに言っておきたいが…。何故今日このネタを取り上げようと思ったかというと、「神戸洋菓子フェスタ」に、さくらお気に入りのケーキ屋さんが登場していたからだ。そのお店の名は、「元町ケーキ」。大丸神戸店さんにも入っているのだが、大学生の頃このお店に初めて友人と行ってからというもの、社会人になってからも神戸にショップリサーチに赴いた際は時間があれば元町の本店の方に必ず立ち寄ってケーキを食べるのが私のささやかな楽しみなのである。この間は時間がなかったので立ち寄れず残念だったんだけどね。このブログにも登場している「ざくろ」というケーキが、私は一番好きなのだ。見てくれがちょっと良くないな、と思われる向きもあるかもしれないが、このクチャッとした形が美味しさの元、なんですよ。カステラとクリームの柔らかい触感がたまりません、そう思っているのは、たぶん私だけではないはず!さあ皆さん、GWは大丸神戸店へGo!Go!Go! (さくらももう1回、行きた~い)。
2006年05月01日
Googleって、本当に対応が早い!Shoulder.jpさんのブログで知ったのだが、ゴールデン・ウィーク(GW)前にいわゆる「Google八分」を何故行ったか、という理由を通知する機能を発表したのだとか(リンク&トラックバックさせて頂きました)。詳しくは、ITmedia Newsをどうぞ。という訳で、ヨガでヘロヘロになった体を引きずってネットカフェまでやって来たさくらでありますが、今日はネット販売をやっておられる方にとってはちょっと懐かしい本、笹本克氏の『売るためのサイト構築テクニック』(アスキー刊)についてご紹介致します。ご関心のある皆様には、是非ネット書店さんででも購入して、GW中にお読み頂きたいと思います。詳しくは、アパログさんの「両国さくらの☆ネットでファッション☆」をご一読下さい。
2006年04月30日
皆さん、お待たせ致しました。5日振りのインターネットカフェからのエントリですが、佐々木俊尚著『グーグル Google 既存のビジネスを破壊する』の読後感の後編です。前回、4月24日のエントリで、「Googleの登場はニッチを狙った中小企業のビジネスにとって大きなチャンスである」と書いたが、今日は実際商売をやっておられる方の目線で、もっとその点について突っ込んで書いてみたいと思う。まず、「中小企業にとってのチャンス」は、現在も続いている、という見方もあろうが、正直、今から全く新しくネット販売に参入する、となると、ブランド力、知名度のない企業さんにとっては非常に厳しい、後々発もいいところ、というのが現実だと思った方がよい、と思う。弱小企業が新規参入する場合は、人よりも先んじなければノウハウを早く蓄積したことを生かして先駆者利潤を取るのは難しいのだ。今や、「○○屋.com」というドメインを取ろうと思っても、キーワード広告を打とうと思ってもB2C関連の有力なほとんどのキーワードについてはライバルに抑えられてしまっている。異業界より動きが遅かったファッション業界でも、私の感触では、ファクトリーブランドや無名の個人の仕入れ型やオリジナル販売については、2003年が先駆者になれる最後のチャンスだったかな、という気がする。現在は、リアルで他店舗展開している有力なブランドが雪崩を打ってネットやモバイル通販に参入している状況だ。2000年から2003年くらいまでは、まだ、「ネットで売る」「ネットで買う」という行為そのものに珍しさがあり、話題になれた時代だった。しかし、今は、リアルの有力なブランドの商品がネット上に溢れている。商売人は、本なんかにデカデカと成長ビジネスとして掲載されるようになってからそのビジネスを始めたのでは遅いんですよ。人が気づかないうちにピンときたことは始めなきゃ駄目だと私は思いますね。但し、わが業界の特質として、商品が世代別にセグメント化されている、ということがある。年齢層の高いゾーンでは、これから団塊の世代がリタイアしてからが本当の勝負、というところもあるだろう。調べていて、思わぬキーワードが穴になっていることもあったりするので、そこで勝負をかければ商機は見えてくるかもしれない。また、B2B、川上については、はっきり言って大穴だらけですよ。これ、国内の製造業事態が弱体化していて、既に限られたライバルしか存在しない、というのもあるのだと思うが、国内、そして海外のアパレルやデザイナーズブランドに向けたPR、あるいは、自社素材や技術を生かした2次製品のビジネスなど、仕掛けたら面白いように思います。次は、「ネットが必ずしも中小企業にのみチャンスをもたらしている訳ではない。これからが優れたビジネスモデルを有する大企業の躍進の本番」なのではないか。いい例が、ファーストリテイリングの「ユニクロ」。「ユニクロ」さんは、確か昨年度の日経MJの通販に関する調査を見ても衣料品分野におけるネット通販の最大手企業になっていた筈だ。わが業界で最大のネットでの成功者は、リアルでの最大の成功者と同一、なのである。「ジーンズ」「フリース」「Tシャツ」など、一般名詞でのキーワード検索に強いシンプルな商品構成、サイズ設定があいまいでないこと、アパレルでありながら定番的でリピート性のあるアイテムが大半である「ユニクロ」は、「母の日」など、モチベーション需要に向けてのキーワード対策(検索連動型広告の仕掛け)も随分前からガッチリと行っている。大企業ながらトップダウンによる風通しのよい組織もネット時代に合致している。ここに来て、他の大手企業さんの攻勢も強まってきた。今、iモードのメニューリストの「ファッション」のランキングを見ると、1月から3月の利用者順の統計でワールドさんの直営サイト「D-スタイル@WORLD」が4位につけている。このサイト、立ち上がったのは恐らく昨年末か今年始めだったように思うが、あっという間の急浮上ですよ。元々人気ブランドを揃えている上、ケータイサイトを見たら、ユーザビリティは良いは、ブログはきっちり書いているは、大手の実力の高さを見せ付けている。先般、ルイ・ヴィトン・ジャパンさんもフランス本国、イギリスに続いて来年にも日本でネット通販に参入する意向を表明していたが、リアルで商品力、サービス等のレベルが全て高い企業は、ネットやケータイ通販に関するノウハウさえ習得すれば、一気に大きな売り上げを獲得していくでしょうね。通販の原価率の低さを生かして、ラッピングやお礼状などでも、サプライズのあるサービスを展開していくのではなかろうか。ファッション業界では残念ながら、これからはこういう大手さんのネットやケータイがらみの話題の方がメディアを賑わせていくようになってくると思います。こういう大手企業さんは広報体制も元々しっかりしていて、マスコミサイドから見ると横着な記者(失礼!)でも取材しやすい企業さんなので。Googleが既存のビジネスを破壊するどころか、ネット上でコンテンツとして流通しえないファッション業界においては、大手は大手ショッピングモールに属する必要もなく検索エンジンに直接社名やブランド名を入力してもらって益々隆盛を強めるのである。では、これからネット通販に参入したい、あるいは、今までやってきたけれど今一つ実績が上がっていない中小の繊維や雑貨などのファッション系企業さんはどうすべきか。小は小なりに、粘り強くやっていくしかないのだが、ここでもう1つ、『グーグル Google 既存のビジネスを破壊する』にも書いてあったことで重要なポイントについて考察してみたい。それは、「ロングテールの法則」についてである。前にもこのブログで少し書いたことがあるけれど、私は、「ロングテールの法則」という言葉がネット上で話題になり始めた頃からずっと、「この法則は、ファッション業界の商品の多くには適合しにくい」と思ってきた。理由は、次の通りである。・ファッション業界のキーワードの多くは、「一般名詞」ではなく、「固有名詞」。単品通販系の一部を除いて、アイテム名よりもブランド名がものをいう世界。・ファッション業界の多くの企業が、テキスト(言葉)による説明より画像によるイメージを重視したいと思っているが、最近まで画像検索は十分に発達していなかった。・インテリア業界などと対照的なのだが、スタイルよりトレンド重視、というブランドが多く、商品寿命は短命。そもそも、ロングセラーを生もうとはリアルの商売でも全く思っていない。・雑誌掲載がなかったり、イメージの良い立地や百貨店、ファッションビル内に店舗のないブランドが消費者から信頼されにくい。それから、次のような業界独自の問題点もある。・非常に多忙なため、ある一定年齢以上(40歳前後以上)の業界人はネットやケータイにうとい。・産地企業から東京のアパレル、小さな企画会社等に至るまで、人間関係(仕事から遊びまで)が業界人中心になっているケースが多い。ネットビジネスで成功している中小企業は、地域内や全国の異業種の先駆者とのネットワークを持ち、ノウハウを教えあって切磋琢磨してきている。それが、日本のネット通販をここまで発達させた原動力の一つになっているのだが、そういう人達と一緒に勉強している人がわが業界出身者には極めて少ない。異業種のグループに入りたがらない。「ロングテールの法則」に適合しにくい、という商品特性、そして上記のような業界特性もあって、これまでファッション業界のネット通販、ケータイ通販はファッション専門のショッピングモールへの出店、という形で発達してきた。それらのサイトは雑誌、あるいはリアルの大掛かりなイベントとの連動、という新しい形のビジネスモデルを形成し、それらがここ3年程の間大きなムーブメントになっていたのだが…。そろそろ新しい風が吹いてきたように私は思っている。それは、先般書いたように、ケータイでもGoogleが検索連動型広告をネットと同様の仕組みで中小企業にも利用しやすい形で普及させようとしているからだ。次世代のヤングに向けてのブランド立ち上げと同時に、ケータイでの勝手サイト(自前サイト)立ち上げ、というのは、これからは絶対にやられた方が良いように私は思います。それと、画像検索、動画検索の普及、これは、イメージを重視するファッション業界にとっては大きな追い風となる筈だ。リアルの店舗により近い世界観が表現できるようになれば、価格の安さではなく、「かっこいいから」「好きだから」買う客層へのアピールが可能になってくるだろう。本の感想とはかなり離れてしまっているように思われるかもしれないが、そもそも多分、ネット販売をやっておられるような方にとってはこの本は「今更やねぇ」といった内容だと思うのだ。商売のツボについては、もっともっと具体的に細かく掴んで即実行できるようにならないと駄目だという気がする。ネットやモバイル通販はとにかくすぐやる、やってみて駄目なら理由を考えてすぐ変更する、それの繰り返しをクイックに、そして根気良くやれないといけないと思います。最後に、「ファッションでロングテールを掴むには」。私なりの意見をまとめてみると…。・インテリア業界のように、「スタイル」を追求したブランド、商品。・単品の深堀り(「カシミア」「セーター」など、2つもしくは3つ以上のキーワードで深い品揃え)。・ゴスロリなど、ニッチな趣味性の強い服。・「お受験の際にお母さんが持つかばん」などライフシーンと結びついた商品。・大きいサイズ、小さいサイズ、ユニバーサルファッション。・オーダーメイド、カスタムメイド。・40代のガンダム需要のような懐かし消費は、ファッションの場合はかなり難しい。何故なら、当事者は年をとって若い頃の服は着られなくなってしまうから。しかし、50年代、60年代など、過去のトレンドは周期的にリバイバルしてくるので、それと絡めた仕掛けは可能だろう。以上、こうやって書いてみると、「何だリアルと変わらないじゃん」ということになるが、「だけど商品企画、難しいじゃん」となってしまうのである(笑)。そう、わが業界の無名ブランド、ファクトリーブランドさんや個人のクリエーターさんは、ネットだリアルだと騒ぐ以前に、作っておられる商品そのものにパワーがない場合が多かったりするのである。食品なんかのように、良質安価な地方の産直、なんてことはかなり難しい業界なのだ。こんなに成熟した社会で、身に着けるものでかっこ悪いものは全国どこでもだんだん年配の人にしか売れなくなってきている。しかも、ユニクロさんやしまむらさんより中小企業が安くするのも構造的に難しいんですよ、悲しいけど。ということは、やはり、商品企画からきっちりやってくしかないんですよね。ということは、うちの会社でやっているような勉強会や展示会なんかは、やはり必要不可欠、ということになってこざるを得ないのだろう(笑)。皆さん、まずは商材から作りこみまひょ。苦しくても仕方ないですね、ファッション業界に身を置く以上(笑)。
2006年04月29日
今夜は久々にシナジープランニング代表取締役の坂口昌章さんと飲み。その後会社に戻ってまたちょっと仕事をしたので、この時間になってしまった。 しかし、今週は、月曜飲み、火曜飲み、水曜移動、木曜移動、金曜飲みで、飲んで食べて移動して、の繰り返しだった。体重計の針をまたまた右の方に寄せてしまったような気がする。GWは、ヨガとアートと読書三昧で体と心をチャージしなくては! 今日、坂口さんに、「Google八分って言ったってネットで商売していない人には関係ないよ」と言われたが(これ、大当たりです)、月曜日に書いた「グーグル Google 既存のビジネスを破壊する」の続編は、明日書き下ろす予定です。お待たせして申し訳ございませんが、もう少しだけお待ち下さい。
2006年04月28日
今、ブログ構築についてのデモを実施中です。
2006年04月28日
皆さーん、只今名古屋駅を通過しようとしているさくらでーす。ちょっと熱っぽかったりするんですが、やはり滅多に行かない関西、非常に面白いなと思ったので、忘れないうちにケータイで感想を書いておくことにします。まずは三宮のメディテラス。正直、建物のしつらえはヨーロッパの家と比べると安っぽいのは致し方ないのだが、MDはさすがワールドさん、面白いところを突いている。地下1階から地上4階まで、フロア中央は吹き抜けになっており、お客様はぐるりと各フロアを一周しながら商品を見て回る構造になっている。売り場の中に何箇所もVPや小さな島が作りやすく、お客様の目から見て変化に富んだ非常に楽しい売り場になっている。一階から二階にかけては特にアクセサリーが充実。花、タリーズコーヒーなど外部との協業も効を奏していると思った。今やっておられたパドゥリオンさんの催事は、ちょっと顧客ターゲットに合わないんじゃないかと思ったが。衣料品は、綺麗な色目でセクシーすぎないフレンチカジュアル。アクアガールに比べて、ややサイズの大きい人でもOKである。3階にレディスと一緒にメンズを置いているところがミソ。こちらも綺麗目のプレッピー、先鋭すぎないストリートカジュアルで、メンズ、レディス共間口が広い印象だ。デートの際彼女に連れられてきた彼氏が買う服、という感じだろうか。まだ4月ということもあってか、ワールドさんのオリジナルの比率はアクアガールより低いが、逆に価格の上限も低く、10万円以上のものがほとんどないようだった。地下のアンティークウォッチでもセイコーやシチズンの2、3万円台のものでレトロな良い感じのものを置いていたり、今やコスメの業界からも一目置かれている化粧品のセレクトのゾーンなど、長時間いても飽きないお店である。惜しむらくは、靴とバッグにややパワーがないことか。南仏をイメージしたと思われるこのお店、今のところ神戸1店舗しかないようだが、地元の人が型肘張らずに訪れることの出来るイイ感じのお店に仕上がっていた。もう一ヶ所。改装中ということで二年間の期間限定の売り場になっている阪急百貨店さん。いやはや、かなりゾーニングには苦労なさっておられる筈なのだが、なかなかどうして上手いまとめ方である。二カ所に分けてあるコスメの売り場もいつもながらに物凄く活気があって・・・。ホント、関西の女子特有のコッテリとしたオシャレ感に圧倒されましたし・・・。一階と二階のイベントスペースの強力なラインナップとか、この際だからチョイ強引にひとまとめにしちゃった感のある4階のDファイル、Dエディットもむしろこの方が自主編集っぽくっていいんじゃないかと思えたりして。自主編集と言えば、三階のプル・ア・プープは秀逸ですね。ロハス×大人のフレンチ、です。しかし、本来ならばもっと上の階にあって然るべきアンタイトルが二階の一等地に大きく売り場を構えているのには驚いた。売れているから、なんだけど。恐るべし、関西でのワールド・パワー。午後7時45分頃帰路につこうとする頃、逆に客数が増えてきたのにも驚いた。阪急さんは水曜から土曜までは9時閉店らしい。昨今の会社はどこも残業が多くなっており、営業時間を延長するかしないかで売上が大きく変わってくるのだろうけど。販売員の皆さんは本当に大変だと思う。くれぐれも健康に気を付けて頑張って頂きたいですね。
2006年04月27日
只今、新幹線にて某所に移動中です。 以前にも書いたことがあるけれど、元来旅好きなので、電車に乗って遠出すると思うと物凄く解放感を感じて元気になれるんですよね。 本もゆっくり読めるし。今日は、秋本治さんの「両さんと歩く下町」を読みながら夜の旅を満喫します。
2006年04月26日
仕事の合間を縫って、先週錦糸町にオープンしたばかりの大型商業施設、オリナスに初めて行ってきた。 地元だから多少身びいきも入ってしまうかもしれないが、想像以上に頑張ってテナントリーシングをなさっておられるな、というのが、第一印象。インテリア雑貨のジョージズが入っていたのには驚いたし、アパレル系はVMDは綺麗だがプライスは安いブランドが揃っていて、B級立地でのMDの好見本のようだ。 難点は三カ所ある駐輪場の場所がわかりにくいこと。イオングループさんの郊外型SCのようにアルファベットでも数字でもいいから番地を振っておいて欲しかったですね。 東京は西部はもうかなり西の方まで行かないと高くてマンションが買えない状況になっている。その点城東地区は住宅地としてのポテンシャルは高い。先日のアリオ亀有も然り、これからまだまだ新しい商業施設が開発されるのではなかろうか。
2006年04月25日
梅田望夫さんの『ウェブ進化論』(ちくま新書)に続いて、佐々木俊尚著『グーグル Google 既存のビジネスを破壊する』(文春新書)を読んだ。またまたR30さんのブログで同書のことを知ったのがきっかけである。読む前には今回はもう、感想をアップするのはやめようかと思っていたのだが、実際読んでみて、やはり非常に考えさせられるところが多かったので、今の感想を率直にアップしておくことにする。この本に書かれていることは、大きく言って次の3点である(と、ネタバレしちゃって申し訳ないのだが)。・Googleの進化は、既存のマスメディアやITベンダー、Yahoo!、マイクロソフト、Amazon等にとっては大きな脅威となる。・一方、中小企業にとってはGooleの検索エンジンはニッチビジネスを展開する上で大きな味方である。・Google一極集中は、「Google八分」、プライバシーの侵害、政治権力の介入等、かつて考えられなかったような巨大なリスクを生みつつある。改めて自分自身の立ち位置を考えると、不思議な感慨にとらわれてしまう。私はかつてはしがない業界紙の地方支局の現地採用の記者で、マスコミ業界の端くれに属していた。その時の記憶は、まだ体のすみずみに染み付いており、昨今ネット上で起こっているあれこれの出来事に直面した際も、つい、「わが身の危機が迫っているのではないか」と反射的に感じてしまうことが未だにちょくちょくある。その一方で、私の現在の仕事は、第3セクターのファッション系産業支援機関の職員で、中小企業の皆さんをサポートすることだ。お蔭様で、仕事を通じて、地元のみならず、全国の優秀な中小企業の皆さんと知り合うことが出来た。その方々の中には、正直、ネットでしかやり取りをかわしたことのない方も多いが、不思議な親近感、このように申し上げるのは非常におこがましいのだが、ある種の仲間意識すら感じてしまうことが多々ある。そういう方々のかなり多くが、ネットを活用し、B2B、B2Cのビシネスで事業を大きく拡大しておられるのだ。『グーグル Google 既存のビジネスを破壊する』の中に事例として登場しておられる三和メッキ工業さんについても、私の何人ものネット仲間のお知り合いらしいので、お願いすればコンタクトを取ることだって可能だろう。このまま手を打たなければ、急激に衰退に向かうであろうマスメディアと、ネット活用で、ビジネスはおろか人生の可能性まで大きく広げていける中小企業ーーその両者の生き様を見ながら私が痛感していることは、前、『Web進化論』の感想にも書いたが、「マスコミの働き口が減ったとしても、中小企業、ベンチャー企業に新たなビジネスチャンス、新たな働き口は必ず開拓できる」という確信である。ここまで書いてきて、どうしても書かざるを得ないのだが、例えば自分と同年代の、40歳前後のマスコミ人の方々とか、もう少し上の世代、いわゆるネットエイジに間に合わなかった世代の方々にとって、「マスコミで働く」ということの意味はどこにあるのだろうか?大昔、学生時代や卒業して婦人服の販売を経た後業界紙に入った頃は、新聞の業界で言えば、まだ人権派、社会派と言われた大先輩の方々の書かれた本なども書店には沢山並んでいて、私のようなへっぽこ記者ですら少しはそういった本を読み漁ったものだった。そういうものは好きではない、という人にとっては、時代はバブル経済の時期、経済記者としてあれこれ取材したい対象というものもあった筈である。あるいは、「海外へ行きたい。世界のいろいろな国を取材したい」という問題意識とか。青臭い考えかもしれないが、そういう思いの根っこの部分が残っていれば、今、このネットという世界で起こっているあれこれの事象は、あらゆる専門領域の記者にとってやはり何らかの形で取材したい、という風になってくると思えてならないのだが。ネットにどっぷりと関わってこの現実が今後どのような方向に進んでいくのかを是非この目で見たい、そして、その内容について皆で議論してみたい、という欲望に駆られはしないのだろうか。長時間労働、現実の生活に追われて、それどころではない、というのが、特に大手企業さんに勤めておられる方の実情なんでしょうね。それと、一般紙に勤める私の友人も以前話していたが、守秘義務の問題、これはもちろん大きな問題なので。私はやはり、最初のブログ記者となるのは、その多くがジャーナリストもしくは元ジャーナリストにならざるを得ないのではないか、という風に思っている。特に、政治や外部不経済の領域(環境、福祉等)など、圧力に屈せず、しかも複眼的思考で物事を見て積極的に動くことが求められる分野は尚更だ。表現する媒体が変わっていったとしても、ジャーナリスト魂は死なない、そう思いたいですね。嬉しいことに、私の身近なところでも、コレやコレやコレなどの記者ブログが立ち上がっている。まあ、ファッションというのは、炎上する心配も少なく、比較的やりやすい分野だからだというのもあろうが、皆様と一緒になって、新しい形のインタラクティブなメディアのスタイルを追求したい、同書を読んで改めてそう感じましたよ。しかし、この本の読後感は、暗い。正直、梅田氏の『ウェブ進化論』を読んだ跡に感じた爽やかさとは対照的だ。それは何故か。既存マスコミやITベンダーの将来見通しもさることながら、最終章の第6章「ネット社会に出現した『巨大な権力』」の問題提起が、非常に深刻な未来を予感させる内容だからである。「グーグル八分」、これをやられたら事実上ネット販売なんかは不可能になってしまうという、恐ろしい言葉も出てくる。前このブログでも取り上げたことがあるが、世界中のデータベースを全て収容しようという衝撃的な試み。ただただ無邪気に、技術の進化のみを考え前へ前へと進んでいるGoogleが、もし、国家権力による介入を受けたらどうなるのか?幸か不幸か、というか、そうなるべくして同社はアメリカ、という、一方では世界で最もリベラルで万人に対してチャンスの開かれている経済大国でありながら、その一方では強権国家、好戦的な国家の顔も持つ国の企業である。万一、戦争のためにGoogleの持つ非常に高度な技術とプライバシー情報が利用されるようなことになってしまったら?Googleが中国政府の圧力に屈して検閲を容認しているということも取り上げられていたが、あることに関する情報を全てシャットアウトする、というような恐ろしいことが、既に隣の国では行われてしまっているのだ。もちろん、梅田氏の本ではないが、大衆の持つ自浄作用、バランス感覚が危険を回避していくだろう、楽天主義がうまく働き、世界はよりよい方に進んでいく、と出来ることなら考えたい。しかし、ある国の世論が、ある時期急進的な方向に一気に傾く、というのは、過去の歴史でもしばしば見られたことだ。これまでもネット上では、Googleの一極集中に対する懸念はいろいろなところで語られており、珍しくないと思われる向きもあるだろうが、この論点は梅田氏の著書には強くは現れていないものであり、これを世間一般にアピールしたという一点だけでも、佐々木氏の著書が出版された意味は大きいのではないか。長くなってきたので、続きは数日後(ゴメンナサイ、忙しいので)に書きます。
2006年04月24日
皆さん、お待たせ致しました。久々にアパログ「両国さくらの☆ネットでファッション☆」へのエントリです。先日、大手アフィリエイト・サービス・プロバイダーの電脳卸さんが、「ドロップシッピング(dropshipping)」という新サービスの開始を発表致しました。「ドロップシッピング」とは何なのか、そして、ファッション業界への影響について探ってみました。よかったら是非ご一読下さいm(__)m
2006年04月23日
先週の今頃、風邪で寝込んでしまっていたせいで、二週間振りにヨガ教室に行ったら、やはり結構コタえてしまいましたね。先週私がお休みした回から担当講師が代わってちょっとメニューがハードになったというのもあるけれど。 「日経アソシエ」の5月2日号、トリンプ・インターナショナル・ジャパン、吉越浩一郎社長の連載ページに出ている社長直筆のモナリザの絵が上手いな、とか、「シュプール」6月号の、「D&G」の広告を見て、ますますヤバくなってきたけど、オチはどうするんだろう、このパターンにもそろそろ飽きてきたなぁ、とか、「ティファニー」と建築家フランク・ゲーリーとのコラボレーションモデルは期待に違わぬ出来栄えのようだなぁ、などとつらつら思いつつ体を休めておりました。 そんなこんなで、今日はネットカフェ通いはお休み致します。ごめんなさい。 明日は少し長めのエントリをアップする予定ですので楽しみに待ってて下さいね。 これから、佐々木俊尚著「グーグル Google 既存のビジネスを破壊する」を読みながら寝ます。
2006年04月22日
本当に久々の霞ヶ関。経済産業省別館で行われた商務情報政策局の所管事業、「IT経営百選」の公募説明会に参加してきた。この賞、2年前の平成16年度に1度実施されているが、今回は、な、なんと、百選と言いながら「約300社を選出したい」、と、のっけから凄い発言が飛び出しましたよ。おっしゃられたのは、この方、IT経営百選選考委員会委員長で、ジャーナリストの上村孝樹さん。日本の中小企業のIT化に対して、熱い情熱を傾けておられる方だ。何でも、今年1月に、政府は新IT国家戦略を発表、2010年の時点では中小企業のIT経営成功事例は1,000社レベルにしたい、という大きな目標を掲げられたそうだ。この考えには、私も大賛成である。点ではなく、あらゆる業種、産業に、群としての成功事例がどんどん出てくれば、それに刺激を受けて、また次の優秀な企業さんが育ってくるだろうから。上村さんは、「日本の良さは、マスコミの力もあって、社会全体に優秀な企業の事例から学ぼうという気風、ナレッジマネジメントの風土があることだ」というようなことを今日おっしゃっておられたが、本当にそれは良いことである。IT経営百選の趣旨も、表彰された企業さん自身のお取り引きが増えたり、マスコミからの取材依頼が増えたりする、というメリットもあるのだが、ホームページ上に優れた事例を紹介することで、誰もがそこから学べるような仕組みを作る、というところにあるのだ。受賞チャンスも3倍になる訳ですし、ファッション関連の中小企業の皆さんにも、今回はドシドシ応募して頂きたいと思います。今日の説明の中で、印象に残った点について幾つか列挙しておこう。・公募期間は3月10日から6月30日までだが、4月30日までに応募があったものについては5月中旬から優秀な企業についてのみヒアリングを開始する。 ……これは、選出数を前回の3倍にすることに伴う措置。ヒアリング対象企業は約100社、担当委員も前回の倍の8名となる。 前回ヒアリングを受けられた方はご記憶のことと思うが、ヒアリングの後、応募記入シートを書き直すよう指示されるため、早くヒアリングを受けた企業さんの方が書き直す日時が十二分に取れます。 5月1日以降の提出分は、7月1日以降のヒアリングとなる見込みだ。・応募記入シートは、見本を見て極力具体的に書くこと。 ……今回、新たに「記入例」も用意されているので、その例を見て自社で実際に日々取り組んでおられることを名称や数値まで織り込んで具体的に記入してほしい、とのことだ。美辞麗句が並んだ抽象的な文章だと評価は低くなり、しかも、ヒアリング時に大幅な書き直しが必要になって二度手間になってしまうのでご注意を。・利益があまり出ていなかったり、赤字であっても、それなりの理由があり、他の点で優れていれば選出されることもある。 ……実は、この質問、うちの会社にも寄せられていたのだが、上村さんの方からきっぱりとしたご説明があったので、安心致しました。前回も、赤字だが、社員の給与を同業他社の2.5倍に設定している企業さんが最優秀賞に選ばれているそうである。・最優秀賞と優秀賞の差は、「社員満足度」が図られているかどうか、で出てくるケースが前回は多かった。 ……これは確かに、中小企業にとってはなかなかハードルの高い課題だから、言われてみると非常に納得がいく。応募されたい皆様、まだ時間はございますので、この点が自社できちんと位置づけられているかどうか、見直して見られてはいかがでしょうか?うちの地元からも、複数の優秀な企業さんを推薦するつもりだが、この賞、全国が対象だし、繊維関係に限ったものではないので、是非我こそは、と思われる方はトライなさってみて下さい。特に、前回1社も応募がなかった青森県、山梨県、和歌山県、香川県の皆様の奮起を期待したい、というのが、事務局さんの切なる願いだそうです。
2006年04月21日
さてさて、仕事の合間を縫って、行って参りましたよ、平和島まで。プレビューを統合し、年2回開催の形となってから初の開催となるジャパン・クリエーション(JC)。次回の12月展は従来通りのビッグサイトに戻るのだが、今回は東京流通センターという、初めての場所での開催だ。アパレルさんのバーゲンなどもちょくちょく行われているらしい同所は私の自宅のまあまあ近所にあるのだが、実は今日生まれて初めて足を踏み入れた。業界の皆さんの中にも、同所は初めて、という方もいらっしゃるかもしれないが、そういう皆様には、予めホームページか、あるいは受付でもらったフロアガイドを見て、ブースを回る順番を考えておかれることをお勧めします。フロアが1、2階に亘って3箇所に分かれているので、「あそこへ行って、またこっちへ戻ろう」としたりなんかすると結構時間がかかったりする。もっとも、私はかなりの方向オンチなので、普通の方はそんなことはないのかもしれないが…。さっきJCのホームページを見ると、綺麗にリニューアルされていましたね。ちゃんとブログも始まったようで、有力ブースの見所なんかもきっちりレポートされている。ただ、誰もまだコメントやトラックバックをかけていないじゃないですか。いつもながらに、寂しいですね。という訳で、不肖この両国さくらが早速トラバさせて頂くことに致します(笑)。今回は、大幅に展示面積が減少したこともあって、地元からの出展は丸安毛糸&丸紅さんと、エイガールズさん(和歌山が本家だが、両国に本社を置いておられます)だけだ。前はプレビューに出ておられた小野莫大小さんとか、東墨田のピッグスキン関連の企業さんの姿がなく、寂しい。全国的に見ても、ニットの2次製品関連がほとんど見当たらなかったし、今治のタオル、備中や児島のデニムの機屋さんとか、泉州、北陸、桐生などの知り合いの有力な機屋さんも多くが姿を見せていない。確かに、玉石混合の、「石」の皆さん、その最たるものは、こう言っては非常に申し訳ないのだが、補助金が出るから出展しておられるような○○組合、××組合、といったブースがなくなって、全体的な質は向上していると言えるけれども、やはりもっと面積は必要、ここに出るべき企業さんはまだまだ国内には存在するのでは、というのが率直な感想だ。トレンドディレクションの欠落の問題については、先日このブログに既に書いたのでそちらをお読み頂くとして…。全体的に感じたのは、引き続きトレンドはエレガンスな方向に振れているなぁ、ということ。ガチガチのカジュアル、汚い感じの加工より、繊細で美しい表面感、軽さ、柔らかさを表現した素材に目がいくなぁ、と思った。2月にイタリア・フィレンツェでヤーン展「ピッティ・フィラッティ」を見てきて、その後「プルミエール・ヴィジョン」のレポートなども新聞で読んだりして感じていたのだけれど、カラーではブルー系のバリエーションが非常に気になりますね。一番最後、午後6時頃ようやくたどりついたコットン・サービス・センターのブースでも、ブルー系のスワッチがかなりあるようだったし(じっくり拝見できず、ごめんなさい)、ラグジュアリーブランドとのお取り引きの多い、青野パイルさんにも、すごくシックで素敵なブルーが置かれていましたよ。それから、やはりベージュ系のバリエーション。逆に、少ないな、と思ったのは、上品な光を帯びた素材。これは、そういう商品を作れる企業さんの出展が少ない、という問題もあったのだろうけど…。クレッシェンド・ヨネザワさんのベージュのストール、つまみを入れてリボンのような動きを出しており、その流れるような線のエレガントさにうっとりさせられたりとか。お話は伺えなかったのだが、クロダレースさん、トリムレースさんなど、レース関連のブースにも非常に艶やかで美しいサンプルが見られた。こういう素材を、下着用だけにしておくのはもったいなさすぎますね。尾州の機屋さんの春夏向けツイードも、非常に軽くて色合わせが美しいものがかなり見られた。3者混、4者混なので、サラリとした肌触りで、暑苦しい印象はない。これをジャケットにしたら素敵だろうなぁ、と思いながら眺めたり…。秋冬向けだが、妙中パイルさんの豹柄も、企画次第でかなりイケるのではないかと思いながら見せて頂いた。「プラダ」の2006~2007年秋冬コレクションを思い出したりなんかして。全体的に、まだまだ、という企業さんもあるにはあるが、プルミエールヴィジョン参加組、松井ニット技研さんなど2次製品を海外に輸出している企業さんを中心に、やはりトップグループの技術と完成の水準は非常に高いな、と感じさせられた。プルミエールヴィジョンに参加しておられる企業さんは、色出しもうまくなっていらっしゃるな、と思うし、パネル展示など、プレゼンテーションの手法にも長けてこられたように思う。今は景気も良いし、後はアパレルさんにこういった優れたテキスタイルをいかに料理して頂くか、といったところだろう。雑貨やインテリアなど、広義のファッションビジネスに携わっておられる皆様にも、是非ご覧頂きたいですね。同展示会は、明日午後5時までです。
2006年04月20日
待ち合わせまでに時間があったので、渋谷109-2のメンズフロアをブラブラしていた。 あるショップで、私がジーンズを物色していると、ショップスタッフのイケメン男性が、ツツーと側に寄ってきた。 「よかったら、試着してみて下さい」。 「いや、でも、私、見ての通りサイズ大きいですから」と私が言うと、その彼は一言、「大丈夫です、うちのオカンも履いてますから」。 それから、一気に会話は前に進んだ。彼は私の本当のヒップサイズをうまく聞きだし、売り場の中で女性向けのジーンズが2型あることを説明してくれた。いずれも凝ったデザインで、非常にお洒落だ。 時間があったら絶対買うのになぁ、と、後ろ髪を引かれる思いで売り場を後にした。 それにしても、メンズもさすがマルキュー、抜群の接客力だなぁ、と思った。 レディス同様、何にしようか、まだ迷っている時にはそっとしておいてくれるのだが、「これ、いいなぁ」と思って一点をじっくり見始めると、すかさずアプローチをかけてくる。 そして、禁句ギリギリかもしれない、「オカンが履いてる」と言う決めゼリフ、本当に真剣な接客の中から何の照れも飾りもなく、素直に口を突いて出てきた言葉のように聞こえたので、私も素直に受け答えすることが出来たのだ。 レディスもそうなんだけど、マルキューのショップスタッフの皆さんは売ることに対して本当に真剣だ。チャンスと見れば全力で向かってくる。 そして、お客様に対して、変な先入観のない方が多いと思う。私のようなオバサンにも、すごく親切で一生懸命接客して下さいますよ。 だから私はマルキューが大好きなのだが、まだまだ助走の段階かと見えるメンズの方も、このような丁寧な接客を続けていかれれば、あるタイミングでもう一段ブレイクすると思いますね。そして、恐らくその後も、ファッションサイクルの浮き沈みはあっても、世の中に「マルキューメンズ」というカテゴリーは定着していくのではないかと私は予想します。 ふと我に返ると、自分が例えば高校中退でヤンママになっていたら、このショップスタッフ君と同年代の元気な息子がいたって何の不思議もないのだ。自分の息子から職場で売っているジーンズをプレゼントされたら、もしくは売り場に立つ息子の姿を見に行ってそこでジーンズを買えたとしたら、親として無上の喜びだろうね。 私は、一瞬、自分がそういう若い息子を持つ母になった姿を想像した。そうすると、心の中に何とも言えない幸せな感情がジワッと込み上げてきたのだった。
2006年04月19日
忙しいので、最近あまり雑誌を見ていなかったのだ。この前の週末、風邪で寝込んだ時に、メンズノンノ5月号をパラパラとめくっていて、neさんのアドバトリアル、つまり広告記事タイアップのページを見つけてしまった。 同ブランドを手掛けていた会社、ネクストエッジは、先月末に突然会社整理が決まったらしいが、この企画を差止る暇もなかったのだろう。現場の社員さん達は、何も知らされずやる気一杯だったのか。 仕事柄、こういうニュースを耳にすることが多いが、何ともやるせない気持ちになる。 同誌には、マツキヨの広告も出ていた。メンズ通販サイトのZEELの商品が当たるというもの。私は、ケータイの方にはこのZEELさんもブックマークしてます。ゾゾタウンよりやや大人の客層狙いで、落ち着いて買い物できる雰囲気ですね。 といいつつ、メンズにはほとんど用がないので、買ったことはまだないのだが・・・。 イランイランのボクサーブリーフなんかあるんだと、初めてこの広告で知りましたよ。ZEELさんはケータイサイトのツクリを変えて、こういうブランドをもっとアピールすべきですね。 ウエスト70センチなので、細身の男子にはぜひトライして頂きたいですね。 それと、前もこのブログで取り上げたことのある、izreelのハンドタオル! これはですね、はっきりいって最高級品です。高倉デザイナーのデザイン力と、素材そのもののバワーの相乗効果で、すばらしい商品になってました。展示会でこの目で見たので、間違いありません。 高倉さんも、日本はもとより、海外でも売れっ子になられたようで、嬉しい限りですね。
2006年04月17日
(あまりにも失敗が多すぎて、読者の皆様にも本当に申し訳ないのだが、今日も「アパログ」のサイトに原稿をアップできなかったので、後程アップするための原稿をこちらに書き残しておきます)。オシャレなサイト、というと、私がすぐ思い浮かべるのは「アンジェ」さんだ。この楽天さんのショップを始め、PCサイト向けは他にYahoo!ショッピング店、ビッダーズ店があり、それぞれに特徴のあるツクリになっている。それだけでなく、既にモバイルサイトもちゃんとオープンしているのだ。私が使っているiモードでは昨年12月からだが、今調べてみると、EZWeb、Vodafone!Liveにもサイトは存在するようだ。モバイル公式サイトはシーエーモバイルさんとのお取り組みのようだが、この他、ポケットビッダーズの店舗もあって、ケータイしか持っていない人でもちゃんと複数のサイトを見比べて楽しく買い物が出来るようになっている。「アンジェ」さんのモバイル本店サイトの中で、私が面白いなと思っているのは、「イメージ検索」のコーナーだ。イメージ検索というと、Googleのイメージ検索のような、ある単語を検索するとそれに関連する画像がずらっと出てくるような仕組みを思い浮かべる向きも多いかと思うが、「アンジェ」さんのケータイサイトの場合はそうではなく、同社の商品群を幾つかのイメージでグルーピング、分類しており、その単語をクリックすると、それに該当する商品が順番に出てくる、という仕組みだ。イメージキーワードは、「ポップ」「落ち着き」「温かみ」「大人感」「和み」。ほとんどが日本語でわかりやすい言葉ばかりだ。しかも、どれもきっちり4文字以内!(ケータイ通販の場合、「短く、簡潔に表現する」ということは非常に大事なんですね)。ネット通販の世界においては、商品分類がきちっと出来ており、サイト内で顧客内を混乱させない導線を組んでいる、ということが非常に重要なことである。行きつ戻りつが難しいケータイの場合は尚更、なのだが…。「アンジェ」さんクラスのアイテム数を取り扱っている品揃え型のサイトの場合は、それは後付けで行われているのではなく、実は、仕入れ、バイイングの段階から、自社が仕入れたい商品のグルーピング、分類がきちんと出来ており、更には、どういう顧客ターゲットにどれだけの量を売るか、という目標までが明確に設定されているはずなのだ。それはつまり、リアルかネットか(モバイルか)、を問わず、リテイルマーチャンダイジングの基本である。「アンジェ」さんクラスの複雑なMDになってくると、メーカー発の単品通販のようにサイト構築や販売ノウハウの習得のみで切り回すのは難しくなる。商売そのものは、リアルの大型店のオペレーションに近づいている。ということは、裏を返せば、商品計画がしっかりし、自社なりの商品分類の基準がきちっと決まっている企業ならば、リアルからネットやモバイルに進出しても勝算は大いにあるはずなのだ。現状はまったくそうなっていないのが、非常に寂しいのだが…。
2006年04月17日
ご心配をおかけしましたが、元気回復してきました。大事をとって、今日もおとなしく家の中にいましたので。 明日からはまた、ブログ執筆も万全な状態で行えると思います。暖かいお見舞いのメッセージを下さった皆様、さくらの友人知人の皆様、本当にありがとうございました。
2006年04月16日
珍しく風邪で寝込んでおります。予定も全部キャンセルする有り様で大変申し訳ないのですが。 そういう事情なので、本格的なエントリは体調が回復してからとさせて頂きます。ごめんなさい。
2006年04月15日
久々に、アパログさんへのエントリに成功致しました。うれしいっす(^^)/今日は、4月7日に最初に発表された、Googleさんのモバイル向け検索エンジンサイト「Googleモバイル」に関するお話です。やはり、Googleさんは中小企業にとっては強い味方になるようなサービスを続々と展開してこられますね。同社の公式ブログ「Google Japan Blog]は、本当に見逃せません。
2006年04月14日
改革途上にあるジャパン・クリエーション(JC)。来週19日から21日に第10回展が東京流通センターで開かれるのだが、再びビックサイトに会場を戻す12月の第11回展に向けた対応が昨日発表された。日本繊維新聞の見出しの4WG(ワーキンググループ)とは、事業運営、広報、コラボレーション、ビジネスサポート、の4つらしい。更に、プロデューサーに日本デザインセンター代表取締役・原研哉氏が就任することが発表された。原氏の実績の詳細については私も知らないが、このホームページに掲載されているような幾つかの著名な仕事については当然見聞している。知名度は国際的にも高い方だし、海外への情報発信という非常に重要な役割を担って頂くにはもってこいの人事だろう。さっき、ネットで「原研哉」氏を検索していて、原さんの講演を聞かれた方が非常にうまくその内容をまとめておられるのを発見した。せっかくなのでここでもご紹介させて頂きます。minfish.jp-blogさんのエントリである。このエントリの中に、informationとex-formationについて触れたくだりがあって、原氏の知見の深さを改めて痛感したのだが、それを読みながら私が思ったことは、informationだろうが、ex-formationだろうが、そもそも中身が薄いものが懸命になってそういう企み、仕掛けをしても、結局はその底の浅さを露呈するだけなんじゃないだろうか、ということ。すんません、JCさんを皮肉っている訳ではないのだが、冗談抜きで、その点はちょっと心配なのだ。というのは、日本繊維新聞の報道によると、「新生JCの実質スタートとなる12月展は、従来の玉石混合的な提案方式から、グローバルエッジ、ビジネス、新商品開発、チャレンジ、OEMなど、各ゾーンを明確に打ち出し、内容の一新を図る」とあるのだが…。その中に、「トレンドゾーン」とか「コンセプトコーナー」といった類の文言が見当たらなかったからだ。この辺の話が、どの程度詰められているのか、業界紙さんには続報をお願いしたい。確かに、既存の玉石混合の出展者のうち、石の皆さんにはなるべく出展は差し控えて頂くようにして、「絹」とか「ウール」「綿」とか「タオル」「ニット」等、素材別の分類をやめて、目的別にきちっと出展者のブースを分類するだけでかなりバイヤーにとって見やすく商談のしやすい展示会になるだろうが…。それだけでは国際的な見本市、というには程遠い。逆に我々が何故プルミエール・ヴィジョンに出向くのか、を考えてみると良い。個々の出展者との商談目的もあるが、展示会全体としての、シーズン・トレンドを知りたいから、この動機がかなり大きいのではないか。インターテキスタイル上海ですら、稚拙なレベルであってもトレンド・コーナーは設けてある。その部分で、その国のテキスタイル業界の感度のレベルが如実にわかるのだ。日本の繊維産業としてのトレンド発信のためには、テキスタイル・トレンドを予測し、ディレクションできる専門的な人材の存在が不可欠だ。この分野に関しては、いかに優秀な他産業のプロダクト・デザイナーであっても、そう短期間にはハイレベルな成果を挙げるのは難しいのではないかと私は思っている。繊維ファッション産業、というのは、他のデザイン分野と違い、マテリアル=素材の段階で、意匠はおろか構造的な設計も含めて一度テキスタイル・デザイナーがデザインを施し、更に2次製品のデザイナーがそのデザインにインスパイアされながら2度目のデザインを行う、という二重構造になっている。更に、車や家電、携帯電話などと違い、2次製品は多品種少量、どうやっても万人へのベストセラーは難しい商品だ。ジーンズやTシャツ、イッセイ・ミヤケの「プリーツ・プリーズ」のようなごくごく一部の例外を除けば、ロングセラーも相当に難しい。常にテキスタイル、アパレルのデザイナー共、something newを探し、動き続け開発し続けなければならないのだ。このように高度で複雑で繊細で、そしてマテリアルとエンドユーザー向け双方のデザイナーの大車輪のような働きが求められる産業分野は他にはない、と言い切ってもいいのではないか。それだけ、やりがいのある難しい分野なのである。しかし、日本のテキスタイル・デザインは、トップグループの企業さん達の仕事のレベルの高さが海外のラグジュアリーブランドにも高く評価されていながら、そこに続くグループの底上げが遅れている。また、わざわざ海外の展示会に出て行かなければ、情けないことにこの日本の地にバイヤーを呼び込むことすら出来ていない。悔しいじゃないですか。とはいえ、引き合いに出すと申し訳ないが、アパレル分野、デザイナーズ・ブランドの情報発信の場であるJFWの活性化よりは、JCの方がひょっとしたらはるかに早く実現できるのではないか、という気が私はしている。既にトップランナーは国際競争に打ち勝っているので。そういう企業さんの仕事をうまく方向づけ、東京発ならではの味付けで世界に知らしめさえすればよい。トレンド・ディレクションの出来る優秀な人材がいればよいのだ。残念ながら、機能と感性両面での機屋さんのトップランナーの商品開発に、全体を統括すべきテキスタイル・コーディネーターの育成がついていっていないのではなかろうか。私が危惧するのは、日本でこの分野の専門家、と目される方々は、ベテラン勢ばかりだということだ。まだ、素材メーカーさんや商社さん等にゆとりがあって、研究所が併設されていた頃に育った人材である。今や、そういう直接利益を生まない分野は縮小傾向、プロの皆さんはデザイン分野の一流の人材にふさわしい報酬がなくとも、産地のために、ということで、心意気でいろいろなお仕事を引き受けて下さっている有様なのではないか?早急に20代後半から30代の感性とコミュニケーション能力、行動力の高い人材を、それも複数名抜擢して育てなければ、日本のテキスタイル業界はいつまでたっても日本発の発信はできない、ということになってしまうような気がしてならないんですが…。それと、これを書くと男女差別になってしまうのかもしれないので、批判を承知で書きますが、女性だけでなく男性のクリエイティブ・ディレクターの育成を。これは、産地組合さんなんかではなく、大手企業さんが責任を負うべきことだと思うんですけどね。
2006年04月13日
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