りゅうちゃんミストラル

りゅうちゃんミストラル

2005.05.19
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カテゴリ: 読書
ピアノマン のことを前の日記に書いた。
そして、16日の日記では 「午後の磔刑」(花村萬月) を紹介した。

私を含めてどうやらこの世は「奇蹟」を期待しているらしい。
それだけ現実が殺伐としているということなのか?
それとも「我々は誰かに生かされている」
ということを証明したもらいたいのか?
そして安心したいのか?


昨年読んだ浅倉卓弥 「四日間の奇蹟」 は、まさに奇蹟の作品だ。
「このミステリーがすごい!」 の第一回大賞作品として有名になったが、
私が考えるに奇蹟とは「作品中に起こった非現実的なこと」ではなく、
登場人物にある。

ここに出てくる岩村真理子のキャラクターこそが奇蹟ではないか?
彼女は一言で言えば「あきらめが悪い女」だ。
そのあきらめの悪さが、こうした作品を作り出す要素なのだろう。
どこまでも希望を捨てないこの女性こそが何よりの奇蹟であり、希望だ。

私は断言する。
この世に神がいなくても、奇蹟は存在する。
それは多くの人が気付いていないだけで、身近にある。


「オズの魔法使い」 大林の「転校生」 「八十日間世界一周 」
そして 「バックトゥザフューチャー」 などと同じく、
この作品はSF的手法で作られている。
「最初と最後は状況が似ている。しかし何かが違っている」
という点において、これらの作品は共通している。

過去事件に巻き込まれ、将来を失った元ピアニスト。
そしてあきらめの悪い女。 サヴァン症候群 の少女。
さらなる事件があり、元ピアニストは何かを失い、何かを得る。
彼の中で何かが変わる瞬間がある。それもまた奇蹟だ。

この作品が ある小説に似ている という話があるが、
私はそういったことがこの作品の価値を決して下げるわけではないと確信している。
そのくらいこの小説は評価してもいい。
それだけの価値はある。作者が持つ言葉の力だけでも読んで損はない。
泣けるので涙もろい人は注意が必要。

なお、この作品は映画化が決まっている。
出演は吉岡秀隆、石田ゆり子、西田敏行、松坂慶子。
今年6月4日の公開で、 平原綾香 が主題歌を担当するらしい。

四日間の奇蹟公式サイト




参考になるページと日記

『四日間の奇蹟』 浅倉卓弥(びじょびじょん)

レビューのとらお 涼色商會 文化事業部 活字中毒

Book Review’S 四日間の奇蹟 My Diary

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最終更新日  2012.11.23 06:58:25


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